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白き焔BLOG

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ハガレン(ガンガン6月号)ネタバレ感想

2005-05-12 02:47:15 | 鋼コラム
毎月やってまいりました。ネタバレ感想でございます。

今回も見所満載でしたね。主人公が誰なんだってくらい、他方向から話が進んできて。

アルがもう男前!!というのと、グラトニーってこんな奴だったっけ?というのが第一印象です。(笑)あとはランファンすげー。

あとは「おや、大総統って案外人間っぽい造りなのね」とか。(笑)
大総統を相手にするには持久戦が有効ってことですな。メモメモ。

最初から行きましょう。「退いて~」といいながら飛び降りてきたリンの表情。シリアスなシーンなのにヤケクソ感漂ってて上手い。

おとなしく大総統の命令を聞くグラトニー。グラトニーってアニメ版だと、ラストが死んだ後は使用不可になってるイメージがあるから意外だわ。

兄弟VSスカー+ウィンリィですが。
なんかアル、きっつくねぇ?エドに対するコメントが(苦笑)

ちょっとアル話。
アルって鋭い突っ込みの出来る、優しいけど実は冷静な子だと思ってたんだけど、ウィンリィが絡むと、兄への突っ込みキツクなるねぇ。

こういうアルを見ていると、本当にアルはウィンリィが好きなんだなぁと思う。だけどウィンリィは何やかんやエドのことが好きだったりして。もちろんエドもウィンリィを好きなんだけど。

アルは女の子に対する優しさを表現するのが不器用なエドを見ていて、もどかしいんだろうなと思う。それでも兄を差し置いてウィンリィを落とそうとは思ってない。この辺の葛藤が、兄へのマヂ突っ込みの原因ではないかな。アルの強さ、優しさ、恋心、兄への尊敬、そんなのが見える話だった。

で、ウィンリィVSスカー。
これは私が先月に思っていたとおり、ウィンリィは命の大切さを分かってる子という話でしたね。出産ネタの伏線も案の定というところ。エドの台詞「人を生かす手」というのが泣かせる。上手い表現だわ。「生かす手」「育む手」「創造する手」「破壊する手」「焼き尽くす手」「守る手」この話には、いろんな手の人が出てくるんだ。

「撃てないなら戦場(このば)から出て行け!」というスカー。戦場と書いて「この場」と読ませるところが良い!そんでこの47話のタイトルは「戦場(いくさば)の少女」。うまいなぁ。三人で戦ってても、日常で喧嘩しているのとは違う。これは、戦場なんだ。戦争なんだ。自分たちの信条を懸けた生きる場所の争奪戦なんだ。

当然といえば当然なのだけれど、スカーが「どちらかが滅ぶまでは憎しみの連鎖は止められん!」と言っているところ。スカーは復讐を否定しない。それを否定したら、自分の今やっている全てを否定することになるから。

そしてアル。鎧の体を否定したら兄と錬金術を否定することになる。似たような構図じゃございませんか。

詳しくは描かれていないけれど、スカーは僧侶だった。その宗教がどのような最終目標を持っていたか分からない。だけど宗教は基本的に「よりよい生き方」「よりよい死に方」のためにあるものだと思う。スカーは、死んだ人間が浮かばれないと思うから、復讐する。しかし死んだ人間は、自分を殺した人間を恨んでいるだろうか?

イシュバールでは死後の世界がどう考えられているか分からないが、それは概念にしか過ぎない。死んだ人間の知り合いが、殺人者へ恨みを持つのだ。そうやって憎しみは連鎖する。

イシュバールの宗教が、復讐を推奨するようなものだとは思えない。それはエドが砂漠であった人たちを見ていたら分かる。スカーは戒律を破って、自分の恨みを晴らしているだけだ。

スカーは、ウィンリィを守るエドに、殺人者(キンブリー?)から自分を守ろうとした兄をだぶらせる。攻撃の手を緩めてしまう。スカーは自分がやっていることが、実は(宗教的に)無意味だとわかりつつも、止められないのかもしれない。自分がイシュバールの神を信じるに値しない破戒僧だと自覚しつつも、その神を信じているという二律背反。

「哀れな!そのような不幸な体になってなお錬金術を信じるのか」一番気になるスカーのアルへの台詞。

哀れではなく、不幸と言うか。不幸の定義って宗教的見地に寄るよね。肉体がない=不幸だと。スカーも刺青のせいで肉体は汚されてる。(自主的に入れた刺青ではないし。)スカーも不幸な体の持ち主なわけだ。

アルは不自由だけど哀れまれるような不幸じゃないと言い返す。どうも身体障害者さんのような発想だけれど。不自由は不自由だよ。食事も出来ないし、体温もわからない。でも生きてるし、自分が大切な人もいるし、自分を大切に思ってくれてる人もいるし、ぜんぜん不幸じゃない。

