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再び、ヴァントのブラームス

2009年02月08日 17時29分28秒 | ブラームス
2月になって、いよいよ年度末の大忙しの時期に突入します。ほんとに2・3月はたいへんですねえ。今年度は職場が変わりましたので、昨年度とは異なる内容の忙しさになります。経験の乏しい分野なので、かなり戸惑っております。何事も経験ですねえ。もっと若い頃にいろんなことを学んでおけばよかったなあ、と思うことしきりですねえ。そんなぼやきを繰り返していてもしかたないので、頑張りましょう!
それで今回は、ギュンター・ヴァント。しばらくヴァントの演奏は聴いていなかったのですが、近頃またまたよく聴くようになりました。といっても、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーが主で、シューベルトやモーツァルトが加わる程度なんですね。その中で、ブラームスです。少し前にシカゴ響とのライブを取り上げましたが、今回は二つ残された全集から。1982~85年にかけて北ドイツ放送交響楽団と録音された中から、交響曲第3番ヘ長調作品90です。この録音がされたときには、ヴァントはマイナーな指揮者だったんでしょうね。RCAから発売されてますが、原盤は独ハルモニア・ムンディだったようです。ヴァントは1982年に、テンシュテットの後任としてNDRの音楽監督に就任していますので、その直後にこの録音が企画されたのでしょう。このブラームスのあとベートーヴェンの交響曲、そしてブルックナーが録音され、ヴァントの名声も次第に上がっていくのでした。
さて、このブラームスですが、まず感じるの管弦楽の音が、たいそう透明で純粋なことなんです。ヴァントはかなり厳格に練習を重ねるそうですから、その成果ともいえるでしょう。混じり気のない極めて美しい弦楽器は、ほんとに夕映えのようですねえ。暖かみのある木管と堂々たる金管と、それらがほどよくブレンドされて実に美しい響きになっています。そして、優美さや暖かみよりも、重厚かつ硬めで、質実剛健な音楽です。こんなのをドイツの伝統的というんでしょうか。実に渋いですねえ。第1楽章、曲の流れがスムーズで流麗で無駄な響きがありません。妥協を許さない厳しさを感じます。どの楽器もいい音を出していますね。第2楽章アンダンテ。ブラームスの交響曲の第2楽章は、心が落ち着きます。ただ、ヴァントの第2楽章には、もう少しの優しさがあってもとは思いますが、しかしそれは他の指揮者の演奏で十分聴けるので…。引き締まって全く贅肉のない美しさを感じますねえ。第3楽章は、感傷的な甘美な曲ですが、ここでもヴァントはそっちの方面には見向きもしない誠にそっけない演奏ですが、一縷の隙もないので、全く不満は感じません。そして、第4楽章、ここでは熱い演奏を聴かせてくれます。その中にも透き通った透明感は健在で見通しのいい激しさを堪能させてくれますね。金管のストレートな演奏もいいですねえ。NDRはいい音を出してくれています。
ヴァントのブラームス、買ったときにはおもしろくないなあと思っていましたが、今は実に味わい深いと思うようになりました。この1980年代前半の全集、かなり気に入っています。
(RCA BVCC-5140 1990年)

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