本日お昼過ぎ、
突然ですが、
閃きました。
旅に出かけてきます。
別に
今年の情人節(バレンタイン)も妻が実家に帰っていて、しかも今年はチョコすら貰えなかったことがきっかけで喧嘩をし、ついつい旅に出てしまった訳ではない。ただ行きたかっただけです…
行き先は駅に着いてから考えます。
とりあえずパスポートもって上海駅へ移動。
ちなみに今回の旅のテーマは「ビバ!無計画旅行!」です。
途中市内で買い物をしてたため、駅に到着したのは3時過ぎ。
時刻表を見ながら、どこに行こうか?考えます。
妙に暖かい最近の上海ではあるが、やはり北方は
×です。
成都、重慶、遠いなぁ…
アモイ、福州、これまた遠いなぁ…
洛陽…おっ!これいいかも?
でも、どうせあまり時間ないからゆっくり観光できないだろうな…
鄭州…ん?確かこの町って、
成人用おもちゃで有名?
(有名ではありませんが、駅前にこういうお店ばかりが並んでる通りがありました)
ではなく、
ここです。
ここです。
そう、少林寺です。
きっとジェット・リーみたいなのがうようよいるに違いありません。
さっそく窓口でチケット購入。
もちろん狙いは硬臥(B寝台)。
硬座で長距離移動という
前回のような愚行は二度といたしません。
僕「今日のK152便、硬臥………」
僕「えっと、えっと…」
鄭州の「鄭」の字、読めません!!
こんなピンイン知らないよ…
窓口のおばちゃん(以下「窓」に省略)「ん??」
僕「えっと、終点まで…」
窓「zheng州まで?」
うーん、あってるかどうかわからん…
しょうがない、筆談するか…と思ってると、おばちゃんが書いてくれた。
僕「そう、そこ!そこまで1枚」
親切にピンインまで教えてくれた。
久しぶりの上海駅構内はなんだかリニューアルされてて、構内にケンタッキーまでできてる。
なんだか素晴らしい。
寝台列車に乗るのは一昨年に香港へ往復したのが最後だが、あの列車に比べるとやや見劣りする。
が、硬座に比べれば全然快適である。
上海を16時52分に出発し、鄭州へは翌朝7時25分に到着する。
翌朝、鄭州には10分遅れで到着した。
とりあえず帰りのチケットを買いに行くと、既に人がいっぱい。
40分待って窓口に到着するも、今夜の上海行きは全滅。無座しかないそうだ。
無座なんて乗ってられるか!と、高速バスターミナルへ向かう。
どの道、少林寺へはバスで向かうことになる。
昨晩、同室の乗客が教えてくれた。
上海行きのバスは10時、17時20分、20時、22時と4本もあった。
どれも空席があったので、17時20分のバスを購入した。
ついでに登封(少林寺の近く)行きのチケットも購入。
ただ、意外と込み合っていて、10時のバスになった。
登封までは高速バスで1時間30分、到着したバスターミナルから少林寺行きのバスに乗り換えれば行けるらしい。
登封に到着したのは11時40分ごろ。
とりあえず鄭州へ戻るバスのチケットを購入。
15時にここを出れば十分だろう?
