ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

大峯奥駈道を繋ぐ 明星ヶ岳 4 五鈷峰

2020年08月05日 | 山 近畿 大峰山系

7/23~7/24 ☂/☁ ガス・風強し

明星ヶ岳:カナビキ尾根~楊枝ノ宿小屋まで往復

 

明星ヶ岳から先は未踏の道です

大峯奥駈道を繋げる一つに

ここを通らねば 繋がりません

そして 日帰りで繋いでいく中で

このコースだけはどうしても 泊登山でなければ

厳しいものがあります

今日の宿にかんがえている楊枝の宿小屋へと

歩を進めるところからの続きとなります

 

明星ヶ岳からの続きです

 

奥の靡(なびき)に進むことを 奥駈けという…

 

トウヒ・シラビソに包まれた

亜高山性の常緑針葉樹林はどこか他の山と異なり

ガスの中 幻想的に演出してくれるものの

大峰独特の雰囲気が醸し出され

その奥の深さに…

言いようのない気持ちが沸き起こる

 

ただ 大峰を取る修験の奥駈道は

優しい道ではなく 修行の場として厳しさを伴い

ともすれば…

きっぱりと拒否してきそうな

そんな様相を呈して迎えてくる

 

 

 地面に置かれた新旧の標識

 立ち枯れの倒木が横たわる道

 倒木 木の根 苔付き滑る!

 越えて下ってトラバース!

 ちょっとした急な下り慎重に

 

笹ではなくシダの林床が青々しく風に揺れる

禅師の森は何処までも青く包み込み

そのまま抜け出る事が出来ないような錯覚に陥る…

 

 倒木 急斜面 トラバース

 濡れた岩や石が滑りやすい!

 

行けども 行けども

中々目途が付かない程に遠く

アップダウンの道なりに

越えて 下って また登って…

そして目の前に 飽きる事のない道が続く

…というよりも

一つの登りを終えて見える先に

びていく感じがした

 

道が延びていく…

果てしなく延びて延びて…

その先に行きつけるのだろうか…

 

そんな不安が過るほどに

道は遠く…長く感じた

背中の荷の重さを感じない分

先に進んでないような錯覚に 焦りが出てくる

ガスに包まれ陽の差さぬ世界に

時間の感覚もマヒしそうだった…

 

頭の中で ビバーグも過り

延びていく道を恨めしく見つめる…

 

すると…

トラロープがぼんやりと見えて来て

道の様相が少し変わったように感じた

 

 角度が変わりトラロープが…

 左側の斜面をよじ登る💦

 勾配を表す様に斜めの標識!

 急に急な登りになるんだ!

五鈷峰(ごこのみね)1694mの岩場

 

こんな岩場が待っていようとは…

以前とは様相が変わっているらしい

 

年月をかけて崩れている証なのか…

それでもトラロープが張っているので安心?

…かと思ったが

 

 崩れたような岩をチチが下る

 濡れて滑る岩に苦戦!

 

岩が乾いていれば

たぶんロープに頼らずとも下れる感じだ

しかし 一旦濡れると 性格が変わるようだ

よく滑る…

 

油断して足を置くと

そのまま滑落することになりそう

 

それに崩れた跡もあり 今の自身の状からも

ここは 慎重に 慎重に下る

 

さっきの激登りは

この地獄のような下りへの

予兆だったのか…

 

緊張に包まれながら 漸く下った先には…

ザレ場の下りが待っていた

 

 

 ザレ場の急坂

 

急なザレ場を下れば

そこには視界を閉ざした草原地帯

闇雲に歩くと道を見失いそう

して…

今日という日においては

ここから見えるはずの

五鈷峰の姿を見る事は叶わず

白い闇の中をただ歩いていくだけ…

 

 

 

…まだまだ 道は続くのか

 

無限の白い闇が行く先を閉ざすなか

鎮守の森は無言で道を延ばして誘う…

 

 

只管チチの後を追い続けるも

時にガスがそのチチの姿すら飲み込まれる…

 

チチ・・・

 

 

大峯の不思議な魔力

行けども行けども続く道に

惑わされるような錯覚に陥る

 

 

ガスはますます濃くなる

包み込むように濃くなり

昼なお暗く 夕暮れに感じる寂しさと

一抹の不安が過り出す

 

 

倒木 苔付き 滑る岩

浮いた小さな石さえも 疲れたには堪える…

 

 

惑わされないように歩くも

森から何かが囁き

まやかしの世界に引き込まれる…

 

鳥の声が

何時しか聞こえなくなっていた…

 

 

そして 七日迷い辺りに来た時の事だった…

 

チチの足が止まる

地図を確認…

 

道が消えた…

 

つづく

 

大峯奥駈道

峯奥駈道は修験道の開祖、役行者が8世紀初めに開いたとされる修験者の修行の道です。吉野川「柳の宿」(あるいは「柳の渡し」)を北の起終点とし、吉野山、青根ヶ峰、四寸岩山、大天井ヶ岳を経て山上ヶ岳(大峯山)までを「山上道」とし、大峰山寺本堂から熊野に向かう道を「奥通り」もしくは「奥駈道」と呼びました。

野から熊野までの約170kmの道程は、山上ヶ岳や弥山、八経ヶ岳、釈迦ヶ岳など標高2000m近い山々の尾根をたどる、修験道の中でも最も過酷で厳しい修行の行場です。この行は奥駈修行と呼ばれ、幾日もの間、崖をよじ登り谷を渡って歩き続けます。道中には大峯七十五靡き(なびき)と呼ばれる拝所・霊所があり、修験者たちはそれをひとつひとつ巡拝しながら峻険な山々で修行を行うのです。

の大峯奥駈修行は、山脈を仏法で云う金剛界(吉野側)と胎臓界(熊野側)に見立て、その場所を巡拝しながら即身成仏し、そして生まれ変わるという、擬死再生の修行を行う場所とされています。今なお多くの修験者たちが厳しい修行を行っています。千年の歴史を超えて引き継がれてきたこの道は、今回世界遺産登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の中心的構成要素と呼ぶにふさわしいものと言えるでしょう。

成16年の7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ここ霊場「吉野大峯」そして参詣道「大峯奥駈道」は、高野山。熊野三山などと共にユネスコ世界文化遺産に登録されました。日本では12番目、道としての登録は世界でスペインとフランスを結ぶ「巡礼の道」とここだけと言うことになります。

(こころ)の道・祈り  古の日本人は、遥かなる峰々・豊かな森・断崖絶壁などに畏敬の念を抱き、また水を生み、生命の源と考えた山岳を、神聖な場所として崇めてきました。この自然崇拝や神道と仏教などが融和したものが修験道であり、中でも大峯山「山上ヶ岳」は、わが国最初の山岳信仰の聖地として一三〇〇年の歴史を刻み、今なお多くの修験者が山に入り自身を見つめるなど修行に訪れており、ここ天川村、大峯の山々は少なからず日本人の精神形成に影響を与えた場所といえます。

天川村公式hpより

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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