日本の里山にはどこにでもある竹林。日本人には、ありふれた風景ですが外国の人は珍しく、アジア的な風景に見えるようです。
竹は本当に変わった植物です。形態的にも普通の植物とは、かなり差があります。木なの?草なの?花は咲くの?どんな実が成るの?どうして竹の子から直ぐに大きくなるの?
まあ、椰子や稲などに近い植物には違いありませんが。
日本には普通に見られる竹林。しかし竹はアジア東部と南部、それにアフリカと南アメリカに多く見られるが、ヨ-ロッパ, アジア北部、北アメリカ、オセアニアには少ないようです。特にヨーロッパでは殆ど見られないようです。竹は温暖で湿潤な気候でないと育ちません。種類にもよりますが日本では東北地方がほぼ北限のようです。
寿命は20年足らずですが地下茎があり、枯れても次々と生えてきて、2ヶ月から3ヶ月で成体になるので竹林は維持されます。 120年に一回、一斉に花が咲きその竹林は枯れて無くなりますが、地下茎が残っているので数年で再生します。一日に70cmも伸び、生命力が強いので昔は霊力があると思われていました。 木か草かとか?笹と竹の区分とか定説がなく諸説あるそうです。
竹は日本の生活に密着しており、色んな用途に利用されます。例えば
食器に使い野趣豊かな雰囲気を出します。時には野で煮炊きをする調理器具になったりもします。
遊具やインテリアにも使われます。最近では竹炭が活性炭として使われます。
もちろん筍として食べる事が出来ます。美味しいですよね。あまり食べ過ぎると灰汁が強く湿疹が出来たりします。
ざるや籠として実用的な色んな民具にも使われます。
変わった所では食品の包装にも使われます。プラスティックの無かった頃には、おにぎりや肉と言えば、竹の皮で包むものと相場が決まってました。肉屋さんはこの皮で包むと、皮の横の部分をさっと手で割いて紐にして、それで手際良く結んでくれます。おにぎりも竹の皮で包んであると嬉しいですね。
竹は、その他にも電球のフィラメント、また日本レストランなどでインテリア、一輪差し、日本らしさを出す為の植栽、建築構造材、絵画、工芸品、楽器(笛、打楽器、弦楽器)、樽の箍、蓑、傘、草履、扇子(sensu)・団扇(utiwa)、弓、矢、筆の軸、櫛、提灯、釣り竿など多岐に渡り広く使われ日本の生活には無くてはならないものといえます。