望みの場所

家中どこにもエアコンのない庭の緑が頼りの正しい家

だけどその晩は、蒸し暑くカーテンがそよともしない

もあっとした暗い寝室

闇の中にカオをもたげてクールな視線を送るムギ・・・・

ぐっすりの相方・静観のしゃび

・・・・地震が起きても寝ている相方が急にリキに気がついて
絶叫でもしたらそれこそ一大事
リキも腰を抜かすだろう・・・・

アタシのドキドキが増す・・・・

ふとんに横になりながらリキを観察する

なにか求めていたものにまっしぐらに行く様子はない

あちこちクンクンニオイをかぎまわる
へぇへぇ荒い息をしながら・・・

大丈夫・・・好きにしていいんだよ・・

相変わらず落ち着かずウロウロしながらも
相方のカオを見にいったリキ

彼に会いたかったの？

ミンナと一緒に寝たかったの？
いいよ・・・ゆっくりしな・・・

「なんでリキが居るんだよ・・・・」
うつぶせできっと失神寸前なんだろう相方がうめく・・・
・・気づきましたね・・・ひとまず1つクリアε- (￣、￣A)

そうこうしているうちに
足元でやっと横になったリキを見て
アタシはうれしくなって足とアタマの位置を入れ替えて
リキのカオを眺めながら寝ようとすると

スッとどいて相方側に去っていった

あぁああ・・・アタシがイヤなんだね

ネバネバしつこく観察してて暑苦しいかもしれない・・・
もうイイヤ・・・寝る！

寝てしまうことにした

どうした？

アタシなんか一切無視して
上を見上げてヒャイヒャイ泣き続けるリキ・・・・

おかしいよね・・・
こんなことなかったもん！

上に居るのは相方とその愛人ムギ・・・と
アタシを待ち伏せのしゃび

もしかしてムギ？！

ムギがまずいのかな・・・・
で、一緒に居たいのかな・・・・
それとも相方？？！

イヤイヤとにかくなんか一大事だよ！

意を決してリキを抱えて２階に連れて行くことにした

ガリガリだけど、でかいリキを抱き上げようとすると
フローリングで滑る階段をよろけながら抵抗するが
羊飼いがするように骨がごつごつするやせっぽちのリキを抱きかかえて
ノシノシあがっていった

お望み通り連れてってあげる・・・

未知の２階へ・・・

真っ暗な階段を登った

あんなに臆病で変化のキライなリキが２階で
どうするのか興味深々でもあった