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登山ガイド 山の風
岩手の山を中心にガイドしています
 



重ね着のこと。 レイヤードとも。


この時期は、普段の生活でも着るものに困ることがある。
寒いと思って厚着をすると暑すぎたり。
大丈夫と思って薄着のままでいると寒かったり、むずかしい。
山ではなおさらだ。

でも、
山歩きをする時、歩き始めは「薄着」が原則!

寒いと思うと、どうしても初めからたくさん着こむ人が多い。
が、歩き始めは「少し寒いかな」と思うくらいのほうがいい。
15分も歩くと体が温まり、30分もすると暑くなってくるからだ。
場合によっては汗をかき、「暑い」と言って上着を1枚脱いでしまう。
すると汗が冷えて今度は急に寒くなって、体調不良を起こしたりする。


結局脱ぐんだったら初めから着こまなければいいのになぁ… と思うことがよくある。

それに、汗をかく、ということは疲労につながるのだ。
できるだけ汗をかかないようにすることが大切。そのためには薄着。

歩いても体が温まらない時や風が強くなったりしたら、着ればいい。
つまりレイヤー。 そして、その重ね着も、薄手のものを重ねていく。
厚くてモコモコのものはイケない。薄手で暖かい素材のものがいい。

初めから着こんで脱いでいくのではなく、状況に応じて
フリース、ウインドストッパー、ゴアテックスのカッパ…
というように、少しずつ重ね着をしていく。
ダウンジャケットは歩行時には向かない。


レイヤーは英語で rayer 名詞では「層、階層」 
                   動詞では「層にする、層をなす」


重ねた薄手の衣服で「層」を作り、体温でその「層」の空気を温めていく。
初めから重ね着をするのではなく、重ね着をしていくのがいい。





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ザックをザックリ(大ざっぱに)背負っている人が多い。

「ザックリ背負う」とは、次の三つ。

・バックル(プラスチックの接続具)をパチンと締めていない
・ストラップ(テープ状のひも)をきちんと引いていない
・チャックを最後まで閉めていない だ。

締められていないバックルがダラリとぶら下がったり
ストラップが引かれていないためザックが傾いていたり
肩や背中にザックがしっかりとフィットしていなかったり
チャックが開いているために中身がはみ出ていたり落ちたり

なんだかダラシなく見えてしまうのだ。


・バックルは、全てパチンと締めよう!
・ストラップはキツクナイ程度にしっかり引こう!
・チャックは最後までしっかり閉めよう!


それから
・ザックには物をぶら下げない!

マグカップ、帽子、袋、カメラ など
ザックの外に物をブラブラぶら下げているのは
実はカッコイイものではないし、何より危険なことだ。
木の枝や他人のザックなどに引っ掛け思わぬ怪我をすることがある。

マグカップをぶら下げると、歩き慣れた人のように見えるのだろうか…
いやいや、歩き慣れた人は全てザックの中にしっかりパッキングするのだ。

個人的には
ペットボトルをショルダーハーネスやザックの脇に付けるのも勧めない。
歩くのに邪魔になったり、知らない間に落としたりしているからだ。
とにかく、ザックに物をぶら下げるのは危険なことだ。


ザックはシンプルに、スマートに、美しく背負おいましょう。





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山を登るときには必ずスパッツをつける という人はかなり多いのでは?



雨の日ならいざ知らず
天気がよく、雨など降っておらず、ぬかるみなどない道でも、気温の高い日でも
とにかくスパッツ、スパッツ。

私は敢えて、雨の日以外は「脱スパッツ」をすすめる。

ズボンの裾を汚したくない、というが、晴れている日に裾を汚している人はあまりない。
ぬかるみがあるかもしれない、というが、ぬかるみでは裾を汚さないように歩けばいい。
石や砂が靴に入るかもしれない、というが、石や砂が入らないように静かに歩けばいい。
何より、晴れた日は自分の熱がスパッツにこもって暑く、蒸れてしまって気持ちが悪い。

スパッツを着けていない人のほうが、汚したくない気持ちから上手に歩いているようだ。
スパッツを着けて安心し、歩き方が雑になり必要以上にドロだらけにしている人が多い。
そうなると、かえって洗濯機が泥んこ状態になるのでは… 

