電動キックボードMEISYA列伝の執筆者mojyaoです。今回、このブログとしては初の二車種同時紹介となります。で、冒頭から恐縮なのですが、その理由については後ほど説明いたします。で、今回取り上げる二車種を初めて見た時に「なんか、ずいぶんとホイールベースが短いような気がするなぁ」と思いました。
ホイールベースって何?という人のためにざっくりと説明いたしますと、前のタイヤの中心から後ろのタイヤの中心までの距離のことでして、この距離が長ければ長いほど直進でフラフラしにくくなり、短ければ短いほど小回り性能に優れます。ですが、このブログで何度も伝えているように乗り物というものはどこかを良くすればどこかが悪くなるという関係で成り立っているもので、裏を返すとホイールベースが長くなればなるほど曲がりにくくなり、短くなればなるほど真っ直ぐ走りにくくなります。
真っ直ぐ走らないキックボードは困るというのは勿論なのですが、曲がらないというのもそれはそれで相当困るものです。
今、電動キックボード関連の話題では直進の安定性にだけ優れているもののほうが良いというような内容が散見されますが、私は曲がることも止まることも重要だと思っています。そこに走るという要素を加えた3つがちょうどいい具合に調和した物こそ良いと考えています。
で、話は今回の二車種に戻ってホイールベースが短い気がするとは言いましたけど、実物をみて思ったわけでなく国土交通省の性能確認試験合格リストの写真を見て思ったわけです。
写真だけじゃあ詳細がわからないので、発売元や販売元を調べてホイールベースの寸法を確認してみようと思ったのですが、電動キックボード各社ってどこもホイールベース寸法を公表していないんですよ。で、KICK ZONEのほうはNewseedという会社から発売されていてマンティスNEOのほうは足立ブレーキという会社から発売されているのですが、直接確認してみるにしてもレイルグレードLの時と同様に結構と面倒くさいことを入力フォームで聞いてくるので今回も聞きませんでした。
そこで、今回の二車種と比較対象になる車種を写真と分かる範囲の寸法から推測してみることにしました。
今回の二車種はどちらも全長1130mmでタイヤは外径10インチです。タイヤ外径はメートル法に換算すると254mmです。
前後のタイヤの外周がそのまま全長になればこの時点でおおよそのホイールベース寸法の算出は可能なのですが、そういうケースは希でだいたいはそのほかの部分が絡んで全長となるケースがほとんどです。
カタログ寸法÷写真上の実測値で縮尺を求めてから各部の推定値を算出するという非常に大雑把なやり方で同じく10インチタイヤの他の車種の中からハイエンドモデルの代表としてKS6PROとエントリーモデルの代表としてAINOHOT S07と比べてみました。
ホイールベースが長いであろう順に言うとKS6PROが915mm位で次に今回取り上げた車種が855mm位で次にAINOHOT S07の795mm位となりました。
尚、この算出方法ではプラスマイナス1cm位の誤差が出るんじゃないかな?と思いますが、今回取り上げた車種のホイールベースは見た目よりも短くはないようで、KS6PROとS07の中間くらいのようです。また、855mm程という寸法は、リッチビットES1PROがだいたい840mm程度のようなのでホイールベースのみに関してはES1PRO程度と考えて貰ったほうがイメージしやすいと思います。
となると、ハンドルが高いからホイールベースが短く見えるようです。今回取り上げた車種のカタログ値の全高はkickzoneが1270mmでマンティスNEOが1260mmなのですが、ホイールベースの話で比較した車種の全高はカタログ値でKS6PROが1258mmでAINOHOT S07が1180mmです。
今回取り上げた車種の全高ってKS6PROよりも高いんです。ちなみにカタログ値での全長は長いほうから順にKS6PROが1192mm。今回取り上げた車種が1130mm。S07が1070mmです
以上のことを纏めると、比較した車種と比べて縦横比での縦が一番高いということになります。それから、デッキのまっ平らな部分が車体全長に比べて短いというのもホイールベースを短く見せる要因なんじゃないかな?とも思っています。
デッキの部分の長さも各社とも公表していないので、ホイールベースの寸法推定と同じやり方で算出してみると長い順からKS6PROで505mm程度、今回取り上げた車種で425mm程度、S07で415mm程度となりました。
今回取り上げた車種は全長はS07よりも60mm長いのですが、デッキのまっ平らな部分の長さはほぼ一緒なんですね。デッキの長さも極端に短いというわけでもないようです。
今回の推測が間違っていなかったとしたなら、今回取り上げた車種は実用上、バランスの悪いものでは無いと言っても良いと思います。
さて、冒頭でお話した初の二車種紹介の理由なのですが、KICKZONEもマンティスNEOもどちらも中国のkaixinのX11というモデルがベースらしいんですよ。ちなみに言うと今回比較対象として取り上げたAINOHOT S07も同じくkaixinのX8というモデルがベースのようで今回は取り上げなかったのですが、足立ブレーキ工業から発売されているマンティスjrという車種もそのkaixinのX8という車種がベースのようです。
それではごきげんよう~