もむでんブログ

墨田区五大博物館訪問その3~セイコーミュージアム

墨田区には企業が運営している博物館がいくつかあります。
これまで、JTの「たばこと塩の博物館」日本郵政の「郵政博物館」に行きましたが、第三弾で「セイコーミュージアム」に行くことにしました。

三階建てのこじんまりとした博物館は、一階に時計の歴史の展示、二階にセイコーの歴代製品が展示、三階は時計間関係の書籍があり自由に閲覧可能になっています。

まずは一階を順路に沿って回ります。
最初は日時計のレプリカ。

石造りのコマ型の日時計です。
日時計の歴史は紀元前のようで、かなり歴史が古いのですが、雨天時や夜間は時間がわからないと行く欠点があります。
人類はその欠点を補うべく、正確に時を刻むものを利用して時計を進化させてきました。

これは「香炉時計」。

お香の燃える速度が一定なことを利用した時計だそうで、機械式出現以前より使われていて明治時代初期まで使われていたそうです。

この他に、大掛かりな機械式の時計がいくつか展示され、その後近代に入り一気に小型化されることになります。

これは鉄道時計。

分単位のずれが許されないで鉄道の世界では、狂いの少ない正確な時を刻むものが利用されていたのはもちろんです。

一方で時計は装飾品やオブジェとしての役割も果たしています。
これは19世紀のイギリスの置時計。

大理石に組み込まれた時計の上に金の彫像が置かれていたり、銅像型の時計などもありました。

小型化が進み、装飾品としても用いられるようにあるとこのような懐中時計も作られたようです。

これは19世紀にスイスで作られた懐中時計。
上のボタンを押すと金の人形の腕が金を打つアクションをします。
展示物は動いておりませんので、Youtube等で動く様子をご覧ください。

これはデジタル表示懐中時計。

と言っても液晶やLEDではなく、パタパタと文字盤がめくられていくもの。
数字が漢数字になっています。

船に積まれた時計も、海図との密接な関係から誤差が非常に小さいものが用いられたそう。

同タイプのものが大和や武蔵に積まれていたそうです。

一階の最後はスポーツで用いられているSEIKOの時計や計測システムの展示があります。

陸上のピストルとスタートブロックとゴールのセンサーが連動したシステムを作ったのもSEIKOだそう。
私が中学校の体育の教科書で習ったのは、短距離走の1人のタイムを3人で測るというもの。
3人のうち2人以上タイムが一致すればそのタイムを採用し、3人がバラバラなら真ん中のタイムを採用するというルールでした。
また、人間が主導で計時すると100m走の場合で0.24秒早くなるという話を聞いたことがあります。
当然人が変わると誤差も変わるでしょうから、公平な世界記録を計る仕組みを作ったSEIKOの功績は非常に大きいと思います。

そう言えば、現在世界陸上の真っ最中ですね。
こんな記念撮影コーナーもありました。


スポーツと切っても離せないのがストップウォッチ。

各競技ごとに準備されていたようです。

二階に上がりました。
これは徳川のご紋が描かれた柱時計。

そう、機械式時計は前述のように19世紀にはすでにあったので、日本では江戸時代には存在していたようです。

このように同じ型の時計が浮世絵に描かれています。


ここからSEIKOさんの歴代の商品の展示が多数。
壁掛け時計と最初の目覚まし時計です。


これが最初の目覚まし時計か・・・。

自分が物ご頃ついた頃、TVでよく見る目覚まし時計は大体この形でした。
かなり長い間この形がスタンダードだったのでしょうか。

これはなんと380万の置時計です。

中国の水時計をモデルに、水の代わりに鉄球を転がして鉄球が歯車を回すと針が進む仕掛け。
見ていて面白いですが、毎日見ていたら飽きるだろうし、買う人いるんでしょうかw。

これは「機械遺産」に認定されたSEIKOの初代腕時計「ローレル」。

腕時計の歴史は19世紀初頭が最初のようですが、量産は19世紀後半のドイツ海軍のもので、遅れること30年と少し、1913年に量産が開始されたそうです。

20世紀半はSEIKOは世界に追いつき、そしてその品質で世界を追い越した時期とされています。
1969年にはクォーツ腕時計を商品化して世界をリードし、さらにねじを巻く必要のない自動式を開発したのもSEIKOだったんですね。


自動式は振り子が中に仕組まれているのは知っていましたが、振り子がどっちに回っても歯車が同じ方向を回る仕組みだったってのは知りませんでした。

プラバンで作られた自動式の仕組みです。
なるほど、こんな仕掛けだったとは・・・。

デジタル化への流れももちろん取り組まれていました。
電卓付き時計などはCASIOなどがリードしていたイメージですが、SEIKOももちろん出しており、さらには録音機付き時計やTV付き時計まで!

TV付き腕時計はウォークマンより大きいチューナーやヘッドホンが外付けですが、1982年にこれが出された時のインパクトはすごかったですね。
この後、ポケットTVも世の中に出ますが、動画表示可能な液晶の開発やカラー液晶の技術がここから活かされているのだそうです。
ちなみにTVウォッチ、定価10万8,000円ですw。

日本の時計のトップブランドのSEIKOですが、その歴史には様々なチャレンジがあることを改めて知ることができました。

もちろん、今日お見せした写真は本当に一部。
入館料無料でもっとたくさんの情報を得ることができるので、ぜひ足を運んでは如何でしょうか。
同じ最寄り駅に東武博物館、向島百花園もあり、ちょっとしたプチ観光も可能です。
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