みのむしゆっぴぃとおかあさん♪

乳がん治療と子育て、仕事についての日記です。

千葉敦子さんへ

2009-05-07 17:11:37 | 化学療法
彼女の著書とであったのは私がまだ25,6歳の頃だった。
もともとドキュメンタリー的な本が好きだったのと、
当時バブル前の「キャリアウーマン」志向の波に乗って
興味を持ったのでした。

まさか20数年後自分も彼女と同じ病気を罹患しようとは
思いもよらず・・・。

また彼女はちょうど私と同時期に西麻布に住んでいたようです。
もしかしたらひよっこOLだった私は彼女とどこかですれ違っていたかも・・。

ステージ1、リンパ転移なしにも関わらず3年後に再発。
ニューヨークに移り住んでからさらに再再発。
その後、今では標準治療となった化学療法を受けられるが、
1年後に永眠されました。
時代の先端を歩き、女性たちに真の自立を
解いた彼女の歳を私は追い越し、彼女のことなんかすっかり
忘れていました。

実家に置き去りにしていた彼女の著書全部を読み返しました。
若く夢と希望にあふれていた私が彼女の考えに同調したり、違和感を感じたり
したことが思い出され、乳癌のことだけでなく、女性としての生き方なんかも
改めて考えさせられました。

千葉さんの時代から4半世紀過ぎているのに、
女性の生き方は本質的には変わっていないように思います。

もちろん、選択肢はたくさん増えました。
女性雇用機会均等法、労働法なんかもかなり変わって、
彼女の時代よりは働く女性がいきやすくなっているとは思います。

でも変わらないのは女性のこころ、と思います。

やっぱり千葉さんのように男性に寄りかからず対等のパートナーシップを
持って自立して生きる、という道を選択するかしないか、なんだと思います。
家庭に入り、子どもや夫の世話をし、
人からかわいがられ、一生を過ごすことを良しとしたり、
あるいは家庭に入らず、キャリアも求めず、自分のやりたいことを最優先に
する(できる)事に価値を見出す独身女性もいます。

今の時代であっても千葉敦子さんは少数派なんだろうな・・。

で、きっと世の中のあらゆることに異論を唱えたり怒ったり、
なさるんだろうな。

25年前、あなたが必要を提示した医療者のインフォームドコンセント、
セカンドオピニオンはもう世の中では普通のことになったかに
見えます。

でも、そうじゃないと思う。
だれでもその言葉は知っているけど、
真のインフォームドコンセントを受けている患者さんがどれだけ
いるのでしょうか。
自分が投与されている抗がん剤の名前すら知らない方が
大多数ではないでしょうか。(私の病院では残念ながらそうみたいです)

そして、セカンドオピニオンを正しく活用できている患者さんも
またどれだけいるのでしょうか・・・。

彼女が生きていたら・・・どんな言葉で現代を批評されたかな・・。



ちなみに千葉さんは原発の乳癌手術後、経口の抗がん剤および
ホルモン剤を1年間服用されたようです。
後にニューヨークに移ってから自分がホルモン受容性マイナスの
癌だったとしって、非常に日本の医師に対して憤慨されていました。

医師に確認したところ、病理でホルモン受容性を調べていなかったとの
返事だったそうです。

さすがに今はそういう事はないですね。

今、でよかった、と思うべき・・・。