終の棲家ストーリー

まさか!の還暦家つくり。しんどくならないように、ゆっくり書きとめながら・・・。

公園に来て

2014-03-09 22:30:30 | 介護

 気温は少し、春に近づいたかも知れない。

美容院へ母を連れて行く。

前回はお客は母だけだった。

入り口から声をかけたら、奥からこちらを窺う男女の気配、

もう80歳は越えているだろう、女性が、訝りながら出てきて、

深紅のマニキュアの手慣れた手業で、ヘアカットを仕上げてくれた。

二度目の今日は、母を含めて、お客は3人、いずれも8,90代。

店主の美容師夫妻が、30年以上、とりしきっているらしい。

今回はご夫君が、母の髪をあたってくれる。

経験豊富らしい、見事な鋏さばきだが、昔の職人らしく口数が少なく、

おしゃべり過剰な母は、少しとまどっている。

ザックリと見て、80代~の男女が5人、

昭和の空気漂う美容院の、Pタイルの広いフロアの中央に、集まっている。

古いニュータウンの、よくある風景に過ぎないのだろうけれど、

貴重な歴史の一こまを見逃すまい。

ソファで待つ、わたし自身が、写真機に成り代わって、

脳裏に焼き付かせようと強く意識していた。

 



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