変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
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専門用語を不定期掲載

技術士試験の勉強のまとめ 1.(選択科目編)

2012-04-30 13:32:52 | 技術士関連

技術士試験の勉強のまとめ

(1)必須科目
5年にわたる技術士試験の勉強の仕方をまとめてみることにした。
技術士試験の改正も噂されているので、いつまで有効かは分からない。機械部門で選択科目は流体工学、専門とする事項は流体機械で受験した。技術的体験論文は、ラジアルタービンと遠心圧縮機について記述した。

まずは筆記試験に関わる話し
筆記試験は、一年目は選択科目が合格で、必須科目が不合格となっていた。ただし、2年目から5年目については、筆記試験は4回とも合格していた。

通信教育や勉強会にも参加しており、相当な助けになった。独習だけでは、合格するには、相当厳しい試験ではないかと思う。

選択科目の方が、専門知識が必要になるので、時間がかかると思われる。ただし、必須科目もそれなりに時間がかかるので、ある程度時間を取る必要がある。


共通の注意事項として、回答論文や技術的体験論文は、一文を75文字以下にするようにした。これは、技術士の論文試験を指導するほとんどの方が、注意される内容だと思われる。75文字が妥当かどうかは、人によって分かれるだろうが、許容できる範囲数の上限付近ではないだろうか。仕事上でも、文章を書く際は、一文は、短く書いた方がいいだろう。接続詞を使った文の分割、修飾語の部分の一文への置き換えにより、一文は短くできる。ただし、文を増やすと、字数が増えやすい点は注意が必要である。文を分割すると、意味がおかしくなるという場合があるかもしれない。ただし、その場合は、元々の文の構成自体がおかしいことが大半なので、文の構成自体を見直すべきである。より正しくは、一文が短くした方が、文の構成自体の間違いが分かりやすいと言う事なのかも知れない。



1.主に使った参考書

A.機械工学便覧(旧版)A編(基礎編)A5 流体工学,
B.機械工学便覧改訂版 基礎編(α4編)流体工学
C.機械工学便覧改訂版 応用システム編(γ2編)流体機械
D.技術士第二次試験 「機械部門」対策と問題予想, 福田 遵(監修),大原 良友(著),日刊工業新聞社
E.機械工学便覧(旧版)B編(応用編)B5 流体機械

機械工学便覧は、量も質も充実しているので、内容を理解できれば、"機械部門の流体工学"に関する専門知識は十分だったというのが、正直な感想だ。ただし、遠心圧縮機やラジアルタービン等の流体機械は、機械特有の性能指標(断熱効率等)や現象(チョーキング等)があるので、そちらも勉強しておく必要がある。

通勤や電車での移動時に、A.B.C.を読んでいた。A.は都合3回、B.は都合2回通読したように思われる。ただし、電磁流体や希薄流体、非ニュートン流体の話しは、比較的特殊で、自分の専門にも関連が薄いので、真剣には読んでいなかった。C.も自分に関係ありそうな部分は、一通り読んだ。具体的には、第I部 流体機械一般、第II部 水力機械、第III部 気体機械は大体読んだ。ただし、II部の4章 容積形ポンプおよび特殊ポンプと5章 流体伝動装置、III部の第2章 容積形送風機および圧縮機と第5章 風 車はちゃんと読んでいなかった。

D.は同じ著者の方が、新版を出されているが、過去問の修正が多くなっている。D.の旧版は、新制度の前年度に出版されおり、過去問のない状態であるが故に、旧制度の過去問を中心に、多様な予想問題が掲載されている。個人的には、これが一番よいように思われる。

また、日本機械学会誌や日経ものづくりも、会社の資料室から借りて読んでいた。
ちなみに、"JSMEテキストシリーズ 流体力学"も良い本であるが、出題範囲を補足できていないので、これだけでは不十分である。

2.選択科目全般に関する話
選択科目は、"「選択科目」に関する専門知識と応用能力を問う問題"が出題されるので、ある程度の専門知識は必要となる。応用能力と言われても、受験一年目はよく分からないところがあったが、実際の事例に関して述べるということになるのではないかと考えている。
実際の事例は、自分の体験でなくても良いが、説得力を持たす必要がある。

ちなみに、ある程度勉強して、過去問を調べ、予想問題を考えるようになると、
どんな問題が出るかは分かるようになってくる。流体力学は、ナビエ=ストークス方程式と相似則を基本としているので、両方を理解していないと、試験は苦労するように考えられる。

