終の棲家ストーリー

まさか!の還暦家つくり。しんどくならないように、ゆっくり書きとめながら・・・。

ガトーショコラ

2015-01-30 22:27:45 | 食物

母が介護施設にお世話になって、4ヶ月になった。

仲良し以上の母娘なので、

「仕方なかった」と、人知れず納得しつつ、複雑な思いの日々。

入所者さんたちとの、袖擦れ合う交流を願いながら、

まあ、彼女のことだから、うまくやっていける筈、

と敢えて、つかず離れずを保ってきた。

が、先日の一件以来、

家族の来訪が入所者に安らぎをもたらす、

みたいな、オススメもあって、頻繁に訪ねている。

が、どうだろうか、

「早うお帰り」

「もう来なくていいから」と、素気ない無愛想ぶり。

どうやら、他の入所者さんの気持ちを思いやって、必要以上に、

家族に淡々としている、とも窺える。

娘たちに迷惑をかけないよう、母なりに自立を図ってくれてもいるのだ。

「わたしは、死ぬまで此処にいるの?」と、たぶん、勇気を出してだろう、

尋ねかける。

「うちへ帰る?」ときくと、

「いや、此処がいい」。

問題行動が発現した時、主治医先生やスタッフは、入所に伴う、

“家族からの疎外感”を原因とみているらしい。

違うと思う。

新しい環境に慣れることを、自分に課して、

それがいちばん、と、保てる力を振り絞ってさいごの決断。

昔と変わらず、強い母が戻ってきた。

暇乞いする際、明るく手を振ってくれるのは、いつものこと。

だから今日も、わたしは駅前のカフェに寄り道する。

チョコレートケーキを、苦いコーヒーでいただく、ビターの効いた午後・・・。 

 



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