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車内で聴こう!「トゥーランドット」

2017年04月22日 21時30分16秒 | プッチーニ
職場が変わって、約70分の車での通勤。「大変ですね」とよく言われるのですが、それほどでもないのです。車中の約2時間少し、音楽をしっかり聴いています。これがなかなかいいい時間なんですね。かなり大きな音で鳴らしています。車外には絶対に漏れているんでしょうが…。マーラーやブルックナーの長大な曲はもちろん、オペラでも聴けます。まあ、2時間も音楽を聴けることって、普通にしていたら、そんなにないですからねえ。と、楽しんでいる次第であります。

そんな中で、最近聴いていたのが、プッチーニの歌劇『トゥーランドット』なんです。CD2枚組で、行き帰りに一枚づつ十分聴けます。このオペラ、久々に聴きました。やはり、プッチーニのオペラは、それも魅惑的な旋律に満ち満ちており、また登場人物にも心を動かされる人がたくさんですね。トゥーランドットのリューなんて、実にいいですね。このオペラは、1926年4月25日、ミラノ・スカラ座にて、アルトゥーロ・トスカニーニの指揮によって初演。まあ、伝統的?なイタリア・オペラとしては、最後の作品かも知れませんね。

このオペラには、多くの名盤がありますね。トゥーランドット、カラフ、リューがもちろんポイント。 トゥーランドットにはドラマティック・ソプラノの最重量級の役としてカラスやニルソン、サザーランド、リューにはリリックあるいはリリコスピントのソプラノの役として、スコット、リッチャレルリ、カバリエ、テバルディなどが歌っています。中でも興味深いのは、カラス盤では、リューをシュワルツコップが歌っていまして、随分立派なリューになっております。

そんな中で、今回はマゼールのウィーン国立歌劇場のライブ録音。マゼールが音楽監督だった1983年9月の公演からです。トゥーランドットにはエヴァ・マルトン、リューにはカーティア・リッチャレルリ、カラフにはホセ・カレーラスです。この演奏、私的には一番しっくり聴くことができるもの。それは、まず最初に買ったことで、これがデフォルトになっていることもありますが、まずマゼールの指揮。これはライブということもあって、テンポは揺れ表情も実にダイナミック。それがたいそうな緊張感と白熱したドラマを現出しているのですね。この熱さは、他では聴けないものです。

マルトンも、1943年生まれで、このとき40前後、一番よかったころでしょうか。ここでは実に力強いドラマティックな歌唱で心を揺さぶられます。ちょうど1990年代までは、よく聴きましたし、ハイティンクのリングでは、ブッリュンヒルデをしたころがキャリアの頂点なんでしょうか。言葉が不明瞭で力業のみ、って印象もあったのですが、ここではそれがこの姫君にあっているのでしょう。リューのリッチャレルリ、カラヤン盤ではトゥーランドットも歌ったのですが、リューもいいですね。ここでのリッチャレルリは特にいい。第三幕の「氷のような姫君の心も」では正に、絶唱であります。またその前の「口には出さず、胸に秘めたこのような恋は」では天上の世界のような世界に満ちています。このあたりの最期を迎えるリューの美しさは、他ではなかなか聴けませんねえ。そして、カラフのカレーラスなんですが、カラフも多くの人が歌っているんですが、声の輝かしさではコレッリ、ドラマティックさではドミンゴなど、優れた歌唱が多いのですが、この役の性格的なところではカレーラスが一番かな、と思います。彼の生真面目で熱い歌唱がこのカラフには合うのではと思います。「誰も寝てはならぬ」は言うまでもなく、「泣くな、リュー」での繊細な優しさがいいですねえ。他にも、ピン、ポン、バンの三人がロバート・カーンズとハインツ・ツェドニク、ヘルムート・ヴィルトハーバーということで、この三人の存在も全体を絞めてくれています。ツェドニクは私は好きです。

この「トゥーランドット」、強烈な個性で、一度聴けばしばらくはやみつきになる力を持っています。でも、来週は違うオペラを聴こうと思います(笑)。しかし、このCD、32頁の解説本と72頁の歌詞対訳本がふたつ付いて、4800円でした。うーん、安いか高いか…。
(SONY CSCR8090/1 1990年 SONY CLASSICAL OPERA LIBRARY)

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