まさおレポート

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悲劇でもあり、吉本のお笑いでも通用する場面 「カラマーゾフの兄弟」メモ

2012-03-18 | 小説 カラマーゾフの兄弟

「カラマーゾフの兄弟」 長男ドミトリーがどうしても三千ルーブルの金を工面する必要がある。最後の手段で出かけたホフラコーワ夫人とのやりとりは切羽詰まった場面なのだが、とてもおかしい。ドミトリーの必死の借金のお願いがホフラコーワ夫人には通じていないで、夫人の金鉱探しのビジネスのドミトリーに対する勧誘にすり替わっている。頭に血が上っているドミトリーには途中までホフラコーワ夫人の違う話がみえていないので、借金の了解と誤解する。最後の詰めで、全くすれ違いの話をしていたことに気づいたドミトリーは机をたたいて怒り、出ていく。

世間離れした上流夫人の「ky」な話の対応ぶりと、頭に血がのぼったドミトリーの性急な話しっぷりが、のちのドミトリーの悲劇へと進む重要なところなのだが、抱腹絶倒するほどおかしい。作者は意図的にこうした悲劇でもあり、吉本のお笑いでも通用する場面を用意した。


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