石破内閣の支持率が先月調査から7.8%と急落し、総理就任後、過去最低の30.6%となった。物価高対策が叫ばれる中、アメリカ・トランプ大統領の日本への24%の関税措置が追い打ちをかける。夏に参院選を控える議員から「よほど目玉となる物価高対策がないとぼろ負けだ」と危機感が漂う。こうした中で与党内からも期待の声が上がるのは「消費税の減税」。一方、減税にはハードルが高いことから「現金給付」を求める声も上がる。

「消費税の減税」30代未満では78%が「賛成」

物価高対策の一つとして消費税の減税を求める声は大きい。
4月実施のJNN世論調査で、減税に「賛成」と答えた人は61%にのぼった。ただ年齢別に見ていくと、若年層のほうがより切実だ。「60代以上」は減税に「賛成」は54%だが、年齢が下がっていくにつれ「賛成」の割合は徐々に増えていき「30代未満」の有権者だと「賛成」は78%にのぼる。

ただ実現へのハードルは高い。
財務大臣経験者でもある鈴木総務会長はその理由を端的に語っている。

「消費税の減税というものは、こういう状況ではありますけれども実施すべきものではない。やはり社会保障を支える重要な財源であるわけであります。一度(税率を)下げると、元に戻すということも相当な政治的なエネルギーがないとできない」(8日会見)

「答弁ラインを超えてしまった」ぶれる“減税”めぐる総理発言

これまで物価高対策のため、一部の野党が求めていた消費税の減税だが、これまで自民党内からは消極的な声が相次いでいた。そうした中で、総理の国会答弁に永田町がざわついた。

立憲・川田龍平参院議員
「食料品の消費税のゼロ税率化といったことなど、消費税の給付つき税額控除となると制度をつくっていくというのはなかなか時間がかかりますので、この付加価値税の減税といったところも考えてはどうか」

石破総理
「世界全て調べたわけではないが、幾つかの例はある。いかなる効果があるのかということについては、よく考えてみなければならないことだ。一概に否定する気は全くないがそういうことの検証というものを少しやらせていただきたい」

この消費税の減税要求に対して、総理が「否定しない」とわざわざ明言したことから、永田町では一気に夏の参院選にむけた物価高対策の目玉として食料品にかかる消費税の減税を打ち出すのではないかとの見方が広がった。

複数の政権幹部やその周辺を取材すると、この総理の発言は、もともと答弁書に書かれていないことを、総理の言葉として答弁してしまったという。“踏み込み過ぎた”ということだった。

ただ、その4日後の4月1日の記者会見では、一気にトーンダウンする。
「消費税は全世代型の社会保障を支える重要な財源だ。税率引き下げは適当ではない」

消費税の引き下げには法改正が伴う上、システム改修など時間がかかる。減税により失われる財源をどう確保するのかなどハードルはいくつもあり、早い段階で高まる期待を打ち消したかったのではないかとされている。