覚書あれこれ

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モンゴルにミダス王が!(読破中の本よりメモ)

2009年03月12日 | その他の神話
『シッディ・キュール』に採録されている驢馬汗という話がまさにミダス王の驢馬耳話。

このハーンは生まれつき驢馬耳パターン。隠すために長髪にしていたハーンだが、たまには髪を切らねばならない。そこで、理髪師を呼んで、髪を切らせては、秘密を守るために殺していた(この辺り、モンゴルチック☆)。
→当然、これが続くと民が不振がる。
→ある日、ハーンに呼び出された若い理髪師、その母親が心配して、米粉と自分の乳で作った団子を息子に持たせ、ハーンの髪を切りながら食えと言い含める。
→言われたとおりにする理髪師。ハーンはあまりに理髪師が上手そうに食うので自分にも分けてもらう。するととても美味しかった。
→材料を聞いて、図らずも同じ女の乳を飲んだのだから義兄弟になってしまったことに気付くハーン、これでは理髪師を殺せない。そこで、他言するなと誓わせて家に返す。
→しかし、秘密をかかえた理髪師、次第に気鬱の病に。母親はラマ僧を呼んで見てもらい、息子がなにか心に抱えた秘密のせいで気鬱になっていることまでは突き止めるが、息子は頑として原因を言わない(言えない)。
→なら、誰も聞かない地中の穴に打ち明けて来なさいと薦める母親。息子はそれを実行。
→誰もいないかに見えた地中の穴にはリスがいて、リスはハーンの耳が驢馬耳だということを他の動物たちに喋る。
→回りまわってとうとう人間にまで驢馬耳のハーンの噂が広まってしまう。
→王は怒って理髪師を呼びつけるが、理髪師は自分の潔白を訴え、代案を提案する。王はその案を気に入り、理髪師を許す。

佐々木理先生の『ギリシア・ローマ神話』より。
佐々木先生はこのモンゴル版のミダス王の話は、出所はインドじゃないかと推測しておられます。
中国にもシンデレラの話があることだし、自然発生的に似たにしろ、同じ話が伝わったにしろ面白いですね。

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