マスターのつぶやき

日頃、思っていることや感じていることを
ぼそぼそつぶやいています。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

2009年06月23日 | Book
その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは徐々に親しくなっていく。だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日―― 直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。

お金を実弾、嘘を砂糖菓子という。少女らしい比喩。だ。砂糖菓子を打ち続ける藻屑。ソノ中にも真実があり、ソレを徐々に知っていく上で引かれていく、なぎさ。少女の内面が少しだけ解るような気分になれる。




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