足助城(その2)の続きです。
いよいよ頂上の本丸まで登ってきました。
本丸の入口にも小さな門があり、
その門から入ると、細長い長屋のような建物があり、
その奥に本丸の建物が再現されています。
何度も言いますが、この足助城の当時の資料は残っていないため、
発掘調査の結果をもとに、この時代の建物を推定して復元したものです。
石垣は無く、瓦屋根もありません。
(シャチホコもありません)
けれどよくよく見ると、
銀閣寺によく似た、武家書院風の建物ですね。
この屋根は、1cmくらいの厚さの杉板を10枚くらい重ねたもので
「こけら葺き」と言います。
「こけら」という字は「柿」に似た字で
この屋根に使われているような細い木片のことを言い、
建設工事の最後に現場の木片を片づけることから、
建物が完成することを「こけら落とし」と言うようになったのです。
本丸は二階建てですが、
二階の間は重要な会議であるとか、来客があった時にしか使わなかったようです。
城主も普段は、一階のこのスペースに座っていたようです。
たった畳2枚のスペースです。
ここに起居するのは戦の時だけだったので、
リラックスできるスペースは必要なかったのかもしれません。
ちなみに、
トイレ(便所)は、この本丸にあった殿様用の厠(かわや)だけで、
他の将兵は野外(山の中?)で用を足していたか、
あるいは桶のようなものに溜めておいて、
身分の低い者が捨てにいったようです。
二階の窓から撮影しました、足助の町並みです。
三河から南信州に至る街道が一望できます。
本丸の下に置かれていた、足助周辺の案内板です。
足助には5つの街道が集まっていた、というのが良く分かります。
>記事のリストはこちら
足助城見学・総集編(美里ボランティアガイド会)