ほんの1kmほど歩くだけなのに、迷ってしまい、Aさんの家に辿り着けない。
運良く、道ばたで立ち話している女性がいたので、訊いてみる。
「ほら、大きな木のある家よ、煉瓦塀の」
と、わざわざ足を運んでくださった、恐縮!
住所を、一番間違って憶えてしまい、
記憶違いを省みることなく、突き進んでしまった、いつものよくやるエラー。
ザクロの満開には、今暫くかかりそうだ。
そうだ、ついでにAさんに絵手紙のハガキを所望してみよう。
「検査入院の知人にお見舞いハガキを送りたい」
と正直に打ち明けたら、一枚、くださった。
で、ハガキの送り先は、彫金作家さん、で、
もう填めない(填められない)指輪などを、時々、
ペンダントトップに作り替えていただく、センスの好い方。
女子美で彫金を学ばれた、一級技能士さんは、
いつも、シンプルで味わいのある作品を提示してくださる。
その、遅ればせのお見舞いハガキに、今日、電話があった。
「今、一時退院中、根治したいので、じっくり治療に取り組みます」。
病名は仰有らないし、こちらも訊かない。ただ、
介護や看取り、葬送などで、疲労困憊されたのは存じ上げている。
たしかに、介護する側が潰れそう、とは、周囲にありふれた話ではある。
わたしもここらで、無理しないで甘えさせてもらおう、か。