goo blog サービス終了のお知らせ 

大阪近代建築BLOG

消えていく近代建築に異議申し立て
-大オオサカまち基盤(大バン)-

お正月はペーパークラフト

2007-12-26 10:17:33 | 
書籍「大大阪モダン建築」の出版記念として、芝川ビルのペーパークラフトが販売になりました。年末には書店に並んでいるはず。近代建築ファンはもちろん、この本で大阪の近代建築の魅力に触れた方も、このお正月は是非ペーパークラフトづくりに挑戦してみてください。分かりやすい説明書つきなので誰でも簡単につくれます。
しかもこのペーパークラフトは何と大バンのロゴマーク入り!以前大バンがペーパークラフト作家HAZELさんに製作していただいたものが元になっていて、今回HAZELさんと大バンの協力によって実現したグッズなのです。(販売に際して販売元によるアレンジが加えられています)

で、出版記念ツアー急遽開催(た)

2007-10-17 00:14:51 | 
大大阪モダン建築」の出版を記念して、急遽近代建築ツアーの開催が決定しました! 10月27日(土)の10時~13時、芝川ビルを基点にして、近代建築が最も多く残る船場エリアを編著者の2人と大バンがご案内します。皆さん、ふるってご応募ください。
詳細と申し込みはこちら
※申込先は大バンではございませんのでご注意ください。

遂に出版「大大阪モダン建築」!(た)

2007-10-17 00:03:27 | 
大バンのご意見番、橋爪先生を監修に、大バンメンバーが大勢関わってつくった近代建築のガイドブック、「大大阪モダン建築」が遂に書店に並びはじめました。大阪市内に残る戦前の近代建築を約80件、カラー写真で紹介する167ページ。街歩きに最適なようにコンパクトにまとめ、もちろんマップ付き。建物紹介の他にも各エリアの解説やコラム満載で読み応えも十分。皆さん是非手にとってみてください。
大バンが活動を開始して3年、遂に本までつくってしまいました。

大阪のひきだし(ま)

2006-07-09 21:09:09 | 
なにかとベタでなにわな感じが多かった大阪本ですが、初夏にふさわしく爽やかな装丁の「大阪のひきだし」という本が登場!大バンでもお馴染みの橋爪紳也+三休橋筋愛好会+中谷ノボル+酒井一光という方々の執筆で、<水上タクシーあり、近代建築リノベーションあり、問屋街主催のプロレスショーあり、仲間が数人でも集まればすぐにできるものばかりのプロジェクトブック。街を面白くする「ひきだし」にもうひとつの都市再生が見える。>てな内容。写真も多くってかなり素敵なんですよー。大阪以外のトモダチなんかに、大阪のことを紹介するのに何を伝えればよいか困ってたあなた!コレを見せてあげてください。

実は、大バンのことも酒井さんが紹介してくださってるんですねー。大バンが載ってるくらいなんで、ホントにいろいろ盛りだくさんで、こんなにいろんな面白そうなことが巻き起こってるのね!と興奮できます。

★なんと出版記念トークショーあり!(サインもありか?!)
  『大阪のひきだし 都市再生フィールドノート』出版記念
  橋爪紳也+三休橋筋愛好会+中谷ノボル+酒井一光トークショー
【日 時】 2006年7月21日(金) 18:00~
【場 所】 ジュンク堂大阪本店/3階喫茶コーナー
      大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ tel.06-4799-1090
【参 加 費】 :無料

窓から読みとく近代建築(ま)

2006-05-10 08:23:18 | 
歴史博物館の酒井一光さんが「窓」の本を出されました。酒井さんといえば、タイルや金物などのクローズアップぶりが素敵な近代建築博士と言える方ですね。
「窓から読みとく近代建築」(学芸出版社)はなんと形と機能を網羅した窓事典付なんだそうです。とても楽しみ。

そして、現在「水都遊覧」展を開催中の歴史博物館ですが、秋には泉布観重要文化財指定50周年記念「煉瓦のまち・タイルのまち」という特別展も予定されているとのこと。

少し前の産経新聞夕刊に掲載された酒井さんのコラムにも、「大阪のタイル」と題して魅力的なお話がありました。「ファッションと同じで、ビルの外装にも流行がある。タイルは服でいえばアウターのようなものだ。戦前の建築では、石積みの建築がタキシードのような正装であるとすれば、白いタイルはビジネス・スーツ、茶色いスクラッチ・タイルはカジュアルだが高価なジャケットにたとえられようか」こんな視点で街を見るのは楽しいですね。

