大きなお友達のプリキュア日記

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【感想】小説スイートプリキュア

2016-11-27 20:19:41 | スイートプリキュア♪
北条響。
・本作の主人公にして語り手。
・今回はアニメ版初期の寂しがり屋ですぐ拗ねちゃう繊細女子の一面が出てましたね。
・メンタルの一部分に、アコちゃんと比較してすらも幼い部分があるのが魅力。
・演奏会前後の記憶の混乱については多々解釈もあるかと思いますが、個人的には「ほんとにやらかしちゃった」という解釈にも抗いがたい魅力を感じます。
・思い詰めると何を言い出すか分からないところがありますし…w奏に振り向いてほしくて無意識に王子先輩に擦り寄っちゃう響、とかめっちゃ背徳的じゃないです??
・奏も、エレンも、アコも、そんなに簡単に泣いたりしない。そういう認識しか持てないほど、響自身が彼女らをつよく、笑顔にしていたという事。
・さすがチームスイートの大黒柱。
・誰もいなくなって、二人きりになってしまって、お互いに対して後悔とか悲しみしかないのに、それでも抱き合って体温を感じ合うのがひびかな。
・ここぞという時にひらがなで呼び合うひびかな。声が聞こえてくるよう…
・これならいっそあなたに消されてしまいたい。
・結果としては悲しみを生み出していたのは響自身で、そんな世界が悲しくて、何もかも消して、最期には自分も消えてしまいたい。一番悲しんでいるのは自分自身なのに、それすら気づかず。
・これってアニメのノイズ様そのものなんですよね。やっぱり響とノイズは表裏一体だったんだ。

南野奏。
・聖歌先輩のスイーツにダメ出ししたり両親のアドバイスを聞かなくなったり、そういう慢心がたまに出てくるのは実に彼女らしく感じます。可愛い。
・「すごく嫌なオンナ。」良い…高橋作画で瞳を伏せて浸りながら言ってそうで良い…
・そんな彼女の”全てを諦めた”時の声とはどんな音なのでしょうかね。
・すごく緊迫したクライマックスシーンで「気合のレシピ見せてあげるわ!!!」やっぱり吹くわwww
・そこからの、本心を吐露した響を温かく包み込む母性なんだな…

黒川エレン。
・自分の汚い心に一度向き合った過去がある分、今回はほかのみんなより大人な雰囲気。
・ミステリアスなセイレーンのままにキュアビートになった彼女、といった感じでしょうか。
・ハミィに対するライバル心が健全で喜ばしいです。
・愉快な黒川エレンちゃんの面影は薄かったですねw
・設定資料集にセイレーンな表情で服装がエレンって絵がありましたが、そのイメージ。
・それだけにお化け屋敷ネタとかトリオザマイナーとのコントとかは楽しいですw
・どうでも良い話ですが、そういう場面の彼女は河野作画で再生されるんだよなぁw

調辺アコ。
・ところどころ主張されるこども感が良いと思います。
・イジメについて言及する場面がありましたが、昔のアコちゃんもそういう事に巻き込まれたりしたのでしょうか。
・ツンツン100%だった頃の彼女を思うとそれもあり得るのではないかと思います。
・イジメまでいかなくとも、仲間外れというか避けられるというか。
・「私を捨てた癖に!」心の底ではまだ引きずっているのですね…

王子正宗。
・彼にも悩みがあるのでしょうなぁ。
・キーパーソンではあるものの、響と奏はお互いの事しか気にしてないのがまたなんというかw

音吉さん。
・いつでも頼れる人生の先輩でありながら、その経験ゆえの限界を越えられない大人。
・本編でのノイズへの関わりが顕著でしたが、今回もそんな感じでした。
・響の脳内で自転車に乗って爆走するイメージには笑いましたw

トリオザマイナー。
・シリアス一辺倒の本作で、一服の清涼剤。
・普通の格好で普通の髪型のトリオザマイナー。あたかも「青い赤」のような表現…w
・バスドラの普通の髪型とか、想像もつきませんわw
・北条団&王子先輩withトリオザマイナー。タイピングするだけで笑えるw

ピーちゃん。
・今回は本当に流れ弾というか災難というか、響に疑われっぱなしで可哀想でしたw
・最後の最後で見せ場があってよかったですね!




自分と他人は違う。
他人の本当の気持ちなんて誰にも分らない。
それどころか、時には自分の気持ちすら分からなくなる。
大切な誰かと繋がれず、離れてしまう。

だからこそ、本当の気持ちを叫ぼう。
自分の本当の気持ちを、大切な誰かに向って。

本当の心に素直になって、みんなで叫びあって、ぶつかって繋がって。
言葉だけでは足りない時は、音楽で伝え合って。
そうやって紡がれた絆で、悲しみを乗り越えて行こう。

スイートプリキュアはひたすらにこの主題を重ね続けたカノンでした。

素直になれずケンカばかりして仲直りして連弾して、かつて以上の親友になれた響と奏。
ハミィの才能への嫉妬に憑かれて音楽を嫌いになっても、心のビートを海に叫んで取り戻せたエレン。
大好きだった両親への気持ちを閉じ込めて一人で戦って、でも心の歌で繋がれたアコ。
自分自身が悲しくて、世界から音楽を消したかったけれど、悲しみという自分自身の音楽を最後に叫んだノイズ。

今作にもこの文法を強く感じます。
自分の気持ちが分からず、誰の事も理解できない、コミュニケーション不全に陥る響。
彼女はやっと自分の気持ちに気づいたとき、その心を叫びます。
「叫べ、私よ。」
「叫ぶのよ。今すぐ。」
そうやって大切だったはずの奏、エレンやアコに本当に気持ちを伝えて。
悲しみを乗り越えて、前よりずっとつよく繋がれる。

ただし今作では明示された相違点がありました。
響と奏が海辺で語り合っていたように、どれだけの仲良しでも互いに秘密を残しているという事。
本当の気持ちが分からなくても、構わないと思える繋がり方があるという事。

バニッシュに響きを奪われた音は、ただただストレートに突き刺さってくるものでした。
思えばその響きとは今回の相違点のような、優しくて暖かい曖昧さなのかもしれません。
何もかもをさらけ出して素肌でぶつかり合う子供の本気ではなく、お互いの間にある空気の温度も愛おしく思えるような大人の優しさ。

響と奏、それにエレンやアコ…
彼女らが紛れもなく大人への途上にある、そんな気持ちにさせられる一編でした。
響が異国の空の下で思うように、奏が生クリームを泡立てながら思うように、エレンが作曲の徹夜明けに思うように、アコちゃんがメイジャーランドでレッスンの休憩中に思うように。

私も彼女らを思います。きっとこの同じ空の下で。
何度も聞いたあの掛け合いを、また聞けた喜びに浸りながら。

「いくよリズム!」
「オッケー、メロディ!」


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2 コメント

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Unknown (匿名)
2020-09-03 02:22:43
エレンについて質問なのですが、トリオザマイナーとの絡みがあるのは、記事で知ったのですが、王子先輩との絡みはありましたか?
個人的に私も小説は読んでみたいので、読む前に質問させていただきたいです。
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Unknown (koga)
2020-12-20 13:02:14
自分で読んで確かめてみましょう!(=゚ω゚)ノ
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