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ガーディナーのモーツァルト その2

2014年04月19日 21時49分48秒 | モーツァルト
4月になって、音楽を聴く時間が著しく減少しているな、思うことしきりであります。というのも、転勤したことで、通勤時間が著しく減ったためなんですね。以前と比べ、以前は往復で約2時間半。4月からは往復で約30分。ざっと約2時間の減。その約2時間、車中で音楽を聴いていましたので、それがなくなったのであります。まあ、通勤時間なんて短い方がいいに決まっているので、ありがたいことなんですが、その結果音楽を聴く時間が減ったという悲しいことも思ってしまったのであります…笑。

そんな戯言は、さておき、今回は、サー・ジョン・エリオット・ガーディナーによるモーツァルトの交響曲であります。ガーディナーは、1984から89年にかけて、手兵のイングリッシュ・バロック・ソロイスツと今は亡きPhilipsにモーツァルトのピアノの交響曲を11曲録音しています。以前にも34番を取り上げたことがあります。29番と31~41番なんですが、全集にはならなかったのか、初めからその気がなかったのあか?であります。このカーディナーのモーツァルトが4枚組で、タワーさんからセットで発売されました。タワーさんからの例の復刻シリーズなんですが、3000円ほどでした。このタワーさんのシリーズは、いつも思っていますが、ありがたいものでありますねえ。ただ、PhilipsからDeccaにレーベルが変わったことは、なんとも悲しいことでした。

ガーディナーは、言うまでもなくイギリスの古楽演奏家であります。1970年代後半にイングリッシュ・バロック・ソロイスツを結成し、バロックからモーツァルトの演奏を行い、1990年には、ロマン派音楽を演奏するために、オルケストル・レヴォリューショネール・エ・ロマンティークを新たに結成し、ブラームスあたりまで取り上げています。1991~94年までヴァントの後継としてNDRの首席指揮者ともなっております。ただ最近は、往時のような勢いは…、というような雰囲気であります。

このモーツァルトの中から、交響曲第36番ハ長調『リンツ』K.425であります。1988年1月ロンドンでの録音です。この曲は、1783年10月から11月に掛けてのリンツ滞在中に、伯爵であったトゥーン・ホーエンシュタインの予約演奏会のため、4日間で作曲したとされています。普通はだいたい25分くらいの曲ですが、このガーディナーは41分34秒。反復などを総べて行ったことからですが、この時間からしても、これまで以上に大交響曲の風格をともなっています。加えて、それは、この演奏からも言えます。古楽にしては非常に部厚い音での演奏になっていますし、こぢんまりとしたものではなく、たいそうスケールの大きい表現と表情を強く感じさせているところが注目されます。いわば、古楽の清新な響きとモダンオケの分厚く、風格に満ちた表情を合わせ持った演奏であります。しかし、このイングリッシュ・バロック・ソロイスツは、なかなかの名手の集まりですねえ。古楽のよさをしみじみと感じさせてくれます。

第1楽章、序奏から極めて澄んだ音色であながら、ダイナミックな展開に心が踊らされる。曲が進む中での古楽器特有の乾いた音の中に、オケのうまさとアクセントの聴いた響きが展開し、新鮮な喜びを感じますね。第2楽章、リズミカルなアンダンテ。弦の澄んだ音色が力強く響く。非常な立派で気合にあふれた援徐楽章であります。そして第3楽章メヌエット。私はこのメヌエット好きです。メリハリの効いたリズム感が心地よく、トリオではオーボエとファゴットの地味ではあるが、その二重奏が美しい。第4楽章、堂々としたプレスト。輪郭がしっかりしており、大きな構えで演奏がすすむ。ゆったりとした力強さを実感させてくれる終楽章であります。ここまで聴くと、このガーディナーさん、モダンオケを振ってみたら、どんなもんなんかな、と持ってしまうのでありました。

そんなこんなで、家に帰ってからはけっこう時間はあるのですが、一方で野球を見なければ行けません。すると、またまた音楽を聴く時間は少なくなるのでありました。
(DECCA PROC-1357/60 TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus vol.17 2014年)

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