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ウェイの中国語翻訳メモ

日本語と中国語の通訳・翻訳を勉強しているウェイ。言語の奥深さにも興味あり。

◆「開路(kai1lu4)」はどこからきた?

2005年02月26日 | 日中両語比較
台湾在住の416さんのブログアジアの空の下でによると、
引越し業「喜客喜(CiCoCi)」の社名が日本語からきていると書かれていました。

「引越し(ひっこし)」という音から
それに近い音の漢字を探したのだと思いますが、
なかなかいい漢字を探し出したなぁ、と感心してしまいました。
ここに頼んだら、移転先に祝い事がたくさん待ってるような気がします

日本語の音から中国語になったもの、、

「我們應該開路吧」(Wo3men5 ying1gai1 kai1lu4 ba5)

の「開路(kai1lu4)」もそうです。

どういう日本語からきたと思いますー???

kai1lu4→カイルー→かいる→かえる?

そう! 「帰る(かえる)」なのです。
なので、上記の中国語は「もうそろそろ帰ろうよぉー」という意味になります。

ハルピン出身のPさんに聞いてみると、
【帰る】というより【今いる場所から移動する】という
意味で使われることも多いそうです。

必ずしも【帰る】わけではないんですねー。

それにしても、ちゃんと「路(lu4)」という漢字を当てているところ、
いい感じですね~。

◆どういうときに使う? 目的で訳すか、役割で訳すか

2005年02月23日 | 日中両語比較
これ、なんでしょう。。。

①「後視鏡(hou4shi4jing4)」【何を見る鏡?】
②「倒車鏡(dao4che1jing4)」【どんな時に見る鏡?】
③「車内鏡(che1nei4jing4)」【どこにある鏡?】

これ全部一つの日本語表現に置き換えることができます。
(厳密に言うと、指してる物が違ってくるようですが)

①後ろを見る為の鏡 → バックミラー、サイドミラー、ルームミラー
②車を後退する時に見る鏡 → バックミラー、サイドミラー、ルームミラー
③車内にある鏡 → バックミラー、ルームミラー

じゃあ、日本語で「バックミラー」という言葉が出てきたとき、
どれを使えばいいのかなー?
その「バックミラー」がどういうシチュエーションで、
どういう意味を持った文中に現れてるか、ということに着目すればいいんですね。

重要なのは、
1+1=2 のように バックミラー=○○鏡
と、機械的に暗記するのではなく、その都度原文の意味を噛み砕いてみること!

◆「電話ください」と「電話掛けてください」

2004年12月11日 | 日中両語比較
「○○さんから電話ありましたよ。『電話ください』ですって」
会社で日常的によく使いますよね、こういう表現って。

よく考えてみると、
「電話ください」だと、電話機をあげることにもなりますよね。
(古いコントでありそげだゎ…)

「電話掛けてください」が正しいんじゃないかなぁ。
“掛ける”という動詞を言うのが本来正しいのでは…?!

もしかしたら、まだ電話というものが世に出て間もない頃は
「電話掛けてください」と言っていたのが、
電話の存在に慣れてきた時期から、言葉の上で省略化がされたのかもしれません。

このような動詞の省略化現象は中国語にもみられるそうです。
これは、動詞「打(da3)」の省略したかたちです。

「電話ください」・・・>「給我電話(Gei2wo3dian4hua4)」

それでも、やはり中国語は動詞を重視する言語なので、
こういう動詞を省略するパターンは稀かもしれないですね。

◆「乗りかかった船」っていい船? 悪い船?

2004年10月27日 | 日中両語比較
「乗りかかった船」というと、

船に一旦乗ってしまったら降りたくても降りられない
 → やるっきゃない!!

という意味ですよね。

降りたいと思うのは、実はやりたくないということですよね。
つまり、その船には乗っていたくない、船は嫌な存在です。

中国語では、その嫌な船を“ドロボウ船”と表現します。

「乗りかかった船」・・・>「上了賊船(shang4le5zei2chuan2)」

◆命名は早い者勝ち、定着したもの勝ち!

2004年10月26日 | 日中両語比較
レンタカーって中国語で何というでしょう。

分解して考えてみましょう。【レンタル + カー】

レンタル・・・>「出租(chu1zu1)」
カー  ・・・>「汽車(qi4che1)」

だから、「出租汽車(chu1zu1qi4che1)」としたいところ。
でも! 「出租汽車(chu1zu1qi4che1)」って「タクシー」のことですよね~。

じゃあ、レンタカーって一体なんて言うの~~~???