窓の本、大阪・関西から日本の近代を概観した本としても楽しめるそうです。

「大阪人」に印度ビルディング掲載(ま)

2005-06-02 18:39:36 | 
大阪都市協会が発行している月刊「大阪人」に、"発掘theOSAKA"という酒井一光さんの連載があります。昨日発売の7月号ではなんと印度ビルディングが取り上げられました。
わたし達大バンが、1月に実測し、2月に大掃除をし、春分の頃<大大阪サロン2005>を開催した、あの小さくて素敵な建物です。
当日のシンポジウムでタイルなどディテールへの愛情あるレクチャーをしてくださった酒井さんが、イベント終了後に取材してくださいました。
わたし達が磨いた手摺やペンキを塗ったペントハウスの写真を見ると、友達が載ってるような気さえしてしまい、なんだか照れてしまったり。9月のイベントの時にも印度ビルディングはまたまた登場する予定です。
この記念すべき「大阪人」、ぜひ駅売店や本屋さんにてお買い求め下さいませ(宣伝!)

Meetsも大大阪。(まさきち)

2005-02-05 18:31:37 | 
今月のミーツ、読みました?
表紙が大阪証券取引所で『オフィス街の冒険。』というタイトル。
「大大阪時代再発見」に始まり、中盤の船場に関する特集も読み応えあります。

「大大阪」大ブームだ!?

面白いことに、同じ号に清田友則氏の『頓挫した近代の亡霊』というタイトルの文章があり、「我々ポストモダン人も近代の面影から離れられません。(中略)近代が頓挫したかにみえる今、我々は夢見る近代人をノスタルジックに夢見ています」と未来を持てぬ現代から夢見る近代(過去)をを振り返っても何もみつからない、という視点が述べられています。

たしかにそんな気分をとても感じる。そこらじゅうで。もうずいぶん長い間。

でも、わたし達が今、大大阪を「カッコイイ時代があったんだ」とまぶしく見るのは、
「それやったら今だって、もっとカッコよく、もっと楽しくしてやる~」というライバル意識、だと思う。

大阪人1月号(高岡)

2004-12-06 23:22:00 | 
飛び込み投稿失礼します。「大阪力辞典」に続いて雑誌「大阪人」も見逃せない特集を組んできました。戦後大阪に建てられたモダニズム建築を今、改めて見直してみようという1月号の特集、題して「戦後建築1945-1968」。専門家によってチョイスされた魅力的な建築たちがカラー写真で紹介されていて、普段何気なく見過ごしている建物もよくみれば、的視点を伝えています。また大阪モダニズム建築を築いてきた3大メジャー、村野藤吾・坂倉建築研究所・竹中工務店についての文章や、これまでほとんど顧みられることのなかった円形校舎という学校建築スタイルについて書かれていたりと、コンパクトながらも充実した内容。特に「大阪市内の戦後建築名作・異色作」と題された建築リストは大阪建築ファン必見。僕もサイトで似たようなことをやっていて、取り上げている建築が結構かぶったりしているのですが、僕としては日本住宅公団の西長堀アパートの記事がとても興味深かった。当時このアパートは家賃の非常に高価な憧れの「マンモスアパート」で、驚くような著名人が何人も暮らしていたらしい。あのコストと手間のかけようは尋常じゃないと思っていたけど、今回の記事を読んで深く納得。

すごい本ができた!「大阪力辞典」(まさきち)

2004-11-30 04:57:25 | 
名作「モダンシティふたたび」の出版元である創元社から、またしても名作が出版されました!
例によって例のごとく、読みかけたトタンにがまんできずにご紹介ですが、これはスゴイ本が飛び出した・・・!と思うのです。大阪の「ネタ」というか「値打ち」というか「素敵」が満載のこの本は、大阪以外の人が読んだらきっと来たくなるだろうし、大阪の人が読んだら自分の街がこんなにおもしろかったんかーとうれしくなるような、そんな本。大阪の代表と言えるような人が大集団でそれぞれのテーマを語りまくるのを聞く、みたいな感じです。
維新派の松本雄吉さんが語るページに「大阪の代表的な風景は道頓堀とかが挙げられますが<略>通天閣みたいに俯瞰できるところ、高い所から見てその多様さに目がくらむぐらいでないと大阪の実体はつかみきれないでしょう」とありましたが、まったく同感!わたしは天保山の観覧車から大阪の街を見たとき、おもちゃ箱をひっくり返したような景色にびっくりして感激したことがあります。
とにかくこの本はオススメ。近代建築に関しても、興味深いコラムがあります。
取り急ぎ、ご紹介。

