又七の不定記

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フライフィッシングとクロスカントリースキーと蘭の栽培の好きな又七の不定記

カニフライ Evolution

2007-01-10 21:54:51 | Fly Making

 そこのカニパターン作ったあなた!,カニが魚に食べられるシーン見たことあります????
 カニパターンで釣れたと言ってるあなた!魚は本当にそれをカニだと思って食いついたのでしょうか?

 海のフライフィッシング人口も次第に増え,これまでに思いもよらなかったパターンがたくさん産まれています。
 まあ,以前から漁業者が使っていた擬似餌や海外で実績のあるパターンの焼き直し見たいなものも沢山あるようですが,やはり基本は魚が食べているものを真似るという事に尽きるでしょう。結果,違うパターンに見えても狙った効果は同じだったりしますし同じ形でも使い方でまったく良否が逆転する場合もあります。特にシュリンプ系のパターンにはこれが多いように思います。ミノー系は比較的失敗が少ないですね。

 今回うんちく言わせてもらうのはカニパターンです。
 これ実はなかなか一筋縄ではいかないパターンでして,形だけカニにしてもダメなんですね。

 なぜか?
 そう,カニは遊泳脚を持ったイシガニやガザミの類を除いて泳ぎまわることはありません。当然底でステイさせ,じわじわと動かす釣りになるわけで,使い型も難しく,また魚に狙われたカニの行動をマテリアルとリトリーブで表現するのは至難の技なのです。
 だから形だけのカニパターンは落としこみでしか通用しないのですが,落としこみならイガイパターンのほうが簡単に作れるし効果的でしょうね。

 とはいえ,前世がタコだったのではないかと思えるくらいカニ好きな私としては,干潟でのサイトフィッシングで使えるカニパターンを何とか完成させたいのですね。
 っで,以前,だるまさんバランスの転んでもおきあがるカニフライ(マタシチガニフライ)を作ったわけですが,これには重大な欠点があることが分っています。
 写真を見ていただければ一目瞭然なのですが,フッキングがムチャ悪いのですよ,これが・・・。
 底をひこずっても根掛りせず,横倒し難い形状ってことであの形にしたわけですが,咥えるにわ咥えても全くフッキングしません。
 ちなみにマタシチガニフライで捕食行動があったのはキャスト後そのまま水底にほっとけメソッドでステイさせていた時だけです,リトリーブ中に捕食行動が起こることはありませんでした。

 原因を追求するために,水槽でハタを飼育し,活きたカニを与えて観察してみました。ちなみに餌にしたカニは釣具店で売っているチゴガニではありません。チゴガニは基本的に水の底を歩き回るカニではありません。水の底を歩き回るカニと言えばもうヒライソガニとケフサガニ,モクズショイ,おっとイシガニとガザミを忘れちゃいけませんね。っということで,海までいってヒライソガニをとってきては魚に与えを繰り返し(っていっても5尾×3回くらいのもんですが・・・)ついに解明したのです!!!

 まずは魚に狙われたカニがどんな行動をするのか?カニを見た魚がどんな行動をするのか?

