日本に帰国して現在はつかのまの仮独居だ。自宅に帰って早々にトイレに入ろうとしてドアノブを回転させたらノブが下に落ちた。そうそう、前回出発前にノブを留めるネジがゆるんで外れていたなと気がついた。下に落ちたノブを元の穴に入れようとしたのだが上手くいかない。トイレの内側のノブもはずみですこし外れ、そのために外側からもノブがかみ合わないのだ。だからいくら回しても手応えがなくラッチが沈まずに外れない。途方にくれた。
と同時にこれはかなり恐ろしいケースだなと考えた。もしこれがトイレの中に入っていて同じようにネジがゆるんでノブが落ちたと仮定しよう。なかからノブを再度差し込んでも外側のノブがはずみでおちてしまったとしたらもうノブでは開けるすべがない。独居ではだれも来ないし機密性の高いマンションのトイレ内でいくら叫んでもだれも気が付かない。エドガー・アラン・ポーの「アッシャー家の崩壊」をお読みの方でなくとも閉じこめられる恐怖は想像できる。
幸いトイレの外にいてノブが外れたのではさみでラッチを隙間から押さえて開けることが出来た。それ以来トイレにははさみが置いてある。
3年前の南米旅行でもボリビアでバスのトイレが中から空かなくなって20分後にようやく開けてもらった記憶が蘇った。それ以来万能ナイフをいつでも持ち歩く事を肝に銘じた。これがあればラッチを隙間から押さえて開けることができる。
ボリビアでバスのトイレが中から空かなくなったブログ記事
バスで移動中にトイレに閉じ込められる事件が発生した。ペルーのプーノからクスコへのバスでの出来事。バスが出発してから一時間くらい経ち、尿意を催し一階にあるトイレに行った。ドアを開けるのもかなり力を入れないと開かない。一見なかからロックしているのかと思ったくらいに固いが、とにかく開いた。中に入るとほとんど身動きできないくらい狭い。ドアを閉めて放出し気持ちよく出ようとすると開かない。ロックがかかったのかとチェックしてもその形跡はない。10回以上思い切り力をいれてトッテを引いてみても開かない。
バスは快調にすっ飛ばしていく。トイレの小窓から外の景色が見えるので不安はないが、こんなところで1,2時間閉じ込められるのは勘弁してほしい。ドアをこぶしの側面でがんがんたたいてみるがバスの騒音で聞こえないみたいだ。外からの反応が無い。狭い空間で力が入らないが、もう一度全力でドアを引いてみるが、トッテが半分壊れているので力が均一にかからないため、よじれたようになり、そのために開かないのだ。
こうなれば仕方が無い。ドアをたたき続けるしかないと思い定め、ガンガンとやること10分余り(と本人は感じたが)、外からなにやら相方の声が聞こえるではないか。これほど相方の声が待ち遠しかったことは無い。しかし、騒音のために何を言ってるのかよくわからない。とにかくバスをとめろと叫ぶとようやくバスがとまった。
車掌がロックを外せと言っているが、そんなものはとっくに外れている、いや最初からロックなんかしていない。ようやくバスのドライバーと一緒になってドアが開いた。外にでると、一階のおばさんたちが一斉に笑いながら拍手だ。笑い事じゃないぜと内心は思いながら、「ベリー デンジャラス!」と救出第一声を叫ぶ。われながら変な英語だが、たまりにたまった鬱憤は大声で叫びでもしないと発散できないものね。
これは「まさに文字どおり雪隠詰めだ」と20以上年の離れた相方にいったら、きょとんとしている。そうか雪隠詰めはもはや死語か。
次の休憩でバスを降り、バスの車体をよくみると、FIRST CLASS と社名ロゴが入っている。これには苦笑するほかなかったね。皆さん 鉄道やバスのトイレはドアの具合をよくチェックしてから入りましょう。