モダン・シティふたたび(まさきち)

2004-10-06 00:51:33 | 
『モダン・シティふたたび』
まさにわたし達のテーマですよね。副題は「1920年代の大阪へ」。海野弘さんの本です。nrk氏が以前推薦されていたの、この本でしたよね?
お気に入りの古書店ノスタルジアにて700円で購入。読み始めたばかりの本をオススメしたくなるのは悪い癖かもしれませんが、わたし達がやりたいと思っているダイオオサカ時代のアーカイブ作りには必須の本。

昔から日本史と世界史が全然頭の中でリンクしなくて困っていたのですが、1920年と言えば大正9年から昭和5年まで。そう、それは先日遠足してみて回った近代建築の多くが建てられた時期ですね。1910年代~30年代を含めてこの時期がモダンシティ・大大阪と呼ばれた時代でした。第一次世界大戦(1914-18)と第二次世界大戦(1939-45)の間、ですね。

遠足のときに三木学氏と話していたことですが、第二次世界大戦の前と後ではなにもかもが違います。そこに大きな分断があります。明治時代から西洋文化を取り入れ始め、日本にようやく華々しく開花し始めた矢先の戦争・敗戦で、モダン・シティは台無しになってしまったのですね。
その短い期間の痕跡は、すごく減ったとは言えまだ壊滅には至っていません。

「モダンシティの時代から、現代を照射する」という意味を込めて、『ダイオオサカまち基盤』(しつこいようだが略してオオバン)と名乗ることに決めた!

キーワード50より 建築学会ラブレター作戦(まさきち)

2004-09-22 22:53:38 | 
日本建築学会がこんなコトをしてたんだそうです。
昭和42年(1967)旧帝国ホテルの解体騒ぎのあと、
学会が大阪の中之島建築群、京都の中京郵便局、東京銀行本店、芸大奏楽堂などに保存の要望書を出し続けたとか。
それとは別に、昭和49年(1974)から丸6年かけて『日本近代建築総覧』をまとめると、
電話帳のように無味乾燥きわまりない本だったのにあっという間に完売したそうな。
でも、それを買ったのは洋館ファン・先生・業者ばかりでオーナーではなかった。
そこで学会がその中の約3000棟に対して調査お礼も兼ねて
「(あなたの建物は)貴重であると思われ・・・今後とも大切に御使用下さいますよう」
という文書を送ったそうです。まさにラブレター。
東京都豊島区の旧マッケレーベ邸のようにこのラブレターがきっかけで実際に保存されたものもあるそうです。

学会や、行政や、はたまた巷のファンたちから「あなたの建物ステキ」と言われることを誇りに思ってくださるオーナーが、たくさんいることを願います。
そしてそんな風に伝える機会を作れたらナ・・・と思うのです。

どうか、「ステキというからには、高く売れますかな、フォッフォ」などと思う勿れ・・・。

キーワード50より 昔バンク今ホテル(まさきち)

2004-09-09 22:43:29 | 
うーん、旧三井銀行船場支店がこうなっていたら・・・
と思わせるホテルニュー函館
と言ってもコンバージョンしたのも1968年とずいぶん前なので
現在どのような人気のどのような状態なのかはわかりませんが、
(ご存知の方いらしたらコメントください)興味ある話です。

「平凡だがいかにも銀行らしい建物」が函館商船に買収されたのは、
頑丈そうで、価格も安かったからだそうです。
『函館ドックを訪れる外人客を止めても恥ずかしくない一流のホテル』
を目指しての、再生。

このコンバージョンに関わったのはなんと造船技術者チーム。
「船も建築も、室内意匠は同じようなものとは言え、
関係者の苦労は大変だった。が、皆建物にほれ込んでいた。」
いいですねぇ、このココロイキ。
「見るからに安全そうで頼もしく、素人ぽいディテールも、
いかにも技術者の手によるものらしい」ふふふ、いい話だな。

