菜の花とりんごの花
菜の花はすでに満開を過ぎて、実がなり始めている。これが秋になると菜種油として収穫される。ここ南部は菜種油の名産地だ。
ここのところ毎年子猫を産みに来る近所の猫が巡回してきた。
全てがいつもと同じような夏…といっても私は独り者になったから少し違う夏になるかも?
私が「おひとり様になった」と言うと、よくこのような「よくある質問と答え」に発展する。
「それで、あなたはスウェーデン国籍なんですか?」
「いえ、日本籍ですけど」
「離婚してビザとかに問題はないの?」
「いや、っていうか、実はもともと結婚していなかったんです。」
「えっ じゃ留学生ビザでスウェーデンに来たとか?」
「そうじゃないんですけど『スウェーデン人との結婚に準ずるような関係』というカテゴリーのビザをもらって来たんです。」
「結婚しないでビザが下りたの?まさか!」
…まあ、今は当時より厳しくなっているかもしれないけれど、スウェーデンは今でも事実婚で配偶者のようなビザがとれる数少ない国の一つである。近隣の北欧諸国でそれはできない。
びっくりされるのはそれだけではない。こちらに引っ越して二年たった時に簡単な面接を受けて永住権があっさりと取れ、さらにその一年後に自動的にスウェーデン国籍取得の申請資格も下りる、と言うと仰天される。実際、一緒にスウェーデン語を習った中東や東欧の友人たちのほとんどはもうスウェーデン国籍を取得して二重国籍者またはスウェーデン人になっている。
ふりかえって日本はと言うと、まず国籍取得(「帰化」ともいう)の条件がはるかに厳しいし、日本国籍取得にはもとの国籍を離脱することが求められている。永住権であってもハードルが高いのだが、いや、それよりもまず正式な在留資格を得るためまでの道のりも険しい。
最近、かつての技能実習制度の改正と抱き合わせに「行いが不謹慎」だと永住権があっても容易に取り消し(とどのつまりは国外退去?)できるよう法律を変更するという閣議決定が行われたと新聞で読んだ。そして、その「不謹慎な行い」の例の中には「在留カード携帯を忘れた」「交通違反」「税金の滞納」程度の些細な違反も含まれているという。
どうしてそんな厳しい措置をとらなければいけないのか、というと、日本政府の中に「人手不足だから外国人労働者に門戸は開放するけれど、いつでも追い返せるようなシステムを整えなければ日本は不良外国人のあふれる変な国になってしまう」という懸念があるためだ、という解説を聞いた。
は??…ちょっと呆れてしまう。日本の政府はまだ日本を「ここで働いてお金を稼ぎたい!ずっと住みたい💛」と外国人が殺到するような「約束の土地」だと思っているんだろうか。日本の賃金がいくらで、日本円がどれだけ下がっていて、教育や福祉のケア(特に外国人に対して)がどれだけ頼りないかわかっているんだろうか。移民先や出稼ぎ先として日本よりまともな国があることを知らないのだろうか?
よく国防増強に反対を唱える若者とかが「お花畑」とバカにされているらしいけれど、お花畑というのはこういうずれた妄想に駆られて外国人から日本を「守る」ことに一生懸命で、もっと大切なことを怠っているひとたちのことなのではと思う。