ボーイズラブ小説サイト『ALICE』 ブログ版

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2024-06-18 21:39:24 | 同人誌
『仲良し』
<設定>
大野 智  アイドルグループ・嵐のリーダー。メンバーとの距離感は近い。特に松本が相手だといろいろ気にしない。櫻井と付き合っているが、もちん秘密。
櫻井 翔  アイドルグループ・嵐のメンバー。世話好きのお父さん。メンバーのことは運命共同体だと思っているので、心配するし、世話も焼きたい。石橋は叩きまくってからわたるタイプ。大野と付き合っている。

相葉 雅紀 アイドルグループ・嵐のメンバー。空気が読めて、意外と何でも出来ちゃうポテンシャルの高い子。メンバー同士で付き合っていることは知っているし、ばれないようにいろいろ協力するのもやぶさかではない。
二宮 和也 アイドルグループ・嵐のメンバー。松本と内緒でお付き合い中。
松本 潤  アイドルグループ・嵐のメンバー。真面目でいろいろ背負い込んじゃう責任感が強いタイプ。その分、ストレスも溜めやすい。二宮とはお付き合いしている。

<立読み>
 朝から、松本は眠かった。
 昨日はつい遅くまで本を読んでしまう。
 面白くて、途中で止まらなくなった。
 気づいた時には明け方近くて、慌てて眠る。
 おかげで完全に寝不足だ。
「ふわぁ」
 TV局の通路を歩きながら、洩れる欠伸を押し殺す。
 隣にいるマネージャーはそんな松本を見ても何も言わなかった。
 人一倍責任感が強い松本は仕事をきっちりやる。
 例え寝不足でも、頑張ってくれるという信頼感があった。
 多少のことなら目を瞑る。
 松本はいつものように楽屋のドアを開けた。
「おはよう」
 中に入る。
「おはよう」
 返ってきた返事は一人分だけだ。
 見ると、大野しかいない。
 寝起きが悪い松本は最後に来る時が多いので、3人がいないことに驚いた。
「みんなは?」
 大野に問いかける。
「まだ」
 大野は答えた。
「そう」
 松本は納得する。
 真っ直ぐ大野が座っているソファに向かった。
 近づいてくる松本を大野は不思議そうに見る。
「何?」
 首を傾げた。
「ちょっと膝を貸して」
 松本はそんなことを言う。
「膝?」
 大野はきょとんとした。
 意味がわからないでいると、松本は大野の隣に座る。
 そのままごろりと横になった。
 大野の膝に頭を乗せて、枕にする。
 大野はびっくりして固まった。
 だが直ぐに状況を理解する。
 苦く笑った。
「眠いの?」
 松本に問いかける。
「うん」
 松本は子供みたいな返事をした。
「昨日、遅くまで本を読んじゃって……」
 寝不足の理由を説明する。
「少し、寝かせて」
 大野に頼んだ。
『不運な探偵2』
<設定>

大野 智  世界一不運な探偵。探偵小説専門の変な本屋の店員兼、二階の探偵事務所で探偵をしている。ついていない男。崖から落ちかけたところを櫻井に助けられる。二宮と松本関係を知って、ちょっと動揺している。
櫻井 翔  警視庁のエリート警視。大野のことを気に入って、何かとちょっかいを出してくる。大野の働く本屋の常連になる。大野を落そうと画策中。
相葉 雅紀 一階にある本屋の常連で探偵マニア。たまに探偵事務所の手伝いもする。普段はシフト制の仕事をしている社会人。二宮とは幼馴染で、特殊な状況も知っている。松本とのことには協力的。
二宮 和也 一階にある本屋の常連のサラリーマン。松本と付き合っている。探偵小説は松本と親しくなるために読み始めた。厄介な事情を抱えている。
松本 潤  一階にある本屋の常連で探偵小説マニア。二宮と同じ会社に勤めるサラリーマン。二宮と付き合っているが、根が真面目なので、既婚者の二宮と付き合うことにストレスを感じている。
オーナー  本屋の店主で探偵マニア。店はほとんどシュミで経営している資産家。

<立読み>
 二宮と松本の関係を知って、大野は少なからず動揺した。
 そこに櫻井が現れ、慰めてくれる。
 抱きしめてあげると言われ、いつになく弱気になっていた大野は甘えた。
 櫻井はベッドに横たわっていた大野の上に覆い被さり、抱きしめる。
 大野は櫻井は腕の中に包まれた。
 櫻井の手がポンポンと大野の背中を軽く叩く。
 子供にするようにあやした。
 大野は安心感を覚える。
 温もりが心地良かった。
 眠くなってくる。
 いろいろと考えてもやもやしていた気分が軽くなるような気もした。
 うとうとと眠りに落ちかける。
 しかしそれを邪魔された。
 もぞもぞと櫻井の手が動く。
 気のせいではなく、尻を揉まれていた。
「おいっ」
 大野は声をあげる。
 櫻井を睨んだ。
「何?」
 櫻井はしれっと聞く。
「何をしているんだ?」
 大野は問いかけた。
「尻を揉んでいる」
 櫻井は答える。
 悪びれた様子は見せなかった。
「抱きしめるだけって約束だろ」
 大野は櫻井の手を抓る。
 怒った。
 櫻井は素直に尻から手を離す。
「そこに尻があったら揉むでしょう」
 当たり前のように言った。
 大野は眉をしかめる。
「男の尻でも揉むのか?」
 問いかけながら、揉む人はいるなと心の中で自分に突っ込みを入れた。
 二宮と松本の情事を一通り聞かされたことを思い出す。
 恋愛対象は異性とは限らなかった。
「揉むよ。下心があるから」
 櫻井はさらっと告白する。
「え?」
 大野は驚いた。
 簡単にカミングアウトされて、戸惑う。
 そんな大野を見て櫻井はふっと笑った。
「驚いたふりをしているけど、本当は気づいていたでしょ?」
 耳元に口を寄せて囁く。
 大野はぎくっとした。
 櫻井の気持ちに全く気づいていないと言えば、嘘になる。
 櫻井の態度は露骨だ。
 だが、そのわりに告白する素振りは見せない。
 そんな度胸はないのだと、大野は安心していた。
 素知らぬふりをしていたらその話題に触れずにすむと高を括る。
 しかしそれは甘かった。
 櫻井はあっさり思いを告げる。
 大野は予想外の展開に動揺した。
「オレはゲイじゃない」
 大野は櫻井の腕の中から逃げ出して、身を起す。
 ベッドを降りた。
 距離を取る。
「オレもゲイじゃなかったよ」
 櫻井は笑った。

