青梅雨や少女の弾きしノクターン
五月雨のこぼるる雫鎮痛剤
紫陽花の毬の彩り夢の色
梅雨晴間風に走れりモーツァルト
五月雨と聴くショパンピアノ協奏曲
仰ぎ見て呼びかけてみる梅雨の月
雨音を刻みて歩む夏至の朝
けむりたる風景の中蝸牛
梅雨の月聴きたるマタイ受難曲
白百合のひそと咲きたる散歩道
図書館の傍に梔子香りたり
青田波マーラー5番adagetto
ぴよぴよのコード進行小暑かな
少女のチュニック姿花南瓜
夏の月影を追ひかけフーガかな
つる先の空に触れむや立葵
聖堂の帰りの路や夏の蝶
得意気にサボテンの花咲きてをり
新樹揺るる影を探して散歩かな
遠景の山くつきりと聖五月
五月闇さまよい聴きぬ二楽章
空豆の夢見て泳ぐ鍋の空
ざわめきて青葉や空へ交響曲
レンガ道青葉の影のひろがり来
潮騒の音を届けし切子かな
誕生日の母祝ひたる花菖蒲
陽を食みて鮮やかなりし躑躅かな
道隅の十薬の花日差し受け
夏近しトリコロールのシャツ並び
雨粒の残る花より蝶の翔つ
夏近し口紅の色変えてをり
子等の蹴るボールの音や夏近し
ラヴェルの曲弾み流れて夏隣
さやさやと囁く川に桜散る
躍動の川と旅する花の塵
あの橋を駆ければ会える春の虹
夏蜜柑部屋いつぱいに香りたち
山頂へ向かひて泳ぐ春の雲
キーボード打つ音響く目借時
ネットよりアリア流るる鳥曇
木漏れ日の揺れて春風通る径
四月 桜も満開 始業式や終業式の時期ですね。
花もひらき 門もひらき 新年度の新しい夢がひらき 心が開き闊達になる月。
私の地方はもう桜が散り始め 葉桜へと姿を変えつつあります。
最近 創った俳句をまた載せてみました。
<春雷をとほくに聞きて眠りたり>
<青空に夢を抱きて初桜>
<蕾より桜開きしアダージョで>
<春装はパステル調の服重ね>
<指先の触れ得ぬ高さ桜かな>
<咲き満ちし桜の隙間青き空>
<アスファルト彩りたくて散る桜>
<行く先を探してをどる散る桜>
