こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

バーンスタインでブラームス

2008年06月11日 22時48分45秒 | ブラームス
週末にかけて天気はよくないようです。今年の梅雨はどんなもんでしょうか。そんな折り、今日は昼から三宮に出張でありました。久しぶりに三宮。出張が終わって、あとは中古やさんめぐりをしました。4月以来ストレスの蓄積は膨大で、それを解消するために、という変な大義名分で、CDを買ってしまいます。買うほど、それを聴く時間がたくさんあるわけではなく、「ミチョランマ」も増えることが懸念される昨今であります。

しかし、中古やさんってのは値段の付け方、店によって随分違いますね。スウィートナーのブラームス全集、三宮では2500円、岡山では1700円。バーンスタインの全集は、2700円と3900円。まあ違いがあるから、いろいろおもしろいんでしょうが、高い方を買ってしまった場合には、すごく損をした気分になるのは、小市民的発想でしょうかね。

そんな中で、最近よく聴くブラームス。今回はバーンスタインとVPOの全集から。交響曲第3番であります。その昔、セルの演奏をLPで買いました。それを熱心に聴いていた記憶のある曲ですが、バーンスタインの演奏はどうでしょうか。この演奏は、1981~1982年ウィーンのムジークフェラインザールでのライブです。バーンスタインがベートーヴェンの全集をVPOと完成させた後のものです。まさにバーンスタインとVPOの絶頂期のものです。それで、この演奏、聴きようによっては、ここまでやるか!バーンスタインという感じで、こんなんブラームスとは違うぞと思われるものですねえ。最初から、トーンは押さえ気味、それでVPOの管や弦の美音が手に取るように聞こえてきて、この傾向は最後まで続き、VPOの巧さとすごさを痛感させられます。そして、そんなVPOの奏でる音楽には、バーンスタインのねちっこい、いや熱い感情移入が感じられ、声高になることは決してありませんが、うつり勝ちなテンポと相まって、まさに耽美的な傾向の強い表現となっています。

第1楽章は、特にテンポが遅く、例えばザンデルリンク盤に比べると、1.5倍の約15分かかっています。ゆっくりとしたテンポであくまで優美に進みます。ここはたたみ掛けるようにと思っていても、あくまでゆったりと静かに語りかけてくれます。第2楽章も同様で、私はこの楽章がしっくり来ました。フレーズの最後には消えるようなかすかな美しさを強く感じました。そして、第3楽章。普通でも繊細で愁いに満ちた美しさと湛えるこの楽章、実に美しく、まさに耽美的な音楽がいつ終わるのか、終わらないで欲しいというような展開が聴かれます。最も美しい第3楽章でしょうか。ここまでの世界を振り切るような第4楽章が続きます。ここにきて、音楽は激しさを加え、第3楽章のしがらみを振り払うかのような前に進む音楽となっています。全曲で約42分。これまで聴いたこの曲の中で、これほど聴かせる演奏を知りませんでした。指揮者の恐るべき表現力なんでしょうね。

とはいっても、これがベストかと言えば…。どんなもんでしょうか。バーンスタインのブラームスでありました。

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2 コメント

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「バーンスタインのブラームス」ですね (mozart1889)
2008-06-12 08:02:30
おはようございます。懐かしい演奏ですね。
いまだLPで聴いてます。発売直後に購入しました。9,000円くらいだったと思います。その年のレコード・アカデミー賞だったです。ベートーヴェンとならぶ、バーンスタイン/VPOの傑作と思います。
ただ、今聴くと、バーンスタインの体臭ムンムン、まさに「バーンスタインの」ブラームスという感じでしょうか。すごい演奏だなぁと思いつつ、このごろはトシのせいか、聴くとちと疲れます。

高い方を買ってしまうとえらく損をした気分になること・・・・・・よくありまっせ。ワタクシもバリバリの小市民です(笑)
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コメント感謝です (mikotomochi58)
2008-06-13 14:30:03
mozart1889 様
いつも、ありがとうございます。バーンスタインは、それほど熱心にはこれまできいてこなかったのですが、今後、しっかり聴いて行こうと思います。こんな個性的な演奏は、ほんと刺激的ですね。もう、十年長生きをしてくれてたら、他にもいろんな演奏が録音として残ったでしょうから、ほんとに残念です。
小市民的な発想から、抜け出したいものであります(笑)。
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