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2021年振り返り。(その2)

2022-01-21 15:43:10 | 君がいない窓に響く空しい「ひとりごと」
 「その2」と書いても、こちらの方がブログでは上に来てしまうのですが…。

 2021年に読んだ小説&エッセイを書いたブログのつづき。

 
 『ばにらさま』(山本文緒さん)(文藝春秋)
 一昨年出版された長編小説が7年ぶりだったのに対して、短編とはいえ早い刊行!?(9/13発売)
 となんとなく新刊で買ったわけですが、(実は長編の方、未だに買ってない)
 読んでいる途中で、文緒先生が亡くなって、
 「え、先月新刊出たばっかりじゃん!」
 と混乱してしまったのだけれど、
 (亡くなったのは10/13、公表されたのは10/18でした。)
 
 読み終えてから奥付を見たら、初出は2008年~2015年と最近(?)の短編(物によっては再録)でしたが、
 (他の作家さんとの短編集から、出版社を超えて収録したものなど)
 文緒先生らしく、まったく年代の開きは感じなかったです。
 
 収録作品の『子供おばさん』だけは、『文芸あねもね』
 (アマゾンの紹介文引用
「3.11の後、『今、自分たちにできること』をしようとペンを執った10人の女性作家たち。そして2011年7月、その想いは全額寄付を目的としたチャリティ同人誌へと結実した。電子書籍から生まれた、再生への希望きらめく小説集、待望の文庫化」)
 で読んだことがあったので、10年くらい前に書かれたものと解りつつ読んでいたのですが、

 「mixiでマイミク申請」
 「ツイッターやりたいからスマホ買ってくれってうるさく言われる」


 という表現以外は、まったく古さを感じませんでした!
 
 でも、生前最期に出した本のラストのお話が(『子供おばさん』なので10年前の作品とは解りつつも)
 「若くして死んだ友達のお葬式に行くところ」から始まるのは、色々と考えて、重ねてしまいました。
 
 今調べたときにみつけた文緒先生のコメント貼っておきます。

 文緒先生のお写真入り、新刊コメント
 
 
 『カウントダウン』(山本文緒さん)(光文社・「BOOK WITH YOU」レーベル)(2010年10月25日初版発行)

 『カウントダウン』は、『シェイクダンスを踊れ』(集英社コバルト文庫1991年1月刊行)に加筆。修正を加えたもの。 
 
 「文緒先生の本が読みたい!」
 と図書館に行って、前から気になっていたけれどティーンズ向けだと思って借りていなかった本を借りました。

 先にあとがきを読んだら

 (私の手帳のメモから文章を書こうとしたら、
 本文をフリクションインク写していたため、一部消えてしまった所があり、一語一句正確でないかもしれませんが、お許しください。)
 

 今、テレビの世界では、いわゆる「お笑い」が大ブームですが、
 私がこの本を書いたのは、実は二十年前のことです。(中略)
 空前の漫才ブームというものが巻き起こったあと、
 その勢いが少し落ち着いた頃に書いたものです。



 と書いてあって、ちょっと覚悟して読み始め…。

 主人公が、お笑い芸人をめざす高校生!と若すぎて、はじめは距離がつかめず読みづらかったのだけれど、
 半分を超えたあたりから話の展開も、私自身のスピードも速まって、2日くらいでガーっと読み終えました。


 これを書いた当時、私もデビューして二年目の新人だったので、細かいことにあまりこだわらず
 (というか、こだわりを持つ余裕がありませんでした)
 ストーリーのテンポばかりを気にして細部まで筆が行き届いていませんでした。
 なので、刑事のお父さんが拳銃を持ち出してきたりしてめちゃくちゃなのですが、
 そのあたりはどうかお許しください。
 (注:内容にそういう場面があります。)
 すごく昔に書いた、荒っぽく未熟な作品ですが、その当時の私が全力で作ったものです。

 
 これを初めに書いた時の文緒先生は、29才くらい。
 若いけれど、やっぱり古さを感じさせないところが本当にすごい!
 最初のタイトル『シェイクダンスを踊れ』っていうのもうまいし、
 今回の『カウントダウン』というタイトルも、最後のさいごでわかる!!
 
 読み終わってから
 「おもしろかった~!!」
 という感想が口から出たほど、やっぱり文緒先生の文章が好きだ~!!
 そして『シェイクダンスを踊れ』を探して読みたくなりました。


 『LOVE SONGS』(幻冬舎文庫の恋愛アンソロジー)収録、
 『これが私の生きる道』(山本文緒さん)のみ。

 「文緒先生の文章が読みたい!」
 と思い、元々持っていた本を眺めていたら、一度読んだことあるはずなのに、全く内容を覚えていなくて…(苦笑)
 
 この小説の中に「紅実(くみ)」さんという名前が出てきて、
 『カウントダウン』のヒロインも同じ「紅実(くみ)」だったので、文緒先生が気に入っている名前なんだなぁ~と思いました。

 (この短編集は、1998年に刊行されたものを、99年に文庫化したものだと思います。)


 『シュガーレス・ラブ』(山本文緒さん)
 この本も、前から持っていたもので、一度読んだことがあるのを、また読み返しています。

 裏表紙の内容紹介に、
 「恋が、仕事が、家庭が、女たちの心と体を蝕んでゆく。
  現代女性をとりまくストレス・シンドロームと、それに立ち向かい、再生する姿を描く10話。」
 と書いてあるように、さまざまな病気をかかえる主人公たちの短編集なのですが、
 昔読んで、私が一番印象に残っていて、一番共感したのは
 『ご清潔な不倫』

 あ、不倫したことあるわけじゃなくて!
 この主人公がアトピー性皮膚炎なんです。

 私も症状は軽いけど、アトピー持ち。
 子供のころは、肘の内側と、太ももがひどくて、幼稚園入るまでずっとズボンを履いていたので、
 自分は男の子だと思っていました。(笑)

 話が横道に逸れてしまいましたが、
 この『ご清潔な不倫』に出てくる主任は、好きになるタイプだと思う。

 実はまだ最後の話を読みかけなのですが(電車で座って読んでいると眠くなってしまって読み進まない)
 この10篇の中で、やっぱり一番好きなお話です。

 「前に読んだのはいつだっけな?」
 と思いながら読んでいたら、
  
 『秤の上の小さな子供』という肥満がテーマのお話に出てくる女の人を、
 とあるタレントさん思い浮かべながら読んだのを思い出しました。

 2007年7月5日のブログ参照。

 
 2本に分けたわりに、案の定長くなってしまいましたが、ここまで読んで戴き、ありがとぅございます。

 次は何を読もうかな…。
  
 

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