変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

Director to be disliked(嫌われた監督)

2024-07-20 15:32:50 | 読書

 2022年7月頃に図書館で借りて読んだ“嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか”の感想を以下に記す。書評のビジネスパーソンに人気があるとあり、どこのその要素があるかが気にかかったので、借りて読んだ。契約に基づいて、個々人の責任と役割、結果を追求する事を、落合は求めている。結果の評価や選手の起用に当たっては、情実は排除されている。しかし、この考え方は、多くの日本の組織とは異なるので、多くのビジネスパーソンにとって、印象的な本になっていると、自分は感じた。なお、本書の中でも、この落合の考え方は、プロ野球という枠組でも、異質と書かれている。プロ野球だと成績の良し悪しは、分かりやすいので、情実は排除しやすいかと自分は思っていたが、そうでない点は意外だった。

 自分もそうであるが、契約や結果ではなく、情実で仕事の評価や割り当てがされると良くないとは感じた。また、所属組織や上司のためといって、自分の責任を放棄するような事も良くないと感じた。逆に、契約や結果に基づいて、仕事の評価や割り当てをする、契約に基づいて、自分の責任をなす。これらの事をしっかりする必要があると感じた。こういった事を読むと、NETFLIXの人事戦略を思い出した。思い出した内容は、社員を大人扱いして細かい管理を行わない、実績を残していても方針と合わない場合は退職を促すというのもの。なお、話は飛躍するが、日本の経済が、この20年間、成長していない理由は、こういった事が個々の企業で出来ていないからだだろうとも感じた。

以下は印象に残った記述の抜き書き。

 P.329の“落合が求めていたのは若さが持つ勢いや可能性という曖昧なものではなく、確かな理と揺るぎない個であった。”が印象的な内容である。

P.433の「俺は好き嫌いで選手は見ていない、そうじゃない人間の方が多いんだ。」

 P.449の「球団のため、監督のため、そんなことのために野球をやるな。自分のために野球をやれって、そう言ったんだ。勝敗の責任は俺が取る。お前らは自分の仕事の責任を取れってな」

P.450の「あいつら、俺がいなくなることで初めてわかったんだろうな 契約が全ての世界なんだって。自分で、ひとりで生きていかなくちゃならないんだってことをな。だったら俺はもう何も言う必要ないんだ」

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