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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

風邪をひいたら、ボスコフスキーでモーツァルト

2009年11月16日 21時40分26秒 | モーツァルト
先週から風邪をひいております。時節柄、新型インフルかとも疑念がありますが、熱はほとんど上がらずです。でも週末はけっこう熱っぽかったので、岡山で診てもらいましたら、「普通の風邪でしょう。熱が38度くらいビュンビュン出たら、また受診してください」。それから、幸にも本日まで熱は「ビュンビュン」出てませんので、めでたしめでたしであります。

前回まで、スクロヴァチェフスキのベートーヴェンを二度にわたって取り上げましたが、それと同じときに買ったもうひとつ。それは、ウィリー・ボスコフスキーとウィーン・モーツァルト合奏団による、モーツァルトのセレナードとデイヴェルティメント集であります。8枚組です。モーツァルトのこの手の曲集は、ヴェーグかマリナーか、このボスコフスキーか、おそらくはまとまったものとしては、これくらいしかないな、と思ってこれを買いました。しかし、若い頃に中古LPを漁っていたころ、よくこのボスコフスキーのセレナードやデヴェルティメントのLPがありました。その頃は、ウェストミンスターなどのバリリ、ウィーンコンツェルトハウス、VPO木管グループ、ウィーン八重奏団などのものを狙ってまして、まったくこのLPには見向きもしませんでした。ボスコフスキーはいいけどウィーン・モーツァルト合奏団という得体の知れない輩がその原因でした。VPOを辞めたボスコフスキーが適当に集めた集団で、まあたいしたことなく、ボスコフスキーの知名度で儲けようとしている不逞な輩か、なんてふざけたことを考えていた次第であました。偏見に満ちた無知蒙昧な輩は私でありました。そののち、このウィーン・モーツァルト合奏団はVPOからの選抜隊でだったことを知りまして、大いに反省をしたのでありました。

そんなことで、今回そのCDを購入しその演奏を聴きましたら、これがまた素晴らしいのであります。たいへん評価の高いヴェーグの演奏を凌ぐといってもいい、とさえ思いました。その素晴らしさは、ヴェーグの演奏のような、生き生きとしてキレのある演奏に、ウィーン風の典雅さを加えたもの、と言えるのではないかともいます。全体をリードするヴァイオリンは、実にうまい。厳しい面とあまい妖艶な音色が局面に応じて見られます。また、低音部でも確かなリズムを刻むとことにもしっかりとした安定感を感じますねえ。今回は、その8枚組みの中から、もっとも有名な曲、セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」です。1968年の演奏。この8枚は、1967年から1978年までの録音なので、この曲は初期のころのものです。

しかし、この曲を聴いたのも何年ぶりでしょうか。手垢にまみれた名曲のように思っていましたが、このCDで聴くとほんとに不朽の名作ですよねえ。第1楽章、聴き慣れたテーマが実に優雅で伸びのある明快な弦で奏でられます。この弦は雄弁な音色でずんずんと曲を進め、その流れに身を委ねると快適であります。一方で確かなコントラバスの響きも心地よい。第2楽章アンダンテの三部形式。ヴァイオリンが明快さと艶っぽさを双方そなえた素晴らしさ。そこから生じるには優美の極み。しかし、甘いだけではないところがいい。第3楽章メヌエット、多少の軽さを感じてしまうが、メヌエットの良さを十分に感じる。そして、終楽章ロンド。躍動感ある中にも曲への確かな心遣いを感じる。終楽章らしい豪快さをも兼ね備えた名演ですねえ。短い曲ですが、満足満足の名演奏であります。

しかし、このCDの解説には、ボスコフスキーのことは詳しくありますが、ウィーン・モーツァルト合奏団についてはまったく述べられていません。いったいどんなメンバーか、詳しく知りたいものであります。加えて、このころのDECCAの録音は優秀ですねえ。
(DECCA UCCD-9011/8 2000年)

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