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アーユルヴェーダのお勉強

独学でアーユルヴェーダ

輪廻(サンサーラ)

2017-05-05 21:18:23 | インド哲学
インド六派哲学は、輪廻(サンサーラ)という考え方を発展させてきました。
人にそなわっている我(アートマン)は、人の死によって消滅することはなく、死と再生を無限にくり返していくというのが輪廻の思想です。
人の運命を決めるのは、その人自身の行為以外のなにものでもないと考えています。
裕福な家に生まれるか貧しい家に生まれるか、健康か病弱か、成功するか失敗するかなどは、現世と過去世のその人の行為の見返りなのです。
だからといって、自分の運命を呪ったり、失敗しても落胆したりせず、信念を曲げず、正当な方法で目標を達成できるよう努力しつづけないといけないのです。
そうすれば、その結果が必ず自分の上に現れると説いています。

人の究極の目的は、輪廻も含め、すべての束縛から解き放たれ、永遠至高の幸福の状態であるモークシャに達成することです。
苦悩の根源的な原因であるあらゆる欲望と野望を捨てることと、自分のほんらいの姿を知ることによってしかモークシャに到達することはできません。
人の存在を支えているのは我(アートマン)であって、その人の身体(シャリーラ)や、感覚運動器官(インドリヤ)や、精神(マナス)ではないことに気づくことが大切です。

アーユルヴェーダは、正統派哲学の輪廻の思想を取り入れています。
しかし、哲学が精神面の健康を実際に向上させることだけを論じているのにたいし、アーユルヴェーダは、精神面だけでなく身体面への配慮も同等に重要であると考えています。
アーユルヴェーダによると、身心の健康に気をつけることが人の信仰心を生み出します。
健康を増進するものはすべて神聖で、健康を害するものはすべて神聖ではないとみなします。
肉体的に健康でなければ、求道者として自分を高め、人生の究極の目標に到達することはできません。



(以上、「アーユルヴェーダ式育児学 アーユルヴェーダの基礎と小児科学」V•B•アタヴァレー著、潮田妙子/クリシュナ•U•K訳、春秋社、1994年発行 より引用)



インド六派哲学の項がこれで終了です。
五派しか出てきていないのです。
残る一派はウィキペディアによると、”ミーマーンサー学派”でした。
詳しくはウィキペディアを参考にされてください!

ウィキペディアさん


私は仏教の学校に通っていたので授業で輪廻の話を聞きましたが、その時は「昔の人が言ってただけでしょう」という認識でした。
しかし、今は”我(アートマン)”が肉体が滅んでしまっても生き続けて、また肉体的に生まれ変わってくるのだと信じています。(”我”より”魂”の方がしっくりきます)

なぜそう信じるのか、一つは感覚的にとしか言いようがありません。
また、もう一つはアーユルヴェーダの勉強していてどれも素晴らしいなと思っているにも関わらず、ここだけは信じ難いと否定するのは筋が通らないと思うからです。アーユルヴェーダがそう説くのだから間違いないだろうと思うからです。

アーユルヴェーダがすべて正解であると断言することは出来ないかもしれません。(日本語訳への解釈の違いなども含め)
しかし、こちらのブログはアーユルヴェーダのお勉強ですからこの考え方を信じて学びたいと思います。

ヴェーダーンタ

2017-04-26 21:52:15 | インド哲学
ヴェーダーンタ学派

この学派はブラフマン<梵>、つまり宇宙の本体だけがこの宇宙で永遠不滅で真の原理であると考えています。
目に見えるすべてのものは幻影(マーヤー)で、宇宙にあるすべてのものはブラフマンから生まれ、ブラフマンによって持続し、ブラフマンに帰ることによって消えていくと説明しています。

インド六派哲学は、人は宇宙の縮図であると考えています。
人は宇宙とまったく同じ基本要素(マハーブータ)で構成されているので、人体の内部は外界と同じくらい変化に富んでいます。
ですから、宇宙と自分自身とは、じつは、一体なのだと感じとれるようになったとき、人は最も高い次元に到達できると考えたのです。




(以上、「アーユルヴェーダ式育児学 アーユルヴェーダの基礎と小児科学」V•B•アタヴァレー著、潮田妙子/クリシュナ•U•K訳、春秋社、1994年発行 より引用)



”ブラフマン”とは、註釈での説明で「宇宙の原理」「宇宙の根本原理」とも訳されると記載されています。

…で?結局それは何…?

”目に見えるすべてのものは幻影”であり”ブラフマン”が”原理”

”ブラフマン”は神の意志とか、宇宙の意志とかそういうもなのか。それとも、エネルギーのことなのか。物質ではなさそうだし…光とか熱とか音とか、私の知っている表現でいうと何だろうか。
それとも、全部ひっくるめて、存在しているすべてが”ブラフマン”??

