マスターのつぶやき

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家族シネマ

2009年05月19日 | Book
家族は、父と母と妹、弟、そして長女の素美の五人。父と母は二十年前に別居し、素美と弟は母と、妹は父と暮らすようになる。放埓な母はすでに母という役目を捨て、水商売に精を出し、妻子のいる別の男と暮らしはじめる。そんな母のもとを素美は三年前に離れ、家族とは縁の切れた生活をおくっていたのだが、うだつのあがらない女優の妹を主役にした映画を撮るため、幸せな家族を演じるひとりとして出演しなければならなくなる。
 素美の家族は、すでに家族として機能しなくなって久しい。にもかかわらず、映画の撮影という名目があるとはいえ、まさしく絵に描いたような円満家庭を演じなければならない状況、さらに、実際に一家団欒を演じようとする家族に対して、素美はただ底知れぬ気味の悪さしか感じることができない。

私は、ミステリーや推理小説の部類が好きなせいかいつも読んでいて、おちや大どんでん返しを期待してしまう。そんな意味では、この作品は期待はずれ。読んでいて情景や心理描写は、ストレートに伝わってくる。





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