 水面から水槽へカニを落とすと,魚が「なになに?」って感じでカニにまとわりついてきます。
 しかしカニはハサミを振りかざして威嚇しながら沈んでいきます。
 頭を上に向け,スカイダイビングでもしているかのように脚を反り返らしてバランスをとって沈んでいきます。とうぜん沈下途中でハサミや脚を咥えられ振り回された挙句ばらばらにされるカニもいます。
 運良く底までたどり着けたカニは,ここからが勝負です。
 まずは魚を正面から睨みつけながらハサミのある腕を左右に大きく開いて魚を威嚇します。しかしけっして自分からは攻撃しません。
 魚はカニのハサミを警戒しながらゆっくりとカニに口先を近づけます。この時もカニは自ら攻撃するようなことはしません。ハサミを大きく振りかざした姿勢で横や後ろにじわじわと移動し,魚の捕食タイミングをずらします。
 そのうちにカニは障害物に届きます。障害物に自分が隠れることができる隙間があれば当然のようにすばやく逃げこみます。しかし入れる隙間がなかった場合,もうなすすべはありません。カニは正面から魚にパクッと吸い込まれました。
 しかしこれで終わるわけではなかったのです。ここからが見ものです。
 魚は必死でカニを吸いこもうとしますが,カニは大きくハサミと脚を広げ抵抗します。脚が邪魔で吸いこむことができないだけでなく,よくみると魚の鼻の穴あたりをハサミで鋏んで抵抗している様です。この光景は実に笑える光景で,魚は口髭でも生やしたかのような顔になっています(魚にとっては笑い事じゃないのでしょうが・・)。 魚はカニを吐き出そうとしますがカニが鼻をしっかりと鋏んでいるのでなかなか吐き出すことができません。
 持久戦です。見てる方も疲れます。
 そのうちにカニがするっと口から逃げ出します。
 しかし魚はあきらめることなく再び正面からカニを狙います。カニは前回同様に鼻先をハサミで鋏んで吸い込まれない様に抵抗します。そのうちに再び逃げ出します。
 カニが疲労し抵抗できなうなるまでこれが繰り返されたのです。(かなりしつこい攻撃でした。魚にとってカニはかなり魅力的な餌のようですね。)

 ここで重要なのは魚とカニの位置関係です。
 私が観察した事例では全て正面真っ向勝負でした。
 魚は逃げるカニを何時も正面やや上から見ているわけです。
 魚側から観ると,カニは自分から遠ざかる方向へ動き,それを前進しながら追い詰めながら捕食タイミングを測っているのです。
 吸い込む時も正面からです。

 背面にポイントがあるマタシチガニパターンではフッキングしないわけです。魚はティペット側から吸いこもうとしていたため,ポイントが口に入らずフッキングしなかったのでしょう。しかもリトリーブ中はフライを追い越して反転してカニの正面に廻らなければ捕食行動に入れませんし,背中を見せて逃げるカニは魚にとってある意味違和感のある存在だったでしょう。

 っということで,干潟で魚が口を使ってくれるカニパターンの必要最小限の要素が見えてきました。

①カニは腹這いにはならず,立っていなければならない。
②腕脚を両側にしっかりと開いていなければならない。
③捕食は正面=腹側からなのでフックのポイントは腹側になければならない。

 まだ確信は有りませんが,甲羅の形や色,歩脚の存在は関係無いかもしれませんね。特に歩脚は攻撃部位にはなっても捕食スイッチの要素としては必要度が低いと思います。

そして・・・とりあえずイメージを形にしてみました!!!(なんだかエンリコのシュリンプをカニにしただけのような・・・汗)

 後はフィールドで検証するだけです。
 ノッコミシーズンが待ち遠し~い!

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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おおおお!!又七どん。 (ミサゴ)
2007-01-10 23:24:36
なんか、わしがキビナゴに悩みながら、タクオタしとる間になんとまあアカデミック?なことをしておったんじゃね~。笑
これで広島湾のチヌはいただき?

ところで最近暇なの??爆
返信する
ぅわはは!ものすごく暇な時もありゃ、忙しい時もある。 (又七)
2007-01-11 18:49:23
暇な時(特に通勤の二時間)に携帯へメモして、溜まったら自宅PCへメール送信って感じでネタ書いてます。
ちなみにカニの観察は秋に済ませて、フライもできとったんじゃけどね。

それにしても今日はヒマじゃった。
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又七どん (ミサゴ@帰って和んでます。)
2007-01-13 22:44:05
どうも、今日は楽しかったですね。。
そう言えばカニフライEvo1?が見られなかったのが残念でした。笑

今年の遠征、期待してます。。
返信する
お疲れ様でした。楽しい呑みじゃったね。 (又七)
2007-01-14 09:06:57
カニエボは、つまみと間違えて食べる人が出ちゃいけんので(そんなことないって・・爆)ご披露を避けました。(笑)
それにしても店主から島の話聞くのをすっかり忘れとったね。
まあ、結構忙しそうで話し掛ける間もなかったけど。
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