goo blog サービス終了のお知らせ 

設楽ダムより緑のダム 新しい政府で世直し 市民は心ひとつに頑張りましょう

憲法前文 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ

ダム湖底の酸欠と地球温暖化は、互いに関連し、水質悪化や生態系への影響を引き起こす可能性があります。

2025-07-01 15:04:26 | 未分類

ダム湖底の酸欠と地球温暖化は、互いに関連し、水質悪化や生態系への影響を引き起こす可能性があります。

地球温暖化による水温上昇は、湖沼の貧酸素化を促進し、底泥からの栄養塩類の溶出を増加させ、藻類の異常増殖や水質汚染の原因となります。

 

池や湖の中で暮らす生き物への温暖化の影響は?| ココが知りたい地球温暖化 気候変動適応編・影響編 | 気候変動適応とは | 気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)

 

6_akau_2.pdfダム湖における水質課題の 地域住民等との合意形成 国土交通省

 

列島だより/もういらない 無駄なダム/北海道/岐阜

2008年9月1日(月)「しんぶん赤旗」

 

 不要な道路や港湾の建設など無駄な公共事業の見直しを求める声が強まっています。北海道と岐阜県での無駄なダム事業見直しへの例を紹介します。

 

洪水10年で5回 漁獲量減る

北海道 沙流(さる)川水系

 沙流(さる)川は北海道日高支庁管内の日高町、平取町を流れる全長百四キロメートル、流域は上・中流に泥岩や砂岩が多く浸食・地滑りが起こりやすい地層です。読んで字のごとく“砂が流れる川”で、もともとダムを造ってはならない川なのです。

崩壊した開発

 沙流川水系に二風谷(にぶたに)ダムと平取(びらとり)ダムをつくる計画が持ち込まれたのは一九六九年。日本中が開発ブームに沸いた中での「苫小牧東部大規模工業開発計画」に工業用水を供給するためというものでした。苫東開発は無残に崩壊しましたが、二風谷ダムは「治水」に名目を変えて一九八六年に着工、七百四十一億円(当初予算五百億円)もかけて一九九四年に完成しました。

 今、二風谷ダムは、ダムにたまる土砂などは百年は大丈夫といっていたものが十年もたたないうちに想定(五百五十万立方メートル)の二倍になっています。「治水のため」も二年に一度の割で大水害が起こっています。堤防の樋門(ひもん)も閉めないでダムの泥水を放水し、甚大な被害を下流住民や漁民にあたえ続けています。

 北海道開発局は、さらに巨大なコンクリートを打ち込もうというのです。平取ダムです。建設費五百七十三億円(北海道の負担分八十六億円)といいますが、“鉄もセメントも油も高騰している時、予算の二倍かけてもできないのではないか”との声すら出ています。

堆砂と酸欠水

 平取ダムは「治水」どころか、一年に一回、ダムを堆砂もろとも空にする排砂ゲート方式にするといいます。この方式はヘドロ混じりの土砂と酸欠水を一気に放出するので、ダムの下流は数年で死んだ川になるでしょう。百害あって一利もない無駄なダムの建設を黙って許すわけにはいきません。

 二風谷ダムができてからの十年間に五回も洪水被害にあい、裁判闘争を続けている「沙流川被害者の会」の中村正晴さんは「無駄な公共事業、ダムはもういらない」と怒りを込めて語ります。ダムができたために下流はシシャモもサケも遡上(そじょう)しなくなり、タコ、ナマコなどの前浜漁は漁獲量が減少しています。

 一九七〇年代まで清流であった沙流川が「百年河清を待つ」ような濁った川にされました。六月に、地元住民や全道の自然保護団体など五十人が参加し二ダム問題の学習会が開かれ、五月には、札幌から青年学生二十五人が「ムダな公共事業見学ツアー」で訪れ、私が案内・説明をしました。これ以上ふるさとの川と自然の破壊を許さないためにがんばります。(平取ダム建設問題協議会・松井和男)


 沙流川流域 今もアイヌの人たちが住み続けており、アイヌ文化を次代に継承する重要な地域です。宮本百合子が19歳の夏、「民族的滅亡においこまれているアイヌのことを書く…」として訪れたのは平取村二風谷でした。

図

 


