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今日もいい日で

毎日を旅するように、ワクワクしながら生きる。描く。作る。

イタリア素描・その2

2008-05-25 01:08:22 | 日記・暮らしのあれこれ
結局、2年前のイタリアの旅では人ばかり描いていました。

一番上から、ミラノ滞在中のガイドさん。
お仕事仲間と談笑中のところをそっと描きました。
右に進んでヴェネツィアでの女性ガイドさんと
下は水上バスの運転手さん。
その左はフィレンツェのカフェ・リヴォイーレで見かけた男性です。
お友達と5人で訪れて、お昼をとっていました。
これは一目ぼれで、どうしても描き留めておきたかったものです。
そして一番下は、ヴェネツィアの、カフェ・フローリアンで語り合っていた老夫婦です。
クタクタの普段着でしたが、姿勢も良くかくしゃくとした感じに魅かれました。

何かハッとするものがあったら描いていました。
微笑が良かったり。しっかりとした眼差しが素敵だったり。

老若男女を問わず市井の人々は、私にとって魅力的でした。
等身大で生きているような。
それぞれの年齢を楽しんで生きているような。

修学旅行のような行程で、駆け足に時は過ぎていったけれども
その中で、その時の精一杯の力で描いたものは
小さい素描であっても、きちんと目盛りを刻んだ実感があった。

旅をすると、自分の過ごしてきた日々で培われた常識とか価値観が
一回リセットされたような気持ちになる。
空っぽになって、その土地でいろいろなことを貪欲に吸収してゆく。
その一方で、そこで考え、判断し、選択したものが
まさに今の自分だと気づいたりする。
でも何かが生まれ変わったようになって帰ってくるのです。
この感覚が私は大好きです。

あれから私はどれだけ成長したのだろうか?
いつも自問自答しながら、次はどこへ旅しようか、
今日はどう過ごそうかとワクワクしているのです。

イタリア素描2006・その1

2008-05-07 23:34:40 | 日記・暮らしのあれこれ
珍しいことではないけれども、先日あるデパ地下で
イタリアの有名なデリカテッセンが目にとまった。
そういえばこのお店、あったよなあ…と。
二年前の2006年3月の終わりに訪れたイタリア旅行を思い返した。

あれは印刷オペレーターの仕事がひと区切りついた時。
一人でパックツアーに参加して、外国で初めて絵を描いた旅だった。

本に書いてあるように準備をして
リュックに画材を入れて、歩き回った。

ミラノ→ヴェネツィア→フィレンツェ→アッシジ→ローマの6泊8日。

無我夢中でドキドキしながら描いた。
小さくてまだまだつたなくて「素描」だけれども、そのときの精一杯。

これはミラノ。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世通りのアーケードにあるカフェでのもの。
フリータイム30分。
モデルは、イタリア人のガイド、ファブリツィオさん。
たまたまカフェにいた、担当の日本人ガイドと同席していた。

対面して描くのも初めてで、とてもとてもドキドキした。
最初は手が震えてしまった…そんなことでびびるなんて…だったら描くな!!
と自分に叱咤激励…平常心…描いた。

彼にお礼を述べた時には、集合時間も迫っていた。
支払いの合図をすると、お店の方が「いらないよ」の手振りをした。
本当にいらないらしいのだ。
なぜなのか通訳してもらったところ、
「芸術を愛してこの国に来てくれて、私はとても嬉しい。
この後もよい旅を続けてほしいから、お代はいりません。」
とのこと。

ありがとう。
今だって私はこの絵を見ると
その時の彼らの深い心と言葉に胸が熱くなり
落ち込んでもやる気になるのです。