洗濯が大変だから、といってズボンを汚さないようにと着けたスパッツで
かえって洗濯を大変にしているのでは…

スパッツを着けないほうが、ズボンの裾の汚れがおとなしく
洗濯機の水が泥んこにならず、洗濯がきっと楽になるはず。

ズボンの裾が汚れないように歩けばスパッツは必要ない、と思う。
上手に歩けない、というが、上手に歩こうとしていない人が多い。

上手、というと語弊があるかもしれない。
要は、2本のレールの上を歩くようにすればいい。
モンローウォークやモデル歩きでは、裾が擦れて汚れ倍増。


2本のレール歩きは、スパッツに関係なく実は山の基本的な歩き方だ。

スパッツを着けないほうが足元がスッキリスマート、足さばきが軽くなる。
個人的には特に女性はスパッツを着けないほうが足がスラリと見えていい、と思う。


晴れた雨の降っていない日は、スパッツを外そう!




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台風12号の影響で、今日明日のツアーが中止になりました。

小屋泊まりの登山なら、営業小屋でも避難小屋でも忘れてならないのはヘッドランプ。
寝床を確保したら、まず枕元にヘッドランプと水を用意して消灯に備えておく。
夜中にトイレに起きた時の灯り取りと喉が渇いたときの水分補給用。

ところがある小屋で、そのヘッドランプに閉口してしまった。
消灯後シュラフの中でしばらくうとうとしていると
突然、顔面にまぶしい光の直撃を受けた。

トイレに立った長身の男性が
ご丁寧にもヘッドランプを額にしっかり当て
足場を探して顔をあちこちに向けている、その光だった。

ちょっとムッとしたが、顔を横に向けてやり過ごした。
が、トイレから戻って来た時もやはりあちこち照らしている。
少し広い小屋なので、仕方ないかな、と思ったものの
また自分の顔がまともに照らされると もう
仕方ないではいられない。


思わず
「小屋ではヘッドランプ、手に持って足元を照らしてください!」
と声を出してしまった。


確かに「ヘッドランプ」だから頭に着けて使うものだが
それは暗い中、両手をフリーにして登山道を照らすためで
小屋の中で寝ている人の顔を照らすためのものではないでしょ。

人の足や顔を踏まないのは当然で、要は自分の足元が分かればいいのだ。
小屋では人の顔を照らさないよう「ヘッド」ランプも手に持って使ってほしい。

「取り説」に「小屋ではヘッドランプで人の顔を照らさないでください。」
なんて書かれたら、登山者としては、ちょっと情けないですね。


山小屋では、こんな風にお互いに楽しく過ごしたいものです。


日帰り登山しかしない、と言う人でも、登山をする以上ヘッドランプは必携の装備です。




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昨日7月31日(日) 乳頭山系にある千沼ヶ原付近の登山道で
66歳の女性が足を滑らせて転倒、手首を骨折し自力歩行できず
救助を要請、県の防災ヘリで救助された、と今朝の地元新聞にあった。



記事は「ぬれていた登山道で足を滑らせ」となっているが
おそらく下りか斜めになった木道でスリップしたのではないか。
木道は、ぬれているととても危険なことは周知のとおりだ。


決して踵から足を下ろしてはいけない。
足裏全体を同時に木道の上にそっとおろす。
下りの時は横向きになってカニ歩きように少しずつ。
楽しいおしゃべりも一旦やめて、集中して歩く。
場合によっては木道の脇を歩いてもいい。


岩手の山の場合
木道に刻みを入れたり
モザイクのように凹凸を付けたりと
スリップ防止対策を施した木道もある。
が、まだまだ一枚板の木道が多い。




木道は細心の注意が必要だ。

これから仙台へ。
明日は月山縦走。
木道や岩場あり。
木道では黙動だ。





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登山者を見ていると
ずーっと下を向いて歩いている人が実に多い。


登山口から頂上まで一度も顔を上げない人もいるのではないか
と、余計な心配をしたくなるほど、みんな下ばっかり向いている。
まるで先生にしかられた小学生がうなだれてトボトボ歩いてるようだ。


上を向いて歩こう!

別に涙がこぼれそうな訳じゃあないんだから。
大金なんて落ちているはずはないんだから。
落ちているのはせいぜい動物の糞かゴミ。


目の前に広がる素晴らしい景色を見よう。
様々な形に姿を変えて流れる雲を見よう。
ホシガラスが空を飛んでいるのを見よう。


下ばっかり向いているもんだから
枝に頭や顔をぶつけてみたり
すれ違いの人にビックリしてみたり
前の人のザックに頭をぶつけてみたり
道がまがっているのにまっすぐ行ってみたり
仲間だと思ってよその人に着いて行ってみたり


上を向いて歩こう!
5歩歩くうちの2歩は
顔を上げて前や周囲を見よう。

しあわせは、あの頂きの上にあるのだ!




