何故マスコミは消費税率UPに賛成(=または擁護)なのか?
とりあえず下記に列記してみました。
・マスコミの利害関係者からの圧力のため →財務省,スポンサー企業
・マスコミ社内の上層部の意向
・頭が悪い?(というか思考が停止しています。)
まず一つ目のマスコミの利害関係者は、それぞれの思惑で消費税率UPをしたいと思っています。
「財務省」は省益拡大のため、
「スポンサー企業」は、大手の輸出企業を指します。これらの企業は「輸出戻し税」という制度があるため、消費税が上がっても実害がないばかりか還付金があるのです。
このHPによると例えばトヨタでは年間の還付金が2,291億円もあります。
その他、日産,ホンダ,ソニーなど輸出企業の上位10社を合計すると戻し税の合計は約1兆円にもなります。
これら上位10社の顔ぶれをみると、そのままCMを流している企業10社のランキングといっても差し支えないような感じですね。いかにマスコミに影響があるかよくわかると思います。
次に二つ目のマスコミの上層部の意向ですが、これは世代的なものです。
あまり世代間闘争のような事を言いたくはありませんが、若い世代と比較し上層部の方々の世代は社会保障について気になるところでしょう。自分達の老後が本当に大丈夫か?(さんざん国益を損なうような事をしておいて非常に無責任だと思いますが)という利己的な理由で消費税率UPに賛同しています。
「日本経済はもうダメ」論に取りつかれ、多かれ少なかれこの世代には意識・無意識に関わらず自分達の老後のそろばん勘定を始めているのです。
これはマスコミに限らない現象で、いわゆる「民意」にもなりかねない思想です。しかし毎年1兆円づつ増え続ける社会保障費は消費税率UPでは近い将来に、まかないきれなくなるという事はあまり知られていません。
何故経済成長をして税収UPを目指すという事を目指さないのでしょうか?増え続ける社会保障のために消費増税止むなしとするマスコミの報道はミスリードとしか言えないと思います。
最後に頭が悪いから、というのは上記の2つの事しか考えていないからという事です。
まず日本の企業のうち中小企業の割合は約99%(420万社)、従業者は約70%(2,784万人)、GDPに占める割合は約50%(48.4兆円)です。(中小企業とは、製造業の場合は、資本金3億円以下もしくは従業員数が300人以下です。)
そして消費税率がUPして一番影響が大きいのは中小企業なのです。(中小製造業企業のうち輸出企業の割合はたった2.4%です。)
政府が少し前に消費税率UP分を価格転嫁するようにする、という方針を出していましたが、大企業の下請けである事がほとんどの中小企業にとって消費税分を価格転嫁するという事は容易ではなく(中小企業が同時に価格を上げるのは、物理的に企業数が多すぎるため無理です。競合企業より先に価格を上げてしまうと、商品が売れなくなるというジレンマがあるのです。)、政府も未だ方針だけで具体的な方法を示していません。
マスコミは大企業のこと、自分の老後のことしか考えていないため、日本経済の大部分を占める中小企業が受ける影響など想像していないのでしょう。したとしても、中小企業がなんか苦しくなるだろうな、くらいな軽いものだと思います。
実際に日本企業の約99%が影響を受け、1%の大企業は還付を受ける(なお、消費税率が上がれば還付金額も増えます。)という事など関心がないのです。
なお、経済全体を考えると消費税率UPが経済に悪影響しかないというのは橋本内閣の時(3%→5%)に既に証明されている事ですが、マスコミはもう忘れてしまったのでしょうか?(それともただ単純に知らないだけ?だとしたらやはり頭が悪いとしか言えません。)
まだ他にも理由はあるかもしれませんが、マスコミは自分の利害関係者、利己的な思考回路しか持ち合わせていないため、公共の電波を使用している事を忘れ極めて私的な行動をしているという結果が税率UP容認の報道を行う大きな理由だと思います。
そしてそれは公器という立場を忘れ国民をミスリードしているとしか言えない大罪を犯していることであると言わざるを得ません。