ほとんど騒がれもせず、宣伝もしなかったそうですが、
外国のペンションのような家族的雰囲気の豊かなホテルだったようです。

「高級ではないが、誰を案内しても喜ばれる」

コレだ!と思うのです。誰かを喜ばせることができる建物。
自分が便利になるためのものはほぼ揃ったし、
次に向かうのは誰かを喜ばせる、誰もに喜ばれる、
「これ、いいでしょう?」「ホントに素敵ですね」と共有できる建物。
「ここ、いいでしょう?」とオススメできる街。
歴史を感じさせる建物は、ある共通の印象を与えるようです。
アンケートの回答に思いのほか多かった「近代建築は落ちつく」という印象。
誰を案内しても喜ばれる、に初めから近いトコロにありますよね。

キーワード50より  C.アレグザンダー(まさきち)

2004-09-07 00:50:14 | 
なんで保存したいのか?
その問いに答えるのは簡単そうで難しいことですよね。

このキーワードは<西村幸夫>さんが書いています。
保存を論じるときの最初のつまづきは、「歴史的環境と呼ばれるものの実態が何であり、なぜそれが保全されなければならないのかが必ずしも明確でない」という点です。

創造というのは新しいコトだから意味があるんだ、というような意見に対してどう答えるかということですね。

「これを壊してしまったらとりかえしがつかないことになる」という確信のような気持ちは、アンケートの回答の中にも随所に見られましたが、この表現しにくいことをC.アレグザンダーという人が次のように明確にしたそうです。

「建物やまちを生気あるものとする方途は建物の側にあるのではなく、われわれの内にある。建物やまちの良し悪しを判断する目をわれわれは本来的に持っている。」

彼は、「生気ある建物・まちに対してだれもが感じる資質」という実体の無いものを250以上のパターンを総括することで表現したそうです。
「建物・まちは周囲との応答のなかで徐々に成長してゆく。どの断面をとってもまちは移ろいの只中にありながら、いつもそれ自体として完結しているのだ。」

この文章で明確になったようにはなかなか思えないのですが、
だけど、『その建物を・まちを、どう活かすか・どう楽しむかは、建物やまち側ではなく、わたしたちの側にある』という、抽象的な様でいて、実はすごく具体的な真実は、よく自覚していたいと思うのです。

保存再生につよくなる用語(まさきち)

2004-09-07 00:22:09 | 
1983年3月発行の建築知識別冊ハンディ版
キーワード50 保存再生につよくなる用語 監修/藤森照信

というオモシロイ教科書を入手しました!
20年前の状況なのに、今読んで新鮮ってどういうこと?
でも、長い間出しっぱなしだった蛇口は、
これまで無駄にした水の量を嘆くよりも、気付いた今すぐキュッとひねることが大事なように(よくわかりませんか・・・)
コレ、今読んでも参考になります。
と言っても検索にもかからないくらいなので入手は困難かもしれませんから、少しずつこちらで紹介しましょう。

今日はまえがき(藤森照信)から。
藤森氏(以下F)は、保存と再生は「"凍結"と"復原"からはじまった」と述べています。それは主に寺社仏閣において。復原は「後世の下品な付加物を取りのぞいて創建時のおおらかな姿を現わすのですから、実にみずみずしい仕事だったろう」と。
ところが、凍結と復原という手法ではあまり威力を発揮しない、ときには台無しにしかねない対象として、「町並みと近代建築」が登場したのです。
近代建築に限ると、官公庁や銀行、商店など、地価の最も高い敷地で、きびしい経済活動の器として使われていたものですから、
凍結・復原せよという申し出は、床面積を増やしたいとか、新しい設備を入れて合理的なものにしたいというオーナーの欲求にはねつけられます。

そこで新しい道を探り、「ファサードを凍結して内側を大改造」して、改変の質を問おうとする姿勢に大変身したのです。
それは史家や行政者の保存側が、凍結・復原から活用・再生という<作ること>に活路を見出し、新しいモノばかりを作ってきたデザイナーなどの作る側は歴史的遺産を残すという<作らないこと>に目覚めたことで、≪保存とは、より質の高い環境を創り出すための方法の一つである≫という新たな価値感が生まれたのです。

この本は、その「作らないための建築学」を普及させるために<建築保存再生学科>を誌上に開設したものです。50コ全部はイヤですが、面白いと思った用語を取り上げてみようと思います。