MOT日記

知識資本主義の流れを医療界へ。
医療界の産業革命を目指します。

MOT概論6(事業性評価)

2005年09月07日 | Weblog
ゼミの班長に選ばれ発表する事になりました。

テーマは『ヒト羊膜コラーゲンシートを用いた角膜上皮細胞シート移植』の事業性評価です。聴講生の中で私の専門が眼科だから私が選ばれたのか、眼科医の私がいるからこのテーマになったのか、どちらかは分かりません。


簡単にまとめますと。
市場性:海外では角膜は供給過多。患者数は安定的に存在するが、致死的な疾患ではない。角膜片を単価50万円としても国内の市場規模は多く見積もって年間30億円。これに対し、心臓ペースメーカ-473億円(国内2002)。人工関節678億円(国内2002)。
技術優位性:従来の治療法で治せない疾患が治療可能、よって技術優位性は高い。
競合性:他社の角膜上皮細胞シート状移植に対抗できるか不明。従来の角膜移植も安定した成績を残している。


従来の角膜移植術にとって代わるものではない。事業化はしにくいが、大学の専門性を高める治療法でしょう。という結論を出しました。(実際には事業化されています)

早稲田大学のMOT講座の助教授が来られていました。医療のMOTは独特だね、とのコメント。(その一言のみ!)
有益な新しい治療法をどうやって普及させるのか。。企業は慈善事業でもないし。。うーむ。。バイオベンチャーは大変です。今回のゼミの発表をする事で納得しました。数字(市場規模)は正直です。

いい治療法がどうやって普及していくのか、その技術の評価、事業性の評価。それを踏まえた普及策。

医療界は法律の規制が多いので、解決すべき点が多く時間もかかります。普及には地道な学会活動が一番近道なのかもしれません。そう感じました。

どうでしょう?

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1 コメント

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地道 (MV)
2005-09-12 19:44:12
な活動が実は最短距離のように思えますね。実際。