「タクシー」に【レンタル + カー】の言葉の組み合わせを先取りされてしまったレンタカー。中国に来るのがちょっと遅かったみたいね。(って言っても、社会浸透レベルを考えると、タクシーよりレンタカーが先に普及することは有り得ないですよね…)

そんなわけで、残った【レンタル】の同義語を使うしかない!!
こうしてレンタカーは、中国語で「出賃汽車(chu1lin4qi4che1)」と
呼ばれることになりましたとさ。めでだし、めでだし!

◆「我公司」と「貴公司」の考え方

2004年10月08日 | 日中両語比較
普段、自分の属している会社を他者に対してなんと言いますか?
弊社?
当社?
小社?
会話では、「小社」と言う人は少ないでしょうね。
「商社」と音が一緒だから。

私は「弊社」という表現をよく使います。
へりくだって言うことを美徳だと思っているからです。
なんて保守的な考えなんでしょうね、私。。。
でも、そうやって親から教育を受けてきたので、
なかなかその考えから脱することができません。

その考えの下、私は中国語で「弊公司(bi4gong1si1)」と書きました。
でも、当時の同僚だった中国人は、それを消し、
「我公司(wo3gong1si1)」と書き直しました。
「どうも『弊公司(bi4gong1si1)』というのは不自然に感じるんだよねー」
と言いながら。

文章では「弊公司(bi4gong1si1)」と書くことはあっても、
中国語の会話に出てくるのは、
そのほとんどが「我公司(wo3gong1si1)」です。

でも、相手の会社を指す言葉は、
日本語の「貴社」に相当する「貴公司(gui4gong1si1)」なんです。

つまり、相手の立場は尊重しつつ、
自分の立場は決して下げないということですね。
特にビジネスの上では、各社の立場って非常に重要な意味を持ってくるので、このやり方の方が上手くいくのでしょう、きっと。
中国の人、商売上手な人が多いのは、この考え方が身についてるからですね。
私も中国関連の仕事をするときは、この考え方です。
でも、日本企業に対しては「弊社」と言いますけどね。

◆「母国語(ぼこくご)」を考える

2004年09月24日 | 日中両語比較
私は普段「母国語(ぼこくご)」という言葉を使いません。
というのは、「母国語」の定義があいまいだからです。

辞書には、
「自分が生まれた国や所属している国の言語」とあります。
※三省堂提供「大辞林 第二版」より

これって
【自分が生まれた国】と【所属している国】がイコールの場合だと何の疑いもなく使えますよね! でも【生まれた国】と【所属している国】は必ずしも一致しません。

例えば、日本で生まれたけど中国籍の人。
この人の「母国語」ってなんですか。。。
【生まれた国】を重視するのであれば日本語、
【所属している国】を重視するのであれば中国語ですよね。
実際のところ、その人がどういう言語生活を送ってきたかを見てみないと分からないですよね。

実は、【生まれた国】も【所属している国】も関係ないと思うんです。

そんなこんなで、私は「母国語」という言葉に疑問を抱いているので、極力その言葉を使いません。

じゃ、なんって言うかというと、「母語(ぼご)」です。
中国語でも「母語(mu3yu3)」と言いますよね。

つまり、言葉に国は関係してこないということです。

◆「銷路(xiao1lu4)」と「渠道(qu2dao4)」

2004年09月16日 | 日中両語比較
「長期的に取引ができる中国の販路を確立したいんです」

(×)「想建立長期能做生意的中国銷路」
                     ****

(○)「想建立長期能做生意的中国渠道」
                     ****
日本企業は、“販路”という言葉を強調していたので、
どうしてもその単語を使って中国語にしたかったのに、
どうやら“販路”をそのまま訳した「銷路(xiao1lu4)」という単語、
中国人ビジネスパーソンの間ではあまり頻繁に使われていないようです。

あ~~~っっ。
“販路”と言いたい。
“販路”という表現にこそ意味があるのだーと嘆いてみたけど、
各言語で表現方法も違うもの。仕方がない。

ならば、中国人ビジネスパーソンがよく使う単語で表さなければ、
この日本企業の意向は伝わらない。

そんなわけで、訳者は「銷路(xiao1lu4)」に取って代わる語を
探しました。

それは“パイプ”を意味する「渠道(qu2dao4)」でした。
辞書だけではなかなか生きた中国語は学べません。

◆「茶碗蒸し」ってな・あ・に?

