白菜も一玉200円を切ったので、鍋本番である。既に二玉目の消費に突入している人間が言っても何の説得力も無いが、「何しても取り敢えずは食える」事に関してキャベツと双璧を為す野菜であり、鍋だけに使っている訳ではないからセーフ、と支離滅裂な理屈で話を先に進める。白菜、長ネギ、葛切りを出汁で煮立て、後は冷蔵庫に有る何かを投入したものを、私は鍋と定義している。寄せ鍋が一番実態に近いのだろうが、在庫状況によって水炊きになったり豆腐チゲになったりミネストローネになったりするので、我ながら確証は無い。そう云うフリーダムの障害が春菊である。独特のほろ苦さは大好きなのだが、あれが鍋に合うとは思えない。パクチー位の破壊力があればゲームチェンジャーとなり得るのだろうが、そこまでの獰猛さが有る訳でもない。遠い春を待ち焦がれつつ食するのが鍋の王道なのであろうが、一束が白菜一玉より高価だと、手に取るのも躊躇われるのである。