退院して10日ぐらい経った頃だろうか、道を歩いている時に急にフラフラして歩けなくなってしまった。目眩である。
その時はどうして目眩が起きたのかを何も考えることもなく、ただ収まるのを道端で壁に手をつき身体を支えつつ待っていた。ものの数分で収まったので、そのまま自宅に帰った。そして、ただ普通に過ごした。
ただ考えてみれば、はじめてとはいえなかった。数度より軽いフラつきを感じたことはあったのだ。強い目眩であったので、おそらくは少し気にかけていたのだろうか、思い当たるフシがあった。薬の副作用である。
服用してる薬は5種類。副作用として注意事項に目眩やフラつきと記載されているのが3種類もあった。その内訳は心臓の負担を減らしたり、血圧を下げる薬が2種類。血圧を下げ尿量を増やす薬が1種類である。
当初は全身に痒みもあったのだが、大したこともないので、我慢するというほどの我慢もせず過ごす程度であった。実際に薬の副作用に発疹やかゆみと記載されているのは4種類にものぼる。時間が経つにつれて、身体が慣れてきたのだろうが、このブログを書いている退院後5ヶ月の現在、ほとんど感じることはない。それでも時折、変なむず痒さを感じることもある。
目眩の方も同様、現在はない。2度目の循環器内科受診時に医者に聞いたところ、薬の副作用の可能性はあるが、そのうち無くなるだろうと言われた。目眩について質問した際には、「当初フラつきは出ると思いますよ」とのことだ。
実際薬の説明書の注意事項には「車の運転や危険を伴う作業は控えてください」となっている。確かに経験した目眩であれば、車の運転中であれば、事故になると思う。その意味で、薬は人の身体に強い影響をもたらすことは確かである。そのため、安易に薬に頼るのは問題があると思う。
心不全で病院に運ばれて、その急性期に治療をするために薬を使うのは当然だろうと思う。そのおかげで、心不全の苦しみからすぐに逃れることができた。薬がない状態で、あのような症状を抱えて生きていくとしたら、こんな苦しいことはない。その意味で、薬のおかげという一面はある。
そこで考えることは、現在は普通の生活にほぼ戻っている。この状態でも薬は必要なのか、あるいはどの程度必要なのか、よくわからないのである。そもそも薬のおかげで、現在普通の生活ができているといえるのかどうかもわからないにもかかわらず、医者が処方する薬をただ漫然と飲んでいるだけなのだから。
とはいえ、医者は処方通り飲むように”指導”してくるだろうなと予想しつつ、勝手に薬の量を減らしたり、多少間をあけて飲んでみたりしているのだが、問題はない。
結局薬にしたって、そこそこ普通の生活をしている状態であれば、何か健康状態に問題があるとすれば、自身の免疫機能や自然治癒能力から、身体自らが自分で治ろうとしているのが自然の摂理である。医療や薬はその手助けをするだけであり、主役ではない。
仮に手術をしたので、手術で治ったというのではなく、手術をした後に身体が治すのであろう。あるいは抗生物質で細菌をある程度殺しても、細菌の力が弱い状態で、身体の力が作用して治るということだろう。薬はその程度の働きであり、絶対的というわけでもあるまい。
近く診察の予約があるので、その部分を質問し、薬の調整を相談していこうと思う。医者はなんというのだろうかなあ?