2004年09月14日 | 日中両語比較
日本語を勉強している中国人女性、
彼女は日本に来たことがなく「茶碗蒸し」を食べたことがありません。
そんな彼女が「茶碗蒸し」という言葉と初めてであった時、それがどんなものなのか全く想像つきませんでした。お茶碗を蒸したもの???

「茶碗蒸し」を知らない彼女は、単語を分解して「茶碗」と「蒸し」を手掛かりに中国語に訳そうとします。

「碗蒸」・・・> 残念! NG!

なぜ、NGになったのでしょう。

日本語は、そのものズバリ表現することを好まない言語ですが、
中国語では結構ズバっと直球型で表現することが多いようです。

そんな言語の特徴を踏まえてみてみると、中国語で料理名をいう時は、
たいてい【食材】が名前に含まれています。
じゃあ、「茶碗蒸し」も【食材】を含めば、中国語らしい中国語になるのかも!

そうです!
「茶碗蒸し」、中国語では「鶏蛋羹(ji1dan4geng1)」といいます。
ちゃんと“玉子”の文字を入れてあげて、やっと通じる中国語になるんです。

◆「玉子焼き」と「目玉焼き」

2004年09月13日 | 日中両語比較
「玉子焼き」と「目玉焼き」、みなさんはどちらが好きですかー?

両者の違い、恐らく日本人なら9割9分知ってるはず!
(イヤ100%か?!)

でもね、でもね、、、
小学館の『日中辞典』を引いてみると、
玉子焼き・・・「煎鶏蛋(jian1ji1dan4)」
目玉焼き・・・「煎鶏蛋(jian1ji1dan4)」
同じなんです。

見た目はあんなに違うものなのに、
中国語の世界では区別してないんです。

だって、同じ食材使ってるし、同じようにフライパンで焼くから。

中国語の文章で「煎鶏蛋(jian1ji1dan4)」が出てきた場合、
「玉子焼き」と訳すか「目玉焼き」と訳すかは、訳者次第ってこと!

◆「肝心(かんじん)」を逆さにすると・・・

2004年09月10日 | 日中両語比較
「肝心(かんじん)」を中国語に直すと、
「重要(zhong4yao4)」とか「関鍵(guan1jian4)」となり、
日本語の漢字そのままでは通じません。

でも!
逆さにしてみると・・・「心肝(xin1gan1)」
“重要な人”を意味する語になります。

あなたが女性なら「ダーリン♪」、あなたが男性なら「ハニー♪」と言っていることになります。あと、自分の一人息子に対して言うと「愛しい我が子よ~」ってな感じになります。

日本語で「心肝(しんかん)」と言えば、
1、こころ
2、心臓と肝臓
なんですけどね。

両語で通じるところがあるようで、なさそうな。。。う~ん・・・。

◆「お風呂に入る」と「洗澡(xi3zao3)」

2004年09月07日 | 日中両語比較
「お風呂に入る」を中国語では「洗澡(xi3zao3)」と言います。
意味するところは同じなのに、使っている動詞が違います。
日本語は「入る」、中国語の動詞は「洗う」です。

これは、日本語が物事の起点に、中国語が物事の中心もしくは終点にそれぞれ着目していることに基づきます。

日本語では、服を脱いで風呂場に入るという行為だけに視点が置かれ、
洗ったかどうかは問題にされていないんです。
ただ湯船に浸かっただけでも「お風呂に入る」と言い、
洗ったときと同じ表現をするのです。

日本語は物事の中心、その物ずばりを指して言うことを避ける言語なんですね。

◆「入院(にゅういん)」と「住院(zhu4yuan4)」

2004年09月05日 | 日中両語比較
「入院(にゅういん)」と「住院(zhu4yuan4)」は、同じ意味を示す語。
でも、どうして使っている漢字が違うのでしょう・・・?!

それはね、日本語と中国語で
着目している部分が違うから!!

日本語は基本的に物事の起点に、
中国語は基本的に物事の中心もしくは終点に
それぞれ着目しているのです。

この場合、日本語だと
家から病院に【移動すること】に焦点が当たっていて、
中国語では、病院に入った後、
【そこに居続ける】ということに目がいってる訳です。