この本を読めば読むほどに、分からない単語が出てきて謎が深まります。

サーンキヤとヨーガ

2017-04-25 21:33:54 | インド哲学
サーンキヤ<数論学派>とヨーガ学派

これらの学派は、宇宙はつぎの二十五の要素(二十五原理)で構成されていると考えています。

(1)プルシャ ー純粋精神
(2)プラクリティ ー根本原質
(3)マハット ー根源的思惟機能
(4)アハンカーラ ー自我意識
(5)マナス ー思考器官
(6〜10)パンチャ・ジュニャーナ・インドリヤ ー五感覚器官
(11〜15)パンチャ・カルマ・インドリヤ ー五運動器官
(16〜20)パンチャ・タンマートラ ー五微細元素
(21〜25)パンチャ・マハーブータ ー五粗大元素

これらの学派の理論によると、プルシャ以外の二十四の要素(原理)はプラクリティから展開したもので、プルシャは永遠不変であるとしています。



(以上、「アーユルヴェーダ式育児学 アーユルヴェーダの基礎と小児科学」V•B•アタヴァレー著、潮田妙子/クリシュナ•U•K訳、春秋社、1994年発行 より引用)



簡単にサラッと記載されていますが、一つずつ理解するのはちょっと時間がかかりそうです。

”プルシャ”と”プラクリティ”また出てきたなっ。

前回出てきたところ


またまたウィキペディアで調べてみると、詳しく書いてありますが、今の私のの頭ではボンヤリとしか理解できません…(カタカナと、似た言葉が多くて拒絶反応が…)またゆっくり理解していこうと思います。


ウィキペディアさん
(”思想”の項に詳しく書かれています)


ニヤーヤとヴァイシェーシカ

2017-04-23 23:17:28 | インド哲学
古代から人は、永遠至高の幸福をつかむ方法を探し求めてきましたが、これは心身ともに理想的な健康状態でなければ得られないものです。

永遠至高の幸福という発想は、アースティカ・ダルシャナ<正統派哲学>のものです。この学派は、人の本質と宇宙の本質、そして人と宇宙のかかわりあいについて解き明かしていて、現世の一人ひとりの人間は、生と死をくり返す鎖の環にすぎないと考えています。

インド哲学は、全宇宙を構成している基本的な原理をどのように規定しているかによって、大きく三つのグループに分けることができます。


ニヤーヤ<正理学派>とヴァイシェーシカ<勝論学派>

この学派は、全宇宙はつぎの七つのパダールタ(カテゴリー、句義)で構成されていると考えています。

(1)ドラヴィヤ ー実体
(2)グナ ー性質
(3)カルマ ー運動
(4)サーマーニヤ ー類似
(5)ヴィシェーシャ ー非類似
(6)サマヴァーヤ ー内属
(7)アバーヴァ ー欠如

実体として、地、水、火、風、空、我(アートマン)、精神(マナス)、時間(カーラ)、方角(デーシャ)の九つがあげられています。
宇宙に存在するすべての物は、生物であれ、無生物であれ、これらの九つの実体のいろいろな組み合わせによって成り立っていると説明しています。



(以上、「アーユルヴェーダ式育児学 アーユルヴェーダの基礎と小児科学」V•B•アタヴァレー著、潮田妙子/クリシュナ•U•K訳、春秋社、1994年発行 より引用)



インド六派哲学と言われるものがあり、そのうちのニ派の説明です。

ウィキペディアで調べてみると”アースティカ”は正統派という意味で、”ダルシャナ”はインド哲学と訳すそうです。
また、インド六派哲学は”ヴェーダの権威を認める6つの有力な正統学派の総称”と記載されています。
(対比するものとして、”ナースティカ<異端派>”)

と、言うことは、”アースティカ・ダルシャナ”=”インド六派哲学”と考えていいのかな。


また、上記著書の注釈に「インド哲学はアースティカ(肯定する人)派とナースティカ(否定する人)派に大別される。前者はヴェーダ(バラモンの聖典)の権威を認める学派で、後者は唯物論者、仏教徒、ヴェーダを疑う無信仰者、自由思想家などを含む。アーユルヴェーダはアースティカの立場をとっていて、サーンキヤ、ニヤーヤ、ヴァイシェーシカ各派を哲学的背景としている。本章で説明されている学派はすべてアースティカである。」と記載されています。



ニヤーヤとヴァイシェーシカという二派があるのは理解できましたが、この学派の考え方である、
”全宇宙はつぎの七つのパダールタ(カテゴリー、句義)で構成されている”というところと、
”実体として、地、水、火、風、空、我、精神、時間、方角の九つがあげられています”の理解が深く出来ていません。

例えて言うとどういうことなのか、分かるような、よく分からないような…

またいつかどこかで繋がって理解できるのかな。