著者: 中橋義博 プリンター用 記事を転送
▼2007年7月25日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
検索結果と同じように表示されるリスティング広告の広告文。その重要性について語られることは多いが、実際にどの程度読まれているのだろうか? 特にモバイルでの影響度についていくつかご紹介したいと思う。
まず公式コンテンツなどで「有料」サービスであることを明記した場合だが、想像通りクリック率は低くなり成約率は高くなる。重要なのはここからで、その傾向は同時に表示される他社のリスティング広告文や検索結果によって左右されることにお気付きだろうか。
「有料」であるということが分かる言葉が、検索結果に同時に表示される他社のリスティング広告文や検索結果に見当たらない場合、クリック率は非常に低いものとなるのはわかるのだが、その分成約率が高まって欲しいところだ。しかし結果として、期待ほどのパフォーマンスが出ないことがある。
これは広告文の表現がユーザーに過剰なインパクトを与えている結果と思われる。このような場合、同時に表示される競合他社の広告文や検索結果を確認した上で、「有料」であることを伝える具体的な文言を適切なタイミングで反映させないと、いたずらに獲得数を減らしてしまうだけになる場合がある。
また、機能説明の仕方にも影響を受けるようである。ある商品やサービスに対して検索者の多くが期待している機能というものがある。その機能が何であるか理解して明記することはもちろん、同じ機能でも高い品質であるということや、低価格であることをアピールすることによって、クリック率は大きく向上する。
また、その機能装備は当たり前であり、さらに気の利いた別機能が付いていることを書き込むことでもクリック率は高まる。この傾向についても、同時に表示される広告文や検索結果を考慮する必要がある。
同じ機能について語っている文言が他にも多くある場合は差別化のための補足は必須である。そうでなければ限りある広告文の文字数を他に費やした方が良い。
18歳以上向けの商品やサービスからも分かることがある。「18禁」「R18」「18歳以上」「18歳未満お断りだよ☆」というように表現を変えるだけでクリック率に違いが出る(各媒体の広告表示規定にもよるが)。
また、集客できる年齢や性別に影響を与えることまで可能である。また、広告文は取扱説明書のように正しい日本語であるかどうかではなく、自社商品やサービスのターゲット層が普段使っている言葉で書けているかどうかに気を使うことも重要であることが分かる。
これらの傾向から、検索者は、広告文の隅々まで読んでからクリックしていると考えて良いだろう。しかも同時に表示される広告文や検索結果と比較までしているのである。特にモバイルでのサイト閲覧は縦の動きしかないため、PC と比較し
て文章をしっかりと読んでいるのではないかと考えられる結果を得られることが多い。
検索者が各文章を良く読んで比較までしている可能性が高いことを考えると、自社商品やサービスの特徴を正確に伝えることで成約率を管理するだけでなく、その表現の仕方によってクリック率とクリックの質を管理することにも注意を払う必要が出てくる。
一辺倒の取扱説明ができるだけでは商品やサービスが売れないことはご存知だと思う。営業活動時には、営業先や競合他社を考えて説明項目の取捨選択や強弱はもちろん、言い回しや使う単語にまで注意を払っているはずである。広告文も同じように購入してほしい相手を考えた内容にしなければいけないのである。
自社の広告文が、何の説得力も魅力も感じない取扱説明文になっていないか、今一度確認してみてはいかがだろうか。