3.専門用語の解説集
前述の通信教育の講師の方や勉強会からの学習法の勧めもあって、専門用語の解説集をワードで作成した。また、その専門用語の解説集を、ICレコーダーで録音し、通勤時に聞き流すということもやっていた。ICレコーダーに録音して聞き返すのは、口頭試験の練習にもなるし、自分がしゃべっているだけでは分かりづらい話し方に関して、分析と改善にも役立つ。

専門用語は、旧制度から含めた過去問を中心に抜粋していた。参考書のD.に記載してあった内容からも、引用していた。解説集は、工学便覧から調べた内容を200から400文字程度の、録音すると2分もいかない分量としていた。
論文よりも分量が少なく、時間がかからないので、平日でも実施ししやすい、録音して聞き返すのは、自転車や徒歩での移動中でも出来る点が良い。

これは3年目からやっていた内容であったが、4年目以降は過去の内容を更新するという形になっていた。覚えていた内容もあったので、5年目はあまりやっていなかった。

4.論文の練習(パソコン)
試験は、手書きで行われるので、当然手書きの練習が必要である。とはいえ、手書きだと修正が大変なので、パソコン(ワード)で作成して、(出来れば技術士の方に)添削してもらう方がよい。インターネットで検索すれば、ワードの元データはすぐに見つかったように記憶している。

解答論文は、図の有無は問われないが、図があった方が分かりやすい場合が多いので、
図も入れる方にした方がいい。図は、試験の練習も兼ねて、手書きで書いたものをスキャンして取り込んで、原寸で貼り付けるようにして作成していた。こうすることで、どの程度の大きさが必要かどうかということが分かる。問題は自分で考えたものを使用するが、過去問を修正するという問題を解くことが多かった。
自分は、章立てを考えてから、書きながら修正するという形式で書いていた。このやり方は、修正が容易なパソコンであれば、割とうまくいくが、手書きでは、あまり良くないやり方である。章立ては、設問に対応することを原則とした。字数は、通信教育の指導に従って、パソコンで作成する場合は、最終行まで書くようにしていた。
なお、講習会を受講した時に、回答論文に所見を入れるべきという意見もあった。自分の場合は、所見はあってもなくても良く、最後に解答用紙を埋めるために使っていた。

試験が8月初めにあり、必須科目の勉強や手書きの練習もあるので、5月中に及第点の論文をパソコンで作成できる目途が出来ていないとかなり苦しいと思われる。

ある程度書き方を理解できれば、数をこなす方が重要になるが、及第点に達しない段階では、同じ問題を徹底的に改善する方がよいと思われる。

手書きほどではないが、時間もかかるし、疲れるので、週に何問も練習できるかどうかは、疑問が残る。一問を練習するのに、一時間半から二時間程度かかる。
また、過去問ばかりしていても合格できるとは限らないので、予想問題をした方が良い。
予想問題を考えるのは、自分でなくても良く、適当な筋から情報を入手するだけでも良い。ただし、自分の学生時代の経験からも、自分が出題者になったつもりで、どんな問題を作るべきかが分かった方が、点数は高くなるように思われる。仕事を頼まれたり頼まれる場合でも、相手の意図や力量を知っておいた方が良いのと似ているかもしれない。

5.論文の練習(手書き)
大体、試験の一月前の7月上旬から、手書きの練習をしていた。答案用紙の見本は、日本技術士会のHPにてpdf形式で公開されているので、そちらを使う方がいいかもしれない。時間もかかるが、パソコンよりも手書きの方がはるかに疲れるうえに、修正が容易でないので、練習自体も結構大変である。
練習しすぎて試験当日に疲れ果てても意味がないので、土日に二問から四問を練習する程度が良いのかもしれない。
手書きが疲れるので、パソコンでの練習と併用も良いと思う。

模擬試験を実施しているところがあるので、そちらを申し込んでおいて、少しでも慣れておいた方が良いだろう。

ちなみに、論文の練習は、下記表のような形である。初めて合格した2年目と5年目だけ記載しておく。2年目は添削をしてもらっていたり、結婚の準備の関係で5月と6月がかなり少なめになっている。

論文の練習量、()内は手書きで内数

 

2年目(2008年)

5年目(2011年)

 

選択科目

必須科目

選択科目

必須科目

4月

2

0

2

0

5月

0

0

3

1

6月

2(上記と同じ)

1

0

5

7月

6(5)

5(3)

6(4)

5(3)

*2年目の手書きの練習の内、選択科目2問と必須科目1問は模擬試験である。

*2年目4月と6月の2問は同じ問題である

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