かつて、人々の飲料水だけでなく物流としての役目も担っていた琵琶湖疎水。明治期の1890年代、琵琶湖疏水のある大津から宇治川までの20.2kmの舟運ルートの中で、特に水路落差のある蹴上と伏見の2ヶ所に傾斜鉄道(インクライン)が設けられました。いずれも昭和期の1940年前後に休止されているものの、蹴上のみ当時の状態に復元整備され、現在は線路上を自由に散策することができます。 当時、延長581.8mと世界最長を記録した蹴上インクライン。線路跡地と舟の運搬に使われた台車が当時の面影を今に伝えています。
(2022年撮影)