人の第一次視覚野のシナプス密度は、出生時には1立方センチ当たり約2400億個である。
生後2ヶ月から急激に増加していき、生後8ヶ月の最高時点では、約5600億個にも達する。
その後、密度は減少していき、最終的には3000億程度になってしまう。
この過剰シナプスの発生とその整理が起こる時期が感受性期である。
この間に神経回路の具体的な構造と機能が決定していく。
具体的には、視覚中枢は、人でも動物でも、生後急速に発達して、複雑な神経回路を形成する。
どういう回路を作るかは、大まかなところは遺伝子が決める。
細かなところは、感受性期の経験が与える入力が決める。
例えば、視覚野内の傾きに反応する細胞群はどれだと決定していても、どの細胞がどの傾きに反応するかは経験的に決定されていく。