「環境改善」口実だが…

岐阜 木曽川水系連絡導水路

 六億六千万トン、浜名湖(静岡県)の二倍の貯水量がある岐阜県の徳山ダムは、この四月に満水を迎え試験放流をしました。

徳山ダム水を

 今から半世紀も前、一九五七年に岐阜県揖斐(いび)川上流が電源開発促進法に基づく調査地区に指定され、七三年にダム建設が決定しました。工業発展や人口増加を見込んでのことでした。

 ダム本体は二〇〇七年に完成。しかし今、水を大量に使う工場は、繊維業の不況などで撤退こそすれ進出はありません。岐阜県にはすでに、治水分のダム建設費四百十五億円の負担があります。利水分は、県内では水を買う企業も自治体もないため、一般会計から毎年二十三億円を今後二十三年間、水資源機構に返済し続けなくてはなりません。

 県議会では、民主党を含めオール与党体制で知事提案はすべて容認。日本共産党は一議席ですが、県民の暮らし・福祉を圧迫する無駄遣いの予算支出には、きっぱり反対しています。

 さらに無駄遣いを重ねようとしています。予算総額八百九十億円の「木曽川水系連絡導水路事業」です。徳山ダムを含め揖斐川にあるダムの水を木曽川まで持っていくために、約四十キロメートルのコンクリート管を地下トンネルとして建設しようというのです。

 愛知県や名古屋市の都市用水の供給のためというのが口実です。しかし、これほどまでして水を確保しなければならないような水不足状態はありません。そこで国は、「河川環境の改善」のために長良川や木曽川にも揖斐川の水を流すと言い出したのです。(ルート図参照)

 今、国交省は必死になって「環境改善」の材料を集めていますが、皮肉なことにその諮問機関である「木曽川水系連絡導水路環境検討会」における中間報告でも、「ダムでたまった、違う河川の水を合流させても、その影響が小さい」と、積極的な環境改善にはならないことを露呈しています。

図

水温差は7度

 八月に「長良川に徳山ダムの水は要らない市民学習会」が、揖斐川の取水予定地と長良川の水温調査をしましたが、その差は七度もあり、やっぱり「冷たく濁った水が長良川に来る」と危機感を強めました。

 初めは「工業用水」や「水道水」、その需要が見込めなくなれば今度は「環境改善」と、都合よく理由付けをして結局、多額の無駄な工事をやり切ってしまう。こんな公共事業のあり方は根本から変えなければならないし、そのために運動を強めていきたいと思います。(岐阜県議・大須賀しずか)


 旧徳山村が廃村 徳山ダム建設のために、466戸522世帯が転出を余儀なくされました。今も移転先の地盤沈下のトラブルや個人所有の山林への立ち入りができない問題での訴訟など、完全解決には至っていません。

 

 

ダム湖における植物プランクトンの種構成および増殖シミュレーション

 

ダム堆積物私見

 

ダム堆積物私見

 

 2006年度から2010年度にかけて,川(天竜川)から海岸(遠州灘)までの砂の動きを研究する「遠州灘プロジェクト」に参加した個人的な成果の一つは,ダム堆積物に対する認識を深めたことでした.黒部川の出平ダム・宇奈月ダムの連携排砂(といっても砂より泥が体積的には多いんですが)のニュースには注目していましたし,電中研でのポスドク時代に長野県のダムで水を抜いた時に見学に行ったりはしていましたが,やはり徐々に経験を積んだということでしょうか.ポスドク当時には見過ごしていたことが見えるようになってきたと思います.

 

 感じたことの一つは,深い峡谷をせき止めてダム湖にするのだから,堆積環境の変化を考えてダム堆積物(堆砂と言う言葉がありますが,泥ばかりなので使いません)の性質と言うのを考えなければいけないということです.酸素の供給が多い渓流が,水の鉛直循環をしにくい湖水となるのですから,そりゃあ有機物が分解できずに堆積し,ヘドロ状となるわけです.もちろん科学的に検証しなければいけませんが,第一印象としてこの有機質泥が下流に流されて,下流や沿岸に影響を与えるか/与えないかと問われたら,当然「与えるでしょう」と答えます.少なくとも,「ダム湖にたまったものは本来洪水で流れていたはずのものだから,そのまま下流へ流しても問題なかろう」という考え方は既に破綻しています(さすがに今時,こんな考えの人はいないと思いますが).黒部川での訴訟では,有機物とダム湖深層の酸欠の水が下流に与える影響については一部しか認められなかったようですが,裁判で認められなかったからと言って,研究・対策をしなかったら将来大変なことになるだろうなというのが正直なところです.

