予算の全体像は(歳入と歳出) 令和7年度(2025年度)予算|NHK NEWS WEB
予算の全体像
ポイント
一般会計の総額が115兆1978億円となる令和7年度(2025年度)の予算が成立しました。
財政の硬直化が続く
一般会計の総額は115兆1978億円。当初予算としては3年連続で110兆円を超え、2023年度の114兆3800億円を上回って過去最大となります。
38兆2938億
8兆6691億
6兆858億
5兆6560億
9兆4025億
18兆8728億
28兆2179億
歳出の項目ごとに見ていきます。
全体の3分の1を占める「社会保障費」は、38兆2938億円と2024年度の当初予算よりも5745億円増えて過去最大となりました。
高齢化に伴い医療や年金にかかる支出が増えるほか、子育て支援として行われる「多子世帯」を対象とした大学授業料の実質無償化や、1歳児の保育士の配置基準の改善などに必要な費用が含まれています。
一方、薬の公定価格の引き下げにより、600億円程度、伸びを抑えるなどしています。高額療養費制度については、負担上限額の引き上げなどの見直しが検討されましたが、国会での審議を経て見送られました。
「防衛関係費」は2027年度までの5年間で抜本的強化を目指す中、7519億円増えて8兆6691億円となりました。
「文化、教育、科学技術関連予算」は今年度より1844億円多い5兆6560億円。この中には教員給与の上乗せ分について現在の月給の4%から2025年度は5%に引き上げるための費用や、公立・私立を問わず年間11万円余りの就学支援金の所得制限を撤廃し、公立高校を実質的に無償化するための費用などが含まれています。
このほか、「地方交付税交付金」は18兆8728億円、「公共事業費」は6兆858億円となっています。
また「予備費」は7395億円としました。
一方で、2024年度、別枠として1兆円を計上していた物価高騰などに対応するための予備費は廃止します。別枠の予備費は2021年度の当初予算から2023年度まで5兆円ずつ、2024年度は1兆円を計上していましたが、「歳出構造を平時に戻す」方針のもと通常の予備費のみに戻しました。
国債の償還や利払いにあてる「国債費」は1兆2089億円増えて28兆2179億円と過去最大となりました。国債の発行残高の増加に加え、長期金利の上昇を反映し利払い費の想定金利を今年度の1.9%から2.0%に引き上げたことが要因です。
歳出全体のほぼ4分の1を占め、財政の硬直化が続いています。
財源の多くを国債に頼る厳しい財政状況
一方、歳入を見ていきます。
22兆6660億
19兆2450億
24兆9080億
11兆
8兆7318億
6兆7910億
21兆8561億
税収は77兆8190億円と2024年度の当初予算段階を8兆2110億円、2024年度の補正予算段階をさらに4兆3840億円上回り過去最大となる見込みです。
法人税の税収は、堅調な企業業績を反映し、2024年度当初を2兆1990億円上回る19兆2450億円、消費税も堅調な消費や物価の上昇をふまえて1兆850億円多い24兆9080億円と見込んでいます。
所得税は2024年度行われた定額減税による影響がなくなることもあって、4兆7610億円多い22兆6660億円としています。
税外収入は8兆7318億円。
それでも不足する28兆6471億円は新たに国債を発行してまかなう計画です。
当初予算時点での国債の新規発行額は、2024年度の当初予算と比べ6兆8019億円減り、17年ぶりに30兆円を下回ります。ただ、歳入全体の4分の1を占め、財源の多くを国債に頼る厳しい財政状況が続いています。