で、ローカルバスに乗り、さらに乗り換え少林寺へ向かう。
バスの窓から見える市内の様子では、ジェット・リーのようないでたちの人はいない。
なんだか一般人っぽい人民ばかりだ。
だが、少林寺が近づくにつれ、なんちゃら武術学校というのが増えてきた。
いつの間にやら武術学校の学生らしき人が交じっている。
なんだか期待できそうです。
さて、バスは少室山風景区入口と言うところまでしか行きません。
そこからは自然保護のためか、歩くかバッテリーカーを使うしかない。
少林寺までは2キロしかないので、僕は歩くことにした。
歩くこと20分、少林寺に到着しました。
思ったほど大きな寺ではない。(でも、小さくはないが…)
どんどん上へ登っていくも、僕が期待するような人たちがいない。
で、登りきってしまい、意気消沈したまま下りていくと、なにやら物騒な音がする建物が…
中を覗いてみると…
秘密特訓中の陳老師(仮名)
動きが早くて、派手なシーンを逃しました
やや満足し、下山することに。
登封バスターミナルには2時30分ごろ到着した。
予定通り3時のバスで鄭州へ向かった。
途中、いくつか武術学校の近くを通るのだが、学生たちが遊んでるのが見える。
学生たちがふざけあってるのが見える。
回し蹴り、ハイキック、何だか妙に迫力がある。
やはりここ登封に住む人たちは、人民の皮を被ったジェット・リーだったのか…
バスは予定より30分遅れの17時調度に到着した。
上海行きのバスは17時20分。
もう全然時間がない。
昨日、電車に乗ってから実は何も食べていない。
ここ鄭州でちゃんと食事がしたかったが、どうしようもない。
仕方がないからバスターミナル待合室で出前一丁を食べる。
だが、お湯がぬるいのか、いつまで経っても柔らかくならない。
出発時間が迫ってるので、構わずバリバリ食べる。
ちっとも美味しくない…
ビバ!無計画旅行!
中国の夜行バスは日本のように椅子ではなく、ベッドだと思って良い。
そのベッドもちゃんとしたのもあれば、そうでないのもある。
このバスは後者だった。
最後尾以外はそれぞれのベッドが隣接していない。
ちゃんと空間がある3列ベッド(2段)なのだが、最後尾は5列(上段は3列)になっている。
僕は最後尾下段の真ん中でした。
電車のようにテーブルもないし、ベッドも二周りくらい小さい気がする。
ベッドに横たわり、右を向くと”むさい”おっさんの顔が15センチ(推定)の距離でにっこり笑ってる。
左を向くと、やはり”むさい”おっさんの顔が15センチ(推定)の距離で笑ってる。
もちろん、身体は両隣と接触している
地獄の16時間の始まり。
ビバ!無計画旅行!
さて、この車内、微妙に臭く、やや暑い。
右のおっさんも暑いと感じたのか、右側の窓を開けた。
開けたと同時、窓側に寝てるおっさんが、
不行!(駄目だ!)
と、叫び、彼の右手は即座に窓を閉めてしまった。
あまりに唐突な声だったので思わず見てしまった。
窓側のおっさんの左手が頭を抑えていたことを。
そして、髪が少し、ほんの少しだけど移動してたこと…
ズラがズレてたことを…
マジかよ…
マンガやドラマじゃないんだぞ…
右隣のおっさんも見たんだと思う。
だから、僕とそのおっさん、その直後に寝た振りしちゃったから。
笑っちゃいけない…
突っ込んじゃいけない…
写真撮っちゃいけない…
あの寝たふりは男の友情の証…
ビバ!無計画旅行!
バスは途中何度か休憩を繰り返し、翌朝9時ごろには上海市に入った。
あと一時間くらいで上海駅かな?と思ってると、バスが高速を下りてしまった。
バスは停車し、公安が何人か入ってきた。
それぞれのID(外国人はパスポート)をチェックしだす。
なんか、車両不備だか重量オーバーだか、なんだかよくわからないけど、全員荷物もって降りろ!とのこと。
どうやらこの先、このバス使えないそうだ。
ビバ!無計画旅行!
乗客は運転手たちに怒り出す。
ここからどうやって市内へ行くんだ!とか、運賃返せ!などなど…
とても埒が明きそうもない。
タクシーを期待できるような場所ではないので、バス停ないかな?と探してると、一台のおんぼろバスがやってきた。
身体を張ってバスを止める。
どうやら上海駅まで行くらしい。
ビバ!無計画旅行!
僕とバスのやり取りをみてた先ほどの乗客たち、今度は一斉にこのバスめがけてやってくる。
こんな小さなバスにそんなに無理だろ?
それでも押し寄せる乗客たち。
正直、ちょっと怖かった…
ビ、ビバ!無計画旅行!
上海駅には10時ごろ、家には11時ごろ到着した。
それなりに疲れたけど、けっこう楽しい旅行だった。
41時間の旅行中、観光(少林寺)は2時間ちょっとだった…なんて考えちゃいけない。
それが、ビバ!無計画旅行!である。