 

また,ダム堆積物の堆積量,上流側と下流側の水質の変化,湖内の水質,こういったことは多額のお金を使って調査されているようですが,それらを「有機物の堆積」と関連づけて議論するような論文が(私の探し方が悪いのかもしれませんが)どうもみつかりません.環境系・漁業系の学術誌ではその辺りの議論はされているものもあるようですが,ダム管理側やその周辺にはほとんど反映されていないように思います(何だか似たような構図が,世の中には多過ぎますね…).

 

ここからは私見と言うか妄想の世界なのですが,上で書いたように渓流であった部分をダム湖に変えることにより,堆積物に生じた最も重大な性質の変化は「有機物含有量の激増」であると考えています.既にあちこちの文献で書かれてはいますが,この有機物の起源としては2つ考えられます.一つは周囲の森林から流される植物遺骸がダム湖底で分解されずに残っている(酸素が十分供給されないので微生物や小型生物によって分解できない),もう一つはダム湖表層で大量発生する植物プランクトン遺骸が堆積する(そして植物遺骸と同じ理由で分解されない).

つまりは,(1)周囲から流れ込む植物遺骸をどうするか,(2)ダム湖表層で植物プランクトンの繁茂をどう抑制するか,(3)たまってしまった有機質泥をどう処理するか,この3つについて対策を考える必要があります(本当は(1),(2)の寄与の度合いについては,通常の湖成堆積物の研究でやられているように,堆積物中の珪藻殻量や種類,炭素窒素比などを測定すれば科学的に検証すれば十分理解できると思いますが,近況に書いたように当分その機会はなさそうなので).

(1)周囲から流れ込む植物遺骸をどうするか

 これには特に名案(迷案?)はありません.最近いくつかのダム湖本体の上流に土砂止めのダムを造る,そこからバイパストンネルをつくって洪水時の濁流はダム湖の下流まで放流する,という対策がとられているようですが,基本的にはそのくらいでしょうか…とにかくダム湖底に入れないようにする事が大事だと思います.

(2)植物プランクトンの繁茂をどう抑制するか

 最近のダムでは深層の冷たい水を表層に汲み上げ,植物プランクトンの繁茂を抑制する対策がとられているようです.いっそのこと,湖水にソーラーパネルをつけた筏を大量に浮かべたらいいのではないでしょうか? 植物プランクトンの成長もある程度は抑制できそうですし,自然エネルギーの活用にも結びつくし.実用化の前に,景観や効率の問題を検討しなければいけないでしょうけれど.

(3)たまってしまった有機質泥をどう処理するか

 ダム湖によっては土砂を浚渫してからフルイ分けをしているところがありますが,細粒分(ここに有機質泥は含まれる)をどうしているのかが今一つ分かりません.北海道の尾白利加ダムなどでは有機質泥を水田の表土に転用しているそうです.(下流の平野の穀倉地帯と言うのは,洪水時に流れて来る泥(&有機物)が堆積して地味が肥えるわけですから,これは理にかなっていると思います).ただ,浚渫だけではダム堆積物の処理が間に合うとは思えませんし,ダンプの交通量増加などの別の悪影響もあります.例えば天竜川ダム再編計画などで考えられているように,湖底に吸引トンネルを設置するような場合,フルイ分けをするのは不可能でしょう.有機物を処理すると言う観点からは,(CO2削減の観点からは勧められませんが)下水処理施設のいわゆる曝気処理槽(空気を送り込んで,バクテリアに分解してもらうやつ)をトンネル末端にでも設置してやるくらいは必要ではないでしょうか? 可能かどうかは判りませんが,エアを送り込む事によって砂礫と泥を分離できるなら,無理に有機物を分解せずに泥を肥料に転用するなどと言う方法もあるかもしれません.最近メディアで取り上げられている,油を効率よく生成する藻類を育てる,というのも(実用化できるかはともかく)検討する価値はあるように思います.

 

 以上,残念ながら研究ではなく妄想の範囲ですが,このようなことを考えています.別に自分自身で研究する必要はないので(砂でなく泥だし),誰かこの辺りをヒントに少しでもダム堆積物問題をよりベターな方向に持って行ってくれれば…などと思います.

 

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【憲法違反】【テレビは大深... | トップ | 【想像で出来ない程の大変な... »

未分類」カテゴリの最新記事