小学校の先生が女子児童から「じじい」と言われてその少女に暴力を振るったことが記事になっていた。その記事の内容とは似ても似つかないが、12年前に届いた小学校の恩師の手紙を思い出した。
恩師は65歳になったので小学校の嘱託も辞めて長野県の山里に住まいを移し、絵を書いて余生を楽しむとあった。又、死に支度の準備も始めるとも書いてあった。同じ手紙には定年後嘱託で勤める小学校で男子児童に暴言を吐かれたことがこたえたとも書かれていた。校内の通路で「おっさん じゃまや そこのけ」と言われた。そんなことを言ってはいけないよと注意したところ、さらなる暴言を吐かれたとも。
長年のあいだ教育に人生を奉じてきた、その最後の職場でこんな暴言を吐かれなければならないのは辛いことだと、そのつらさが手紙を読みながら胸にこたえた。50年前ののどかな教育現場からは格段に荒んでいるような。