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足がつる原因は様々あるらしい。


・代謝説… 代謝産物の異常
・脱水説… 水分バランスの異常
・電解質説…血漿電解濃度の異常
・環境説… 寒冷、温熱の過酷な環境条件
・神経説… 神経系の反射異常

医学的なことはよくわからないが
登山中の足つりは、これらが複合的に関係し
あるタイミングで起こっている、と経験から感じる。

そのタイミングとは

登りや下り、あるいは山頂での休憩後
再び歩き始めて5分、10分ほど経ってからだ。

行動中に汗をかき、自分では全く感覚がなくても
休憩中に体が冷えていて、血行が悪くなってきて
歩き始めた時、疲労している筋肉が突然痙攣する。

そんな時どうするか。

ゴアテックス製のカッパズボンを履くことをすすめる。
夏で少々暑くても我慢して履くと、途端に血行が促進。
塩分を含むおやつでも食べながらしばらく休憩すると
体が温まり筋肉の痙攣がおさまって歩けるようになる。

もちろん、対処療法でしかないが、一定の効果はある。

やはり足をつらないようにすることがもっとも大切で
そのためには

・登山前や登山中のストレッチで筋肉の緊張をほぐす
・登山前や登山中はナトリウムを含む水分を補給する
・休憩時はカッパなどのウィンドストッパ―を羽織る
・汗のかきにくい、疲れにくい、ゆっくり歩きをする

ということを、こまめに実行することだろうか。


バナナはカリウムを含み、足つり予防にいいそうです。




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昨日5日、岩手山御神坂登山道で男性がスリップし
150m下の沢に転落してヘリで救助される事故があった。
幸い肩と腰の打撲で済んだらしいが、一つ間違えれば大事故だ。



山は危険に満ちている。
頭ではわかっているつもりでも、本当にわかっているだろうか。

「だいじょうぶ、無理はしないから」 

そう思っている人が多いに違いない。
でも、そういうことではない。


登る前に、ガイドブックや地図で登る山の下調べをしているだろうか。
登るときにも、その地図やガイドブックを持っているだろうか。
カッパやヘッドランプは持っているだろうか。

登り始めるときに、空を見あげ雲の流れや風を見ているだろうか。
登り始めの20分前後は、特にゆっくり歩いているだろうか。
ちゃんと前方を見て歩いているだろうか。
下ばかり見ているのでは…

周りを見たり、周りの音を聞いているだろうか。
落石がありそうな場所では、上を確認しているだろうか。
砂礫、泥、木道、岩場、木の根、段差などの状況に
合わせた足の運びをしているだろうか。

行動中にエネルギー補給、塩分補給をしているだろうか。
気温や風の変化を感じて、着る物の調整をしているだろうか。
疲れたら休憩するのではなく、疲れる前に休憩しているだろうか。

登りながら雲行きや風の吹き方などを確認し、先を予想しているだろうか…
周囲の状況や自分の状況を把握し、それに応じて行動しているだろうか…


無理をしないのはいいことだが
状況を把握し、適切な対応をしていないのでは
何が危険なのかがわかっていない、ということになる。
  

何が危険なのかわからないのが一番危険だ。


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ストックを使わなくても歩ける人は多い、と思う。


大半の人は手に持って歩くだけで安心していたり
ただ突いて歩いているだけで、ストックを使って
体への負担を軽減している様には見えないのだ。

登りでは使うことが少ないので、ぶらぶらさせ
下りでは、長さを調整せず短いまま。突く場所
だけに気を取られ、屁っ放り腰になってドスン
と足を下ろしている。

これでは、ストックを持ってかえって体に負担
を掛け、足腰を悪くしているようなものだ。


思い切ってストックを手放そう!
自分の体を信じ、足、手、五感を使って歩こう。


登りより下りで不安を感じる、と言う人が多いが

・足を下ろす場所を、自分の目でしっかり定めて
 足裏全体を静かに地面に着ける。ドスンはダメ!
・その際、できるだけ前かがみにならないよう。
 むしろ、上半身を起こしたまま足を下ろす。
・不安な場合は、前かがみにならず腰を下ろし
 お尻を地面に着けるような姿勢で足を前に下ろす。
・両側に木の枝や岩があれば、バランスの保持や
 姿勢の維持に積極的に利用する。
・段差の少ないところを見つけて、登山道の幅で
 ジグザグに下りていく。そのために、体の向きを
 こまめに右に左に変えていく。


