気に入ったジョークメモ。
アテネの空港で荷物に腰をおろしてぼんやりシている男がいる、荷物と体はついたが心がつくのを待っている。
ローマ遺跡で日本の国会議員団が視察に出かけ、何だ、イタリアの復興は遅れているな。
キンタマという暗号をいともかんたんに解説する老いた掃除夫、協力すれども介入せず。
パリで、レモンを絞る市場の労働者が税務署の老人の腕にびっくり。
カツオ、チャンコ、ソウラン . . . 本文を読む
2006/6/18
バルセロナにあるグエル公園はガウディが彼の理解者であるグエル伯爵と理想の分譲地60戸の建設を目論み、しかし僻地過ぎたためかさっぱり売れずにガウディとグエル伯爵の邸宅のみが完成したという。見方によってはコミカルで、それだけ惨憺たる結果に終わり後に市に寄贈された。彼の造形は当代に受け入れられずに後の世に世界遺産としてもてはやされるという、天才の定型を彼もまた踏襲したことになる。
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2006/6/16
イタリア・ボローニャから夜行列車でバルセロナに到着した。やや曲がった屋根のドームが伸びる。
サグラダ・ファミリア大聖堂 降誕のファサード。初代主任建築家ビリャールが建設委員会と対立して辞任しガウディが31歳で2代目に就任し、このファサードを建築中にここから街へ歩く途中、路面電車にはねられて死んだ。73歳だった。
ファサード中央上部にある「生命の木」は、 . . . 本文を読む
ショーペンハウワーは共苦をキリスト教から感じ取ったが一方では仏教の涅槃にも言及している。彼の涅槃理解は厭世的世界観に通じているが共苦による救いも強く求めている。共苦は仏教の救済思想に近い。
このようなショーペンハウワーに共感を感じ取ったのではないか、あるいは同じような考え方に達したのではないかと思われる作家の文章を集めてみた。 果たしてショーペンハウワーの著作に影響を受けたのか、あ . . . 本文を読む
いなばと海岸に向かう。きらきらのラメ入りの服を着ている。ロックだという。意味が不明。鎖などを引っ掛けるのだという。突然10メートル以上ある巨大な魚が海面に現われてすぐに潜る。また違ったものが現れる。スマホでとろうとするが間に合わない。海辺では頭から剣道の防具風を被った子供が投げ網を持っている。
開始まで30分あるというので場所を離れて防波堤のところまでくるが30分はとうに過ぎている。いなばに携帯 . . . 本文を読む
トヨタの工場らしき場所。高速パケットがこれから流行ると予想し、機器の開発に勤しんでいる。はしが現われるが、はしと呼ぶと苦笑いする。名がはしではないらしい。ケーブルの設置に車で向かうが難航する。NTTの職員に手伝ってもらう。さすがNTTと感心している。 . . . 本文を読む
五大路子の一人芝居「横浜ローザ」が5月26日、横浜赤レンガ倉庫1号館ホールで初日の幕を開けるというニュースを見た。過去に白いメリーさんについて書いたものに今回新たに知りえた話を追記してみた。
メリーさんは1921年(大正10年)に岡山で生まれた。貧しかったので中学には進めず、青年学校に進んで卒業した。その後米軍の将校と付き合い、朝鮮戦争で将校は「必ず帰ってくる」の言葉を残し戦地へおもむき、戦争が . . . 本文を読む
「週刊現代」2013年3月16日号より
私が勤務する東大病院では、年間3000人もの患者が集中治療室で治療を受けています。そこは生と死が隣り合わせの場所であり、私も臨床医として、日常的に多くの「死」に立ち会ってきました。
現代医療には「エビデンス・ベースド・メディスン(EBM)」、つまり「証拠に基づく医療」という考え方がベースにあります。私たち医師もEBMを踏まえて患者さんの治療に当たるのです . . . 本文を読む
いたるところを走る小運河はさしずめ裏路地。住民はこんな場所から自家用ボートで出かける。ステンドグラスと男性の周りにあった色合いのシャツとパンツ。
ヴェネツィアの街をぶらりと歩いてみる。観光名所案内など頭から取り払い、色彩に溢れた街をひたすら歩く。つれあいのミッソーニのショールがよく映える街角だ。
ムラノのガラス製品。ヴェネツィアン・グラス、あムラーノ島のガラス、ヴェネツィアで作られるガ . . . 本文を読む
ショーペンハウワーは共苦に救いを求めこれを芸術に見ている。ショーペンハウワー「意志と表象としての世界」ニヒリズムからの脱却 そのでラファエロ、夏目漱石などを引用して共苦の理解を試みたが、林武や上村松篁、ゲーテの文からショーペンハウワーの満足感、さらにドストエフスキーのカラマゾフの兄弟のミーチャの行動を見ることで共苦の理解をさらに深めることができそうだ。
林武の場合。
そのとき僕は、 . . . 本文を読む
ヴェネツイアとフィレンツエは、性格のまるで違う二人の人間のようだ」と書いたのは、フィレンツエの人マキャベリである。
まったく、ルネサンス文明の担い手とされるこの二つの共和国は、同じイタリア人の手になった国かと疑うほどに違っている。
塩野七海 海の都の物語
サンタルチア駅。ここから水上バスに乗る。
サンマルコ広場入り口に立つ有翼の獅子像。9世紀、ヴェネツィア商人はアレクサンド . . . 本文を読む
2006/6/11-6/15
ヴェネツィア、ヴェネチア、ベネツィア、ベネチア、ヴェニス、ベニスと6通りもの表記があるこのヴェネツィアはアドリア海のヴェネツィア湾にできた長い歴史を持つ都市国家で、ラグーナつまり潟の上に築かれた運河が縦横に走る。ラグーナという言葉を聴いたのは2回目で、一回目は南米アルゼンチンのニメス湖でアルヘンティナ湖のラグナだった。いずれも湾の入り口が極端に狭くて . . . 本文を読む
ショーペンハウワーは厭世的世界観というツールで価値のある箴言の鉱脈を掘り出しているというのがここまでの感想だが鉱脈という言葉で村上春樹と似ているなと思う。彼も地下2階に降りて鉱脈を探すという。彼のツールは起きてから見る夢だが厭世的世界観に飲み込まれた主人公がそこから脱却するありさまを描いている。つまりショーペンハウワーのニヒリズムは彼自身が影響を受けているかどうかは知らないが村上春樹と共通している . . . 本文を読む
意志に続いて重要な表象についてのショーペンハウワーの言葉を集め、夏目漱石の「文芸の哲学的基礎」と比較してみよう。
世界とは、根拠の原理によって支配された表象の集合である。
表象としての世界は根拠の原理に支配された、必然の世界である。だから無機物や植物や動物の行動は常に必然的で、自由はない。人間行動も、動機に規定される面では自由は無い。
叡智的性格は意志であり、時間の外にあるため、 . . . 本文を読む