『鬼殺隊』
<設定>
鬼殺隊 鬼を殺すために作られた政府非公認組織。数百名からなり、隊士には階級がある。隠と呼ばれる裏方もいる。隊士は日輪刀と呼ばれる特殊な刀を持ち、それで斬ると日光に当たるのと同等の効果が生まれ、鬼が消滅する。柱と呼ばれる幹部クラスが存在する。
鬼 人を喰らう人ならざる者。元は人間。ほとんど不死身の身体を持ち、血鬼術と呼ばれる特殊な能力を有する。弱点は日光。日光に当たると消滅する。日輪刀という日光と同等の力が込められた刀で首を落とされた場合も死ぬ。それ以外の方法では首を落とされても死なない。
大野 智  鬼殺隊の隊士。姉が鬼に殺された。
櫻井 翔  鬼殺隊の隊士。代々鬼殺隊の家系の長男。
相葉 雅紀 鬼殺隊の隊士。鬼に襲われた村の生き残り。
二宮 和也 鬼殺隊の隊士。鬼に襲われた村の生き残り。
松本 潤  鬼殺隊の隊士。稀血を持つため鬼に狙われる。

<立読み>

 潤は鬼と鬼狩りの伝説を子供の頃から知っていた。
 母が寝物語に語ってくれる。
 潤はそれをただの伝説だと思っていた。
 文明開化の明治が終わり、時は大正に移り変わる。
 都会の夜は街灯に照らされ、闇がどんどん少なくなっていた。
 鬼や妖怪が住まう場所は日々無くなっていく。
 明るすぎる夜から逃れて、人ならざるものたちは地方に逃げ込んだ。
 田舎はまだ灯も少なく、夜は闇に満ちている。
 鬼が潜む場所が残っていた。
 闇の中から鬼たちは人間の隙を窺う。
 潤が鬼に襲われたのは十二の年だ。
 月のない夜、鬼が家に押し入ってくる。
 家族はみんな寝静まっていた。
 鬼の襲撃に家中がパニックを起す。
 悲鳴を上げ、逃げ惑った。
 潤も逃げる。
 外に向かって、走り出した。
 鬼はわき目を振らず、真っ直ぐに潤を追いかけてくる。
 鬼の狙いが自分であることを潤は察した。
 潤は一人、家族とは別の方向に逃げる。
 鬼を自分に引きつけ、家族を救おうとした。
 その目論見は成功する。
 家族は無事に逃げ延びた。
 しかし、潤は追いつかれる。
 鬼は身体能力が優れていた。
 逃げ切れるわけがない。
 潤は捕まった。
 鬼はくんくんと潤の匂いを嗅ぐ。
「見つけた。稀血だ」
 満足そうににやりと笑った。
(マレチ?)
 初めて聞いた言葉に潤は疑問を浮かべる。
 稀血が鬼に特別な力を与える人間の血のことだと知るはずがなかった。
 だが、自分が狙われた理由はそれだということはわかる。
 わかったところで、どうしようもなかった。
 自分の命が尽きることを潤は覚悟する。
 鬼は潤を喰らおうと大きく口を開けた。
 牙が見える。
 潤の身体は恐怖で固まった。
 思わず、目を閉じる。
 だが、衝撃はいつまで待っても襲ってこなかった。
 潤が恐る恐る目を開けると、鬼は大きく口を開けたまま固まっている。
 その首がころりと横に滑り落ちた。
「!?」
 驚きすぎて、潤は声も上げられない。
 潤を掴んでいた鬼の手が塵になって消えていった。
 鬼の身体の後ろに黒装束の男たちの姿が見える。
 首は男たちが切り落としたようだ。
 男たちは揃いの装束を着ている。

 その背中には『滅』という字が大きく書かれていた。

 それが鬼狩りという名で昔から呼ばれている鬼殺隊であることを潤は後から知る。
 自分が稀血という特別な血を持ち、鬼に狙われる存在であることもその時に教えられた。
 潤は自分の存在が家族を危険にさらすことに気づく。
 家族のためには家を離れるのが一番いいと思った。
 我が身を守るためにも、鬼殺隊に入ることを決意する。
 救われた命を今度は誰かを救うために使おうと思った。

<申し込みはメールで mi.sa@chive.ocn.ne.jp までお問い合わせください。詳細をお知らせします

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