などなど、上手に歩くコツを覚えると、意外と
ストックなしでも歩けるようになることが多い。
もちろん、どうしても必要な人は使ってほしい。

ストックはザックに付けておいて
本当に必要な時に使いたい。


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残雪の上を歩く場合は要注意。
盛岡周辺の標高1300mを越える山の
初夏の登山道には、まだまだ残雪がある。


樹林の夏道を歩いていて残雪が現れた時などは特に厄介だ。
何も考えずに夏の登山道の続きのつもりで雪の上を歩きだし

仲間との話に夢中になったり下ばかり見て歩いていると
雪面の平らな歩きやすい方向へ知らず知らず進んでいて
ふと顔を上げた時には、もうどの方向へ行けばいいのか
雪の向こうの登山道が全くわからなくなる時がよくある。

残雪の樹林帯の風景は、どの方向を見ても同じに見えるのだ。
踏み跡が確認できればなんとか切り抜けられることもあるが
踏み跡が見つからないと、それはもう遭難の一歩手前になる。

むやみに歩き回って登山道を探すのではなく、落ち着いて
自分の踏み跡を辿って残雪が始まった地点まで戻ることだ。

残雪が始まる地点で、まず雪の向こうの登山道がどこにあるのか
方向をしっかり見極めること。その際山岳会の人達等が整備して
枝に取り付けてある「赤布」を見つけることだ。主要な登山道の
迷いやすい個所や、雪の下で登山道の方向が変わっている所には
道迷いをなくすために「赤布」が取り付けられていることが多い。

ガスがかかり見通しがきかないと
「赤布」が見つからないこともある。
踏み跡が判然としないこともある。

山歩きに慣れていない場合そんな時は
あっさりあきらめて下山することだ。

地図、コンパスを使って方向を定めたり
GPSを使いこなして歩ける場合は別だが。

昨日の三ッ石山での若者たちは、登りの樹林帯で方向を見失い
歩き回って偶然登山道を歩いている下山者と会い、なんとか
三ッ石山荘まで辿りついたらしい。下山のことを考えると
不安だったようで山頂へ登る元気もなく小屋のデッキの
上で一緒に下りてもらえる人を探していたようだ。

下山する方向が、私たちと同じだったので
一緒に下りることにした。ズックに
ジャージやジーンズと、軽装
だったのも気になったが
それも若さのうちか
と思い、説教
などせず
下山し
た。

学生さん、これに懲りずに、注意してまた山に登ってね。




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本当です。
「疲れない山の歩き方」を体で覚えると急なところも楽しくなります。


「山の風」流その極意。
・まず、普段の生活の半分ほどの歩行速度で歩くこと
・出した足の足裏全体をしっかり地面につけ踵まで体重を乗せること
・その出した足に長い時間体を乗せ、ヘソの下あたりを鉛直方向へスッと持ち上げるようにすること
・姿勢は前かがみにならず、体を起こしむしろゆったり背筋を伸ばすような気持です
・静かに次の足を出し、靴音を立てないよう地面にそっと乗せること


この繰り返しで、息が上がらず疲れない登りができるようになります。
疲れない登りができれば、下りで足を痛めることもなくなるはずです。
下りで足が痛くなったりするのは、登りが上手にできていないから。

論より証拠。
ぜひ一度「山の風」のガイド登山をお試しください。
驚くほど楽な登山が経験できるはずです。

疲れない登山が何よりも楽しい登山です。



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本日午前中
タケダスポーツ仙北店 トレッキングコーナーで
初心者対象の机上登山教室 「春山歩きに出かけましょう!」
を行いました。


参加して頂いたお客様
こんな天気のいい日に山にも行かず 
私の拙い話をじっと聞いてくださり
本当にありがとうございました。

春山歩きの魅力は
やはり、うららかな陽気の中
花を愛で、蝶を見、鳥の声を聞き
そよ風に吹かれて歩くことでしょうか。


山を歩くことは大地と触れ合うこと
大地と触れ合うことは大地からエネルギーをもらうこと
そう、山を歩けば元気になります。 元気があれば、なんでもできる!
いーち にィー サーン ダーッ!


さあ、春山歩きに出かけましょう!





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