スカーとアルの二人とも、錬金術に起因した肉体の欠損を負っている。
スカーは原因の錬金術を憎む。アルは信じている。
スカーは生きていることの大切さを感じていない。アルは感じている。
スカーの兄は死に、アルの兄は生きている。
スカーは未来に否定的だけれど、アルは肯定的だ。
弟同士、うまく対称に創ってるなぁ。

錬金術は万能ではないし、必ずしも人を幸せにする道具ではない。エドが「人間兵器」とかサラリと呼ばれていたりして、その恐ろしさを物語っている。アルはその危険性をもっとも良く知っていて(なにせ体全部持ってかれてるんだから)、なおかつ有用性を信じている。そして兄を信じている。

スカーってお兄さんのこと信じていたんだろうか?イシュバールの禁忌とされる錬金術に手を染めた兄を。どっかで信じられないでいたのに自分をかばって死んじゃったから、申し訳ないという思いが復讐へ向かわせたのかな?

この二人がそれぞれの自分の道を生きるためには、戦うしかない。

アルVSスカーは、色々と考えさせられたし、アルが格好よい!!

挿入されているリザとマスタングに話を移そう。ここにいろと釘を刺すリザに困った顔のロイ。なんだかツーカーな感じですな・・・。こういう上司を持つと大変だ。(苦笑)
フュリーの眼鏡レンズ抜いちゃって、来月は眼鏡をかけたリザさんが見れるのでしょうか。つーか、援護に行って、変装が必要になるシュチュエーションってどんなかな?ライフル持ってんのに。大総統に会っちゃうとか?別にエドたちにバレても関係ないよね。まあ来月のお楽しみに。

グラトニーの「女の子が好き~」発言。そんな理由で女が好きか!(笑)おちゃめすぎる。

ランファン、漢気あるな!すごいよ。可愛い顔なのに、やることが漢だ!この世界、オートメイルあるからぜひ何とかしてもらってほしい。

リンがグラトニーを仕留めるところ。見切った!というところか。
でもこれでOKだったら、中世ヨーロッパの処刑道具「鉄の処女(鉄で出来た人型の内側に鋭い棘が沢山あり、それの中に入れられると、串刺しになって死ねるという道具)」とかに入れておいたら、そのうち死ぬってことだな。

でもエンヴィだと再生と同時に変形可能だから、同じ技は使えないな。大総統なら使えるかな?

ここのリンは、格好いいね。荒川先生のマンガは、ちゃんと必死な人が格好よく見える。どんなに無様でも、必死な人は格好いい。

あ、映画版のロイ軍曹ですが・・・「罪の意識からか、錬金術を使えないでいた」となってましたね。ほー使わなかったんじゃないのね。使えなかったのね。へーーーー。

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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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 (歌猫)
2005-05-13 06:19:59
真朱様こんにちは。

アルとスカー、弟考察にうーん!と唸りました。

本当、対象だ。



関わる人までもを守りたいアルたちと邪魔するものは全て殺すスカー。それは正に、自分が生きていることの大切さを感じているか、いないか、で。



いつも鋭い着眼点に関心いたします。
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着眼点なんて・・・ (真朱)
2005-05-16 02:42:52
いつもコメントありがとうございます。しかもお褒め頂いちゃって、恐縮です。



アニメの最後は、アルとスカーの関係はあんな結末で、この対称っぷりはそういう運命への序章という感じがしております。



死んでしまうスカーと生き残るアルだと。



アニメより原作の方が対象年齢が高いはずですが、(アニメより)分かりやすいのに、期待させられ、さらに想像を上回った展開が繰り広げられるという作者様はすばらしいですね。
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勝ち (ホムンクルス)
2009-09-06 20:29:19
スカーむかつく
返信する
ホムンクルス様 (真朱薫)
2009-09-07 02:17:38
すいぶん昔の記事にコメントありがとうございます。

二期がらみなのかもしれませんが、私は見ておりませんので残念ながらあしからず、ご了承下さいませ。

最近の原作スカーは、いい人になってしまったので、私はつまらなく感じております。どのシーンとは言いませんが、かなり頭に来たのは事実です(苦笑)

当Blogに初めてコメントされる方とお見受けしますが、記事に関するコメントと言うよりは、ご自分の感情だけのように見える内容はスパムと取られる可能性もありますよ、と老婆心ながらご忠告させていただきます。

私はスカーファンじゃないので構いませんが。
返信する
雲伯油屋ストライベック (グローバル鉄の道リスペクト)
2024-12-18 21:29:46
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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