南スウェーデン便り

ときどき南スウェーデンの真ん中のイナカから、ときどき街からお便りします。

永住権

2024-05-26 10:02:45 | イナカ便り
菜の花とりんごの花


菜の花はすでに満開を過ぎて、実がなり始めている。これが秋になると菜種油として収穫される。ここ南部は菜種油の名産地だ。


ここのところ毎年子猫を産みに来る近所の猫が巡回してきた。


 全てがいつもと同じような夏…といっても私は独り者になったから少し違う夏になるかも?

 私が「おひとり様になった」と言うと、よくこのような「よくある質問と答え」に発展する。

「それで、あなたはスウェーデン国籍なんですか?」
「いえ、日本籍ですけど」
「離婚してビザとかに問題はないの?」
「いや、っていうか、実はもともと結婚していなかったんです。」
「えっ じゃ留学生ビザでスウェーデンに来たとか?」
「そうじゃないんですけど『スウェーデン人との結婚に準ずるような関係』というカテゴリーのビザをもらって来たんです。」
「結婚しないでビザが下りたの?まさか!」
…まあ、今は当時より厳しくなっているかもしれないけれど、スウェーデンは今でも事実婚で配偶者のようなビザがとれる数少ない国の一つである。近隣の北欧諸国でそれはできない。

 びっくりされるのはそれだけではない。こちらに引っ越して二年たった時に簡単な面接を受けて永住権があっさりと取れ、さらにその一年後に自動的にスウェーデン国籍取得の申請資格も下りる、と言うと仰天される。実際、一緒にスウェーデン語を習った中東や東欧の友人たちのほとんどはもうスウェーデン国籍を取得して二重国籍者またはスウェーデン人になっている。

 ふりかえって日本はと言うと、まず国籍取得(「帰化」ともいう)の条件がはるかに厳しいし、日本国籍取得にはもとの国籍を離脱することが求められている。永住権であってもハードルが高いのだが、いや、それよりもまず正式な在留資格を得るためまでの道のりも険しい。
 
 最近、かつての技能実習制度の改正と抱き合わせに「行いが不謹慎」だと永住権があっても容易に取り消し(とどのつまりは国外退去?)できるよう法律を変更するという閣議決定が行われたと新聞で読んだ。そして、その「不謹慎な行い」の例の中には「在留カード携帯を忘れた」「交通違反」「税金の滞納」程度の些細な違反も含まれているという。

 どうしてそんな厳しい措置をとらなければいけないのか、というと、日本政府の中に「人手不足だから外国人労働者に門戸は開放するけれど、いつでも追い返せるようなシステムを整えなければ日本は不良外国人のあふれる変な国になってしまう」という懸念があるためだ、という解説を聞いた。

 は??…ちょっと呆れてしまう。日本の政府はまだ日本を「ここで働いてお金を稼ぎたい!ずっと住みたい💛」と外国人が殺到するような「約束の土地」だと思っているんだろうか。日本の賃金がいくらで、日本円がどれだけ下がっていて、教育や福祉のケア(特に外国人に対して)がどれだけ頼りないかわかっているんだろうか。移民先や出稼ぎ先として日本よりまともな国があることを知らないのだろうか?

 よく国防増強に反対を唱える若者とかが「お花畑」とバカにされているらしいけれど、お花畑というのはこういうずれた妄想に駆られて外国人から日本を「守る」ことに一生懸命で、もっと大切なことを怠っているひとたちのことなのではと思う。



ルバーブ収穫

2024-05-21 05:22:56 | イナカ便り
二週間ぶりのイナカ。

隣の畑は菜の花満開!花の背が高すぎてお隣の家が見えなくなった。


さぼっていたので収穫できるものはあいかわらずワイルドガーリックとイラクサだが…

ルバーブものびてきた

収穫してジャムを作ろう!

この季節はまだ茎が赤っぽい

ざく切りにしてほぼ同量の砂糖にまぶして一晩(こちらの伝統的なレシピはどれも砂糖が同量以上入っている。)一夜明けるとルバーブから染み出した水分で砂糖がほとんど溶けている。

…で、煮る前は赤っぽいのだけれど…

煮ると梅かつおですか?みたいな色のどろどろになる。シナモンスティックを入れているせいもあるけれど、シナモンが入っていなくても赤い色はほとんど消えてしまう。そういう品種だから仕方がない。どうせ自分で食べるのだし😄 


メーデー

2024-05-02 09:45:10 | 街便り
今日はメーデーで祭日。

この日は労働者の祭典でもあるのだけれどもともとイースターとならぶ春を祝う日でもあり、ストックホルム、ルンドやウプサラのような大学の町では学生や教職員が春の歌を合唱する伝統行事があって毎年テレビで生放送される。
これは昨日撮った写真。この正面が合唱の舞台になる

今日のニュース動画

こちらはVänster党の青年部(民青みたいなもの)のメーデーのポスター。パレスチナとウクライナの旗とひまわりの花(ウクライナの国花)


