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まさおレポート

「ホモ・デウス」と「カラマーゾフの兄弟」イワンの苦悩

 

宗教とイデオロギーはつねに、この世での存在以上のものを神聖視し、死に対して寛容だった。

キリスト教とイスラム教とヒンドゥー教は、私たちの人生の意味はあの世でどのような運命を迎えるかで決まると断言していた。現代の科学と文化は死が生の意味の源泉であると見なすことは断じてない。

人間至上主義という宗教は、人間性を崇拝し、キリスト教とイスラム教で神が、仏教と道教で自然の摂理がそれぞれ演じた役割を、人間性が果たすものと考える。

今日は、神の存在を信じないことはたやすい。仮に私が神を信じていたら、そうするのは私の選択だ。どちらにしても、権威の本当の源泉は私自身の感情だ。

「人間至上主義」は、ヒューマニズムと似ているが、少し異なる。

ヒューマニズム(Humanism)は、人間の価値、尊厳、可能性を重視する思想で以下のような特徴がある。

人間の理性、倫理、創造性を強調し、科学や教育を通じて人類の幸福を追求する。

宗教的な権威よりも人間自身の判断や経験を重視する。

個人の自由と権利を尊重し、全ての人々の平等を追求する。

一方で「人間至上主義」は宗教的役割を人間性が果たすもので人間性自体を崇拝の対象とするようなニュアンスがある。従来の宗教が神や自然の摂理に与えていた役割を人間性が担うという考え方になる。

人間至上主義は、特にキリスト教、イスラム教、仏教、道教といった従来の宗教の役割を人間性が果たすものと見なし、これらの宗教と直接的に対立する立場、人間性自体を神格化するような立場を取る。

「カラマーゾフの兄弟」のイワン・カラマーゾフの立場と、先に述べた「人間至上主義」についての懸念は、いくつかの点で共通している。イワンの立場は、特に無神論と道徳に関する彼の哲学が中心となっている。

  1. イワン・カラマーゾフは無神論者であり、神の存在を否定している。彼の言葉「もし神がいなければ、すべてが許される」は、神が存在しないならば、人間には絶対的な道徳律がないことを語っている。

  2. イワンは、人間が神から解放されて完全な自由を持つべきだと考えています。しかし、その自由は同時に人間に大きな責任をもたらし、倫理や道徳の基準を自ら定めなければならないという苦悩の課題を要求する。
  3. イワンはまた、自由と神の不在がもたらす虚無感や道徳的混乱についても考えている。神を信じないことで、人生の目的や意味を見失い、存在の空虚さに悩むことになり最終的には狂う。カラマーゾフの兄弟に関心のある方はどうぞ

 
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