こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

日曜日の昼下がりの『ボエーム』

2009年10月25日 19時32分01秒 | プッチーニ
千葉で起きた女子大生殺人事件、同じ年頃の娘を持つ親としては、なんとも悲しいことです。一刻も早く事件が解決して欲しいものです。被害にあわれた方のご冥福をお祈りします。一方で、今日は神戸市長選挙の日。しっかり投票をしてきましたが、投票所は閑散としていました。感心の低さを感じますねえ。そんな日曜日でしたが、もう10月下旬。秋も深まるってところです。

そんな日曜の昼下がり、ビデオを見ました。1990年カラヤンの急逝で、ショルティが代役を務めたザルツブルグ音楽祭のヴェルディの『仮面舞踏会』でした。大した理由はなかったのですが、最初からしばらく見ておりました。まあ、あまり舞台のは見ずにCDだけで聴くことが多いのです。それで、少々重いなあ、と思っていました。舞台の姿も音楽も…。すると隣りでゴソゴソしていた家人も、ブツブツと言ってまして、言わんとするところは、ヴェルディのワンパターンの独特の音楽とその時代の大仰な演出は、なんとも過去の遺物のようだ、ということなんです。まあ、それは酷評やろ、と思う反面、頷けるところも…。なんとなく、近頃オペラも現代的な演出で行われるものが増えてきましたが、ヴェルディもそんな演出で見たいなあ、ってところでしょうか。おそらく現代的な演出の方が、衣装代なんかも含めて倹約できそうですよねえ。オペラが作曲されたときの時代性も大事でしょうが、現代的な演出でやれば、自ずと歌手も年取った昔ながらの様子ではなく、若い元気のいい人の声も聴けるというものでしょうねえ。そして、家人が言うには、プッチーニはそうでもないのになあ、と。つまり、彼女はヴェルディ派ではなく、プッチーニ派なのでありました。そんなオチでありました。

そんなわけで、そこからプッチーニ。例えば『ラ・ボエーム』も、パヴァロッティとフレーニの大御所ではなく、若い現代的な演奏で聴こうか、と思い、それならば、これこれ、と取り出したのが、リッカルド・シャイー指揮ミラノスカラ座のCD。アンジェラ・ゲオルギューとロベルト・アラーニャのコンビ。先頃離婚したと報道がありましたが、1996年の録音。別にこの演奏が現代風の演出をしているとかということでは当然ありません。この演奏、実に若々しい。まず、シャイ-の指揮は、テンポは速めで躍動感があり、それでいて歌うところはしっかり歌ってくれる。ただ、重さやうねるような節回しからは無縁。みずみずしい詩情は聴けます。そして、主役のふたり。そもそもゲオルギューは歌においてはフレーニなどとは比べられないが、健闘している。またアラーニャは、私的にはけっこう好きなテノール。ふたりとも若さを感じる。特に第三幕の別れの場面は出色でした。シャイ-のドラマティックな指揮と相俟って、最高の盛り上がりでした。そして、脇のムゼッタとマルチェルロ、特に、ムゼッタのエリザベッタ・スカーノが実にいい声です。第二幕の「ムゼッタのワルツ」は他の歌手との重唱では、大いに聴かせてくれました。声だけを聴いていると、細やかな表現であるとか、声の出る様子など、今イチかなってところもありましたが、全編を通じての若さと躍動感でカバーしているってところでしょうか。現代的な『ボエーム』でありました。

ゲオルギューさんは、当代きっての美人ソプラノですよね。現代風の舞台でのミミを是非とも拝見したいものであります。このCDには値札がまだ付いていて、タワーレコードで4780円とありました。高かったですねえ…。
(DECCA 466 070-2 1999年 輸入盤) 

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