四月の食費!*印はオーガニック認証製品。
*卵 27
豚肉 116
鶏肉 90
カニカマ 20
*豆腐22
*牛乳 33
*チーズ 90
トマト 25
パプリカ 9
ルッコラ 21 
きのこ30
わけぎ 18
さつまいも 11
バナナ 8
紫キャベツ 7
キャベツ 5
*レモン 16
人参 4
たまねぎ 2
マンゴールド(フダンソウ)12
*ミント 9
ガランカル 35
レモングラス 15
*白菜 38
コリアンダー 13
*ローズマリー 20
タマリンド 30
ごま油 85
オリーブ油 50
*ココナッツミルク20
*オートミール 34
米 60
塩 28
コーヒー豆 79
ザワークラウト 18
イースト3
オリーブアーモンド詰め 10 (賞味期限切れ近し)
おやつ 61
ソーセージ 5
ケーキ 19
しめて1198kr

今月もだいたい同じような支出だったが、円にすると高く見える(1万7千円?高い!)
月の初めに肉とチーズにお金を使ってしまったので後半は餃子やピザなど粉ものやザワークラウトかさ増し作戦でしのぐ。

左はフダンソウ(英語でスイスチャード。おひたし、グラタン、パイなどいろいろな料理が作れてありがたい。) オーガニックのレモンは塩レモンにする。


理由はわからないが、デンマーク語がかかれた賞味期限切れのオーガニック野菜や果物がマルメでよく売られている。


「ピザや餃子を作っているのに小麦粉を全然買ってないじゃん」と言われるかもしれないが、実は三年前のロシアによるウクライナ侵攻の’時にモトツレが「備蓄だ!」と言うので小麦粉と菜種油をどっさり買った(結局小麦粉が店頭から消えた時間は一日か二日しかなかったのだけれど、その後値上がりしたので買いだめして良かった)のだが、それが何と今月まで残っていたのだ。賞味期限は切れていたので使い切れてほっとした。

外食はホームセンターのカフェでソーセージとケーキを食べたのみ。
以前はカフェに入ってまったりコーヒーを飲むのが大好きだったけれど、不思議とあっさりとやめることができた😌 

そうしてみると、牛乳と卵とオートミールをオーガニックものにしても全然家計を圧迫することはない。これならもっとオーガニック率を高めてもやっていけそうじゃない?…ちょっと拍子抜けする。

洗剤類も量り売りの店で環境負荷のないものを買っていて、これも割高だけれど、女一人でたいして洗濯掃除に洗剤を使うこともないのでこれも大した負担にはならない。


ほらっ だから金持ちじゃなくたって環境を大切にした消費活動はできるんですよ!(ある程度は)

5月もがんばります~


さらに花

2024-05-01 04:36:26 | イナカ便り
まだ時々零下に下がる夜もあるけれど、花はどんどん咲いている



去年は麦畑だったお隣は今年は菜種油用の菜の花畑に そろそろ咲きそう


ルバーブもそろそろ(収穫はしなかった)

梨のつぼみ

黒すぐり(カシス ブラックカラント)の花とつぼみ


赤すぐり(レッドカラント)の花も咲いた


肥料もやらず、ろくな手入れをしていないけれど毎年春になればこうして花が咲き、虫たちがやってくる…当たり前の光景だけれど、これがずっと続いてくれるものかどうか…



ロティジャラ!

2024-04-21 16:27:41 | 街便り
今年はイースターが終わってちょっとしたらイスラム教のラマダンが明けて、私の町ではお祭りモードが続いている。

私もいちおうイスラム圏(マレーシア)に三年住んでいたことがあるので、長い断食が明けた時の人々の晴れやかな表情には見覚えがある。世界中同じだなあ~

断食明けの日(当日になるまではっきりわからないところがドラマチック)にお祈りに向かう人々


マレーシアにいた時はラマダンが明けると同僚が招待してくれて美味しいごちそうをいただいた。このお祝いに必ず出てくるものとしてココナツミルクで味付けした米を椰子の葉に包んで蒸した粽のようなものがあって、これをカレーにつけて食べるのが美味しかった。

それからちまきのほかにカレーをつけて食べる網目のようなクレープがあり、見た目もきれいだしほんのりココナツミルクの味がして口触りもちょっと普通のクレープと違っておいしかった。

このクレープは「ロティジャラ」と言い、これを作るための穴の開いた「ロティジャラカップ」をスーパーなどで手に入る。そのカップにパンケーキの種を流し込んでフライパンの上から網目模様を作る。

実は私もクアラルンプールのスーパーでロティジャラカップを買ってきて、網クレープを焼こうと思ったのだけれど案外これが難しかった。種が濃すぎると穴からすんなり落ちてくれないし、薄いとフライパンに落ちたタネがうまく固まってくれない。

で、数年前に日本に帰った時に日本の百均でお好み焼きのソースやマヨネーズを細くしぼりだせる3穴のソース入れを買ってみた。これで焼いたらこのほうがはるかにうまくいった。日本のテクノロジーはすごい😄 

右がロティジャラカップ


私もハリラヤ(ラマダン明け)を祝って、うわさによると松屋で人気メニューになったというルンダンもどきをつくり、網クレープを焼いて添えることにする。

マルメにはマレーシア人は少ないがルンダンの材料はだいたいタイ・ベトナム食材店で手に入る。写真はレモングラスとガランカルとこぶみかんの葉


こうやってぐるぐるタネを落として焼く。ちょっとココナツミルクとターメリックが入っている。砂糖は入れないがココナツミルクのせいでちょっと甘い。

完成。美味!


ちょっと動画も撮ったのだけれど、そうだった。gooblogは動画はアップできないんだった…😒