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おとなりカフェ

オーガニックカフェで聞く福島のはなし


下北沢の商店街を抜けて歩くこと12分ほどのところ、茶沢通りと梅ヶ丘通り交差点あたりに、「ふくしまオルガン堂」があります。
3月にオープンしました。
もとは、「オルガン堂」というオーガニックカフェでした。

土曜日午後、そこで福島県二本松市で有機農業を続けていらっしゃる、福島県有機農業ネットワークの菅野正寿さん、コモンズという気骨のある出版社の代表・大江正章さんの話を聞きに行きました。

2011年3月11日、地震の後に、突然雪がザーっとたくさん降り出した。
何か天変地異が起きたのだと思った。
2011年3月15日に突然の招集、体育館・閉校になった学校の掃除。
浪江町からの避難者3000人を受け入れた。
あまりに寒いだろうと、あちこちから8台のストーブを用意できたので、体育館に運ぼうとしたら役場からストップがかかった。
「公平じゃないことは、上からの指示がないと許可できない」
(もう驚かないセリフだけど、自分の頭で考えることをやめるとこうなる)
2011年3月17日、コープふくしまから出荷ストップがかかる。
その後、国からも作付のストップがかかる。
これまで皆で努力し培ってきた有機農業がどうなるのだろうと。
ガソリンや燃料も、どこからも入手できない。途方に暮れる。

浪江町の人たちの苦悩を見ながら、自分たちも行く末に不安を抱きつつ、絶望と希望を行ったり来たり。

しかし、考えて考えた末に、「耕すしかない」という答えを出す。
遠くに避難した人たちが、また再び戻ってこられるように、耕すしかないのだと。

最近の研究では、
粘土・有機質の肥沃な土は、表面でセシウムをつかみ固定化させ、根っこがセシウムを吸わないのだそう。
菅野さんたちの作られている野菜は、放射能検査ではすべて不検出。
しかし、なかなかこれまでのようには、買ってもらえていない。

やせた土、砂地などだと浸透してしまうのだとか。
もちろん、作物の特性によって違う、また、山中の汚染は深刻だと。

私も帰りには、いくつかの野菜を買わせてもらいました。
丁寧に愛情深く作られていることを感じながらいただきました。

産地にこだわり西ならいいと思って野菜を買う人が多い現実ですが、私は、気候が適していない地域で、無理に農薬を使って栽培される野菜の恐ろしさも、別な機会に聞きました。
私たちは、賢い生活者にならなければいけません。大変だけど。

この日に出されたお茶菓子と桃のジュース。



現在は東京都の助成を受けて運営されていますが、私たちへの情報発信はもちろん、都内に避難されている方々の拠点としても、今後自立的な運営が可能になるといいのですが。


ふくしまオルガン堂 http://www.farm